更新日:2020年7月20日(月)
ブリュッセルでのEU首脳会議は17-18日の2日間の予定で行われ、新型コロナウイルスを発端とする経済対策として、総額7500億ユーロのEU復興基金の配分を巡って折り合いがつかず、19日にも決着せず、20日も協議延長中。5000億ユーロを返済不要の補助金とし、残り2500億ユーロを融資として提供するとの欧州委員会の提案に対しては、オランダとオーストリア、スウェーデン、デンマークの倹約4カ国が反対。この週末会合では融資の配分を3500億ユーロに増額(補助金4000億ユーロ)するミシェルEU大統領の提案でも折り合いがつかなかった模様。そもそも倹約4カ国側は補助金よりも融資の配分を増やすべきとの立場をとり、その乖離の大きさから歩み寄りが難しい状況。
それでも何らかの形で妥結せざるを得ず、遅れながらでも、妥協の産物となろうとも決着するものと予想されます。復興に向けて必要となる基金成立への期待感から先行してユーロが買われてきたことで、相対的なドル安も進行してきた流れが妥結によってある程度の巻き戻しの展開にも。
ドル安基調に下支えされ、高止まりが続いたNY金には若干の調整圧力となる可能性も。しかし、格好の押し目となるかもしれません。
先週末を1810ドル台前半で終えたNY金、週明け時間外はわずかに軟調スタートで1810ドル割れを試す動きも。逆に為替は1ドル=107円ちょうど付近から一時107円50銭台まで買われるドル高優勢の展開。なお、ユーロドルは先週末の1.1430ドル台から1.1420ドル割れへとドル高ユーロ安方向へ窓開けスタート後に1.1440ドル台へと反発も再び1.1410ドル台へと反落と落ちつかない状態。NYプラチナは850ドル付近で様子見の構え。
20日の国内金価格は+20円、0.29%高で3営業日ぶりの反発。15日につけた過去最高値6816円に次いで過去2番めの高値。下げ渋るNY金に支えられての高止まりも、上方向にはもう一伸びできるかどうかという状況のようにも。最高値更新となれば6890円近辺までが上値目標に、しかし足下の展開ではNY金の調整が進行しそうな状況にもなりつつあり、下押し圧力が強まって節目の6790円を割れると調整局面形成へ、6700円前後までが下値目安に。
一目均衡表では強気相場が継続中。転換線(6786)にサポートされ続け、基準線(6648)との乖離幅も拡大する加速基調。しかし、その勢いには失速の兆しも見られ、NY金に連れての調整局面形成へ、となる可能性も。上昇トレンド中にしばしば見られるパターンとして、雲の上限(6515から8月後半には6700円台へ)にサポートされて反発するか、多少の調整から横ばい傾向で雲の上限にぶつかって跳ね上がるような展開も。目先、その手前の基準線までの調整にとどまれば、8月に向けて後者のパターンにも。
プラチナ価格も一目均衡表では強気相場入り。雲の上限(3093)を1週間前に上抜けてこれを維持し、基準線を上回る転換線(3145)を今朝時点で上抜け、遅行線も横滑り状態で価格ラインを上抜けたばかり。2月高値から3月安値までの半値戻し(3151)も今朝には上抜け。ただ、この半値戻しとの攻防はかれこれ2ヵ月継続中。90日移動平均線(2988)もようやく下げ止まりつつある現状、半値戻しラインを完全に超えて61.8%戻し(3323)方向へと動き出すことができるかどうか、重要な攻防局面が継続中。
20日のプラチナ価格は+42円、1.34%の続伸となって7月9日(3182)以来、10日ぶりの高値。金曜日のNYのプラチナの上昇を反映し、小さな三角保ち合いを上抜ける形となって上昇余地拡大へ。5月高値3220円台までが短期上値目標に。しかし、今朝のドル高ユーロ安と金の軟調気味の展開が続くようだと、連れ安の展開へと巻き戻される可能性も。反落となって下げ幅拡大へと向かえば3120円がサポートに。これを割り込んでしまうと流れは逆転、3030円近辺を目標に下値トライの展開へ。
※参考:金プラチナ国内価格7/20とチャート
2020年7月20日(月)時点の相場
国内金:6,811 円 7/20(月) ▲20(0.29%)
国内プラチナ:3,173 円 7/20(月) ▲42(1.34%)
NY金:1,810.0 ドル 7/17(金) ▲9.7(0.54%)
NYプラチナ:849.6 ドル 7/17(金) ▲12.6(1.51%)
ドル円:107.00 円 7/17(金) ▼0.28(0.26%)
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