更新日:2020年6月19日(金)
週初に発表されたNY連銀に続き、米地区連銀の製造業景況感指数はV字回復。
6月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は27.5となり、市場予想の-22.9を大幅に上回る好結果。39年9ヵ月ぶり低水準となった4月の-56.6から5月には-43.1と小幅反発にとどまりましたが、6月には4ヵ月ぶりのプラス圏となる前月比+70.6ポイントの急騰。過去最大の急騰となり、これまでの過去最大1980年10月の前月比+35.0の2倍、そして39年8ヵ月ぶりの更新。
新規受注が4ヵ月ぶりにプラス圏を回復し、出荷は2年ぶりの高水準へと急騰。さらに今後の見通しを示す期待指数は66.3となり、1992年6月(66.4)以来18年ぶりの高水準。新規受注期待も67.9となって1991年10月(70.4)以来、18年8ヵ月ぶりの高水準。
期待指数が牽引役となって総合指数を引っ張り上げ、リセッションからの早期脱出も意識されそうな状態となり、製造業景況感としては文字通りV字回復を示現。
そう単純にはいかないのが労働市場。
6月13日までの週の新規失業保険申請件数は150.8万件。市場予想の129万件を大幅に上回り、13週連続の150万件超。この間の合計申請件数は4573.8万件。
6月6日までの週の失業保険継続需給者数は2054.4万人。これも市場予想の1985万人程度を大幅に上回る水準。継続受給者数は5月9日までの週の2491.2万人が最大となり、ピークアウトの兆しは見て取れるものの、7週連続の2000万人超。減少ペースは加速せず、高止まり状態が続きます。
ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁はこの日、「米国の実質的な失業率は約20%」との発言も。FOMCメンバのなかで最もタカ派とされるクリーブランド連銀のメスター総裁は「経済が2月の水準に回復するまで時間がかかる」とし、「危機前のGDP成長水準に回復するには1、2年かかる」とも。だから「かなりの長い間、非常に緩和的方針が必要」とハト派スタンスを正当化。
トランプ政権内では、FRBの景気見通しに不満を表す向きもあるようですが、FRBサイドからすれば、製造業景況感のV字回復にこそ違和感を覚えているのかもしれません。
米労働市場は今のところ、スウッシュ(SWOOSH:ナイキのロゴ)回復の状態となっています。
18日のNY金相場は-4.5ドル、0.26%の続落。全米での経済活動再開と感染再拡大懸念、トランプ大統領批判報道に回復基調を示す経済指標など強弱材料混在のなか、前日の下ヒゲ十字線から、この日は欧州時間に上値トライへ。1730ドル台半ばでの揉み合い状態から1週間ぶり高値となる1750ドル手前まで15ドル程の急騰も、一時的にとどまって急反落、元の水準を通り越してNY朝には1730ドル割れ。しかし、1720ドル台前半では底堅く、20日移動平均線(1726.2)にもサポートされて1730ドル付近に収束。引き続き1720ドルから1740ドルまでのレンジで保ち合い継続の様相、方向感喪失気味にも。月末にかけて上抜けできれば今年高値再トライへも、下抜けなら1700ドル前後までの下押しに。
NYプラチナは-26ドル、3.1%の大幅続落。前日の小幅十字線から流れは下方向へ。時間外は830ドル半ばから820ドル台後半へと小幅に水準を切り下げての揉み合い推移、NY金の急騰局面に連れての反発で一時830ドル半ばまでの反発も、戻り売りのきっかけとなってNY朝には810ドル割れへと30ドル程の急落。NY引けにかけては810ドル台をなんとか回復も上値は重く、日足レベルでは5月後半以降ゆるやかに上値を切り下げるきれいな下落トレンドを形成し、もう一段の下値トライへの可能性。5月半ばの急騰前の保ち合い水準790ドル前後までが下値目安に。
ドル円はわずかに5銭程度のドル安円高、0.06%安で3日続落、1週間ぶりの107円割れ。株安に連れて軟調推移となった東京朝には106円70銭台で下げ渋り、欧州時間には107円10銭台まで反発。NY時間にかけては株安の流れにも連れて反落の展開、強弱の米指標にも失業保険申請件数の高止まりをネガティブに捉える向きが優勢となって再び107円割れ、一時106円60銭台まで下落も、米株の下げ渋りとともに107円近辺まで反発。結果的に先週後半安値106円50銭台も下回らず、106円80銭から107円半ばまでの保ち合いレンジを維持する形に。あらためて106円80銭を維持できなくなれば一段安の展開で5月安値105円90銭台が下値目安に。107円台後半へと反発できれば200日移動平均線(108.42)付近、108円台半ばまでが上値目標に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/18終値とチャート
19日の国内金価格は-13円、0.2%安となって4日続落。6月9日(6473)以来、10日ぶりの安値となり、節目の6480円台をわずかに下回ったことで高値保ち合い下放れ。下値トライへと向かう可能性が高まる状態となり、当面の下値目標としては4月末から5月序盤の保ち合い下限付近、6320円近辺まで。ただし、NY金が保ち合い崩れとなって1700ドル前後まで下落することが前提。保ち合い継続ならダマシに、逆に保ち合い上抜けとなった場合には国内価格も切り返す展開で6540円の節目との攻防へ。
週間ベースでは-10円、0.15%の小幅続落。
プラチナ価格は-27円、0.88%安で3日続落となり、5月18日(3029)以来、1ヵ月ぶりの安値。下落基調の90日移動平均線(3102)に上値を押さえられての戻り売りからの一段安となって節目の3050円割れ。さらにもう一段の下落余地拡大で3000円の大台ライン近辺までが下値目安に。
週間ベースでは-30円、0.98%の続落。
※参考:金プラチナ国内価格6/19とチャート
2020年6月19日(金)時点の相場
国内金:6,479 円 6/19(金) ▼13(0.20%)
国内プラチナ:3,031 円 6/19(金) ▼27(0.88%)
NY金:1,731.1 ドル 6/18(木) ▼4.5(0.26%)
NYプラチナ:812.2 ドル 6/18(木) ▼26.0(3.10%)
ドル円:106.97 円 6/18(木) ▼0.06(0.06%)
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