更新日:2020年6月16日(火)
6月のNY連銀製造業景気指数は-0.2。市場予想の-30.0を大幅に上回り、マイナス圏に急落する直前の2月以来、4ヵ月ぶりの高水準。5月の-48.5からは+48.3ポイントとなって過去最大の急騰。
5月の前月比+29.7を大幅に上回り、これまで過去最大の急騰となっていた2003年5月(+30.2)を17年1ヵ月ぶりに更新。
新規受注や出荷が4月の過去最低から2ヵ月連続の急回復となったほか、今後の見通しを示す期待指数は56.5となって2009年10月(56.8)以来、10年8ヵ月ぶりの高水準。新規受注見通しは52.9で2005年8月(53.1)以来、14年10ヵ月ぶりの高水準。
期待指数低迷が景況感指数を押し下げ、期待指数回復が景況感指数を引き上げる連動状態がNY連銀の指数では顕著に見られます。
今回は過去に例を見ない急落状態から、過去に例を見ない急反発状態となり、この勢いがもう少し続き、他の地区連銀の景況感にも波及するようなら、リセッションからの回復時期も予想外に早まる可能性もありそうです。
米国家経済会議(NE)のクドロー委員長は14日、米国経済は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済閉鎖が作り出した「天災」から回復の過程にあり、「V字回復となる確率は非常に高い」との強気発言。そして、先週のFOMCなどでも慎重姿勢を見せたパウエルFRB議長に対しては「実に気が滅入る」と真っ向否定。
今回のNY連銀の指数は現時点ではクドロー発言をサポートする形にはなったようですが、テキサス、フロリダ、アリゾナ、ノースカロライナなど米国の一部の州では新型コロナウイルスの新規感染者が急増していることなども伝えられ、経済活動再開が後戻りする懸念も生じ始めているようです。
15日のNY金相場は-10.1ドル、0.58%の続落。週明け時間外スタート直後の1740ドル台前半がこの日の高値、先週末の上値の重さと上ヒゲが示唆したとおりの調整局面が進行。欧州時間に節目の1730ドルを割れると一段安、MY朝には1週間ぶり安値となる1710ドル割れ。しかし1700ドルの大台ライン付近で下げ渋ると、NY市場ではFRBが緊急融資プログラムの一つであるセカンダリーマーケット・コーポレート・クレジット・ファシリティー(SMCCF)を通じて、個別企業の社債買い入れを開始することを発表。これを好感する形で株高の流れとともに反発に転じるとNY午後には1720ドル台後半へ、引け後には1730ドルを回復。日足レベルでは20日移動平均線(1727.7)にもサポートされた形ながら、高値更新も意識された上値トライへの流れはいったん巻き戻し。目先は1740ドルが抵抗水準となり、再度これを超えて上値再トライへと向かえば1760ドル付近までが上値目標に。下方向には1700ドルの大台ラインがサポート候補、その下の1680ドルは重要なサポート水準。これを割り込むようだと大幅調整となって下値目安は1630ドル前後まで。
NYプラチナは+2.7ドル、0.33%の小幅高で5日ぶりの反発。時間外とNY朝には急落の展開で800ドルの大台割れを二度試す場面もありながら、概ね下値目安810ドル前後が下値という形にもなり、NY市場では株高と金高の流れにもサポートされて820ドル台へと堅調推移、NY引け後には830ドルを試す場面も。上ヒゲ十字線の翌日に下ヒゲ十字線に近い足型を形成し、下げ渋りを示唆する様子も。90日移動平均線(822.4)から820ドル前後が目先のサポート候補にもなり、この水準を維持できれば徐々に流れも好転方向へ。
ドル円は7銭程度のドル高円安、0.07%の小幅続伸。米ジョージア州アトランタでの警察官発砲による黒人男性死亡事件なども嫌気されてダウ先物が大幅安スタート、日経平均も大幅安となってリスク回避の流れで円高優勢となった東京時間には107円台半ばから前半へと軟調推移、午後には一時107円ちょうど付近まで下落。欧州時間には株価の下げ止まり、買い戻しの流れにも連れて107円40銭台まで反発すると、NY時間にかけては107円20銭から40銭台までの狭いレンジで揉み合いの展開に。FRBによる社債買い入れ発表はリスクオンとなっての円安とドル安の流れにもなって方向感喪失状態にも。目先は107円での下値は堅く、上値は107円半ばが重くなる状態となって狭いレンジでの保ち合いの様相に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/15終値とチャート
16日の国内金価格は-6円、0.09%の小反落。今年の平均騰落値幅59円に対して6月平均は40円とボラティリテイ低下が続く状態、高値保ち合いが続くなかでレンジ収縮状態も続き、拡散フェーズとボラティリティ拡大を待つ状態にも。大変動となった3月の平均騰落値幅110円ほどの拡大は予想されないものの、保ち合い長期化後のブレイク局面では短期間での大幅変動も十分想定されるところ。上方向に6540円の節目を突破すると上値目標は6680円近辺まで、下方向には6480円台を割り込めば6320円近辺を目標に大幅調整へ。
プラチナ価格は+65円、2.13%の大幅高で5日ぶりの反発。下値目安3080円台を30円ほどオーバーランしてようやく巻き戻し、5月末安値となった27日の3118円を回復し、90日移動平均線(3122)にもあと少しのところまで上昇。目先は3050円から3220円までの広めのレンジで方向感回復を試す展開にも、まずは90日線超え、さらに21日移動平均線(3159)も上抜けできれば地合回復へ。3220円の節目を超えると3月初旬の戻り水準3320円台までが上値目標に、3050円を割れた場合には3000円近辺までの一段安も。
※参考:金プラチナ国内価格6/16とチャート
2020年6月16日(火)時点の相場
国内金:6,526 円 6/16(火) ▼6(0.09%)
国内プラチナ:3,118 円 6/16(火) ▲65(2.13%)
NY金:1,727.2 ドル 6/15(月) ▼10.1(0.58%)
NYプラチナ:821.7 ドル 6/15(月) ▲2.7(0.33%)
ドル円:107.43 円 6/15(月) ▲0.07(0.07%)
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