更新日:2021年2月3日(水)
ドル建ての金価格と米ドルとは、概ね逆相関の関係性にあります。ただ、局面的には逆方向への値動きとなることが多いものの、日足レベルではそれぞれの値幅の違いや他の要因などの影響にも左右され、逆相関の関係性が弱まることもあります。
90日相関係数の推移を見ると、NY金とドルインデックス、NY金とドル円、いずれの関係性でもマイナス圏、逆相関の領域での推移が圧倒的に長く、時折りプラス圏、正相関の方向へと振れることがあります。
逆相関側に振れた場合にはマイナス0ポイント台後半、限りなく-1に近づこうとする強めの逆相関となるケースが多く、その時間も長めとなります。正相関側に振れた場合には、ほぼプラス0ポイント台前半、弱めの正相関もしくはほぼ無関係の状態で折り返します。
2020年半ば以降は、ドルインデックスに対しても、ドル円に対してもNY金は強めの逆相関となっていましたが、秋以降はその関係性が急速に薄れて行きました。
そしてドル円との90日相関係数は12月半ばの0.6ポイント付近で、ドルインデックスとの90日相関係数は12月末に0.39ポイント台で折り返し、逆相関が弱まるサイクルを終え、逆相関復活に向かうであろうサイクルがスタートしています。
過去の実績から見ると、今年序盤にかけて、NY金と米ドルの関係性は逆相関がかなり強まる状態となることが予想されます。
足下では、ドルインデックスが年末の89ポイント台で底入れし、91ポイント方向へと反発の兆しとなり、ドル円も年初の102円台で底入れし、現時点で105円付近まで反発中。
NY金は年初の急落からここまで、概ね1800ドル台半ばでの保ち合い推移が続いています。
今後、ドルとの逆相関関係が強まり、ドル高の流れがもう一段続くなら、NY金は調整局面再開を強いられる場面が来る可能性もあります。
なお、仮にドル高の流れが巻き戻され、NY金が上値トライ再開へと向かった場合でも、結果的に両者の逆相関関係は強まることにはなりますが・・・
2日のNY金相場は-30.5ドル、1.64%の大幅安で3日ぶりの反落。1月15日(1829.9)以来、半月ぶりの安値。SNS相場の反動でゲームストップ株などの急落とともに前日9%超の急騰となっていたNY銀先物価格は10%超の急反落。煽りを受けて前日まで上昇していた金も急反落。ドル高でも水準を切り上げた前日高値は格好の戻り売りポイントにもなった様子で、この日はドル高と米10年債利回り上昇の流れにも押されて時間外の1860ドル台後半からNY朝の1830ドル近辺まで、ほぼ一方的に水準を切り下げる展開に。ドル高と金利上昇一服となったNY午後にかけては下げ渋って1830ドル台後半へと小反発も、20日移動平均線(1860.6)が抵抗線となって200日移動平均線(1852.9)はサポートになりきれず、1840ドルの節目割れ。早期に1840ドル台を回復できなければもう一段の下値トライへ、当面の下値目標は11月末安値圏1780ドル台まで。
NYプラチナも3日ぶりの反落で-42.8ドル、3.76%の大幅安。1月8日(-53.3ドル、-4.74%)以来、1ヵ月ぶりの急落で前日急騰値幅の7割強を戻した形に。1130ドルの節目を超えた前日の上値トライへの兆しはやはり一時的な買われ過ぎに過ぎず、銀の急反落や金の下落基調にも追随する展開となって時間外の1140ドル手前から、NY朝の1100ドルまで30ドル超の下落。NY午後には一時1090ドル台前半まで下落も午後には反発、引け後には1100ドルを回復。ゆるやかに上昇する20日移動平均線(1099.5)にもサポートされ、レンジを拡大しながらも高値保ち合い継続の様相に。当面の主要レンジは1070ドルから1140ドル。下方向へ抜け出すと1月安値1010ドル近辺を目指す流れにも、上方向へブレイクした場合には2015年以来となる1200ドルの大台トライへも。
ドル円は6銭のドル高円安、0.06%高で5日続伸。5日続伸は昨年9月末以来、4ヵ月ぶり。11月12日(105.14)以来、ほぼ3ヵ月ぶりの高値水準。ロビンフッダーたちの投機的取引も収束へ向かうとの見方から欧米株などは続伸で堅調推移となり、米10年債利回りは再び1.10%台へと上昇した流れにも下支えされ、欧州・NY朝にかけてはドル高優勢地合い。前日には高値抵抗線となっていた105円ちょうどのラインを超えるとNY時間には一時105円20銭手前まで上昇。短期上値目標105円台前半にもしっかり到達し、いったんは多少調整の展開も予想されるところ。ただし、日足レベルでは昨年来のきれいな下落トレンドの抵抗線を明確に上抜けてトレンド転換済。ドル高円安方向へと一方的な流れとなるとは限らないものの、円高圧力は確実に緩和されており、中期的には少なくとも保ち合いでの横ばい傾向か、ややドル高優勢の展開となる可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/2終値とチャート
3日の国内金価格は-48円、0.7%安で4日ぶりの反落。NY金の急反落によって上値目標6890円台を目指す流れは巻き戻され、ゆるやかに下降する90日移動平均線(6879)との攻防も先送り。NY金が下げ渋るようなら保ち合い傾向となって6710円台から6830円台までが目先の主要レンジに。一段安への流れに追随することになれば下値サポートを割れてさらに100円程度の下落も見込まれ、6610円台辺りまでが当面の下値目安に。
プラチナ価格も4日ぶりの反落で-54円、1.33%の大幅安。逆ペナント型の三角保ち合い上放れに伴う上値目標4170円台を目指す流れは当然のように巻き戻し。銀価格などが落ち着きを取り戻した後、改めて堅調な流れとなれば上値再トライへと向かう可能性も。目先はNYプラチナと同様に高値保ち合い継続の様相となり、3870円から4070円までが主要レンジに。あらためて上方ブレイクとなった場合の上値目標は2015年以来となる4100円超え、4100円台半ば辺りまで。
※参考:金プラチナ国内価格2/3とチャート
2021年2月3日(水)時点の相場
国内金:6,785 円 2/3(水) ▼48(0.70%)
国内プラチナ:4,013 円 2/3(水) ▼54(1.33%)
NY金:1,833.4 ドル 2/2(火) ▼30.5(1.64%)
NYプラチナ:1,096.0 ドル 2/2(火) ▼42.8(3.76%)
ドル円:105.00 円 2/2(火) ▲0.06(0.06%)
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