更新日:2021年3月12日(金)
米労働省が発表した3月6日までの週の週間新規失業保険申請件数は71.2万件。市場予想を下回って前週の75.4万件から大幅減少、コロナ後の回復局面ではここまでの最少となった11月7日までの週(71.1)以来、4ヵ月ぶりの低水準。4週移動平均では75.9万件となり、5週連続の減少で14週ぶりの低水準。
コロナ前の過去最大となっていた69.5万件目前で減少傾向がストップし、そのまま4ヵ月間下げ渋る状態が続きましたが、ここにきてようやく回復基調再開へと動き出したようにも見えます。
回復フェーズで始めて4週移動平均で90万件を割り込んだのが9月19日までの週。11月末には74万件まで減少しましたが、年末にかけて80万件台へと増加。足下では順調に減少して再び80万件割れ。
9月19日までの週以降の4週移動平均の前週比を平均すると、-6千件ほど。これが前の週まで4週連続-1万件超、直近週では-3万件超の急減。
今後、4週移動平均で-1万件ペースで減少が続くと仮定した場合、コロナ前の4週移動平均21万件程度まで減少するのに必要な時間は、
75.9万件-21万件=54.9万件、→55週=1年と3週。
順調に減少傾向が続くなら、計算上では新規失業保険申請件数は最短であと1年程度でコロナ前の水準を回復することが可能、となります。
ここまで既にほぼ1年経過していることから、合計2年で全戻しとなる可能性も。
前回の金融危機の際には4週移動平均で30万件程度から60万件台へと急増した失業保険申請件数は、その後4年程度かけてようやく元の水準へと戻りました。(※その後さらに減少)
今回のコロナショックでは前回の10倍以上に急増した失業保険申請件数が、この計算では前回の半分の時間で回復フェーズを完了することになります。
11日のNY金相場は+0.8ドル、0.05%の小幅高で3日続伸。米10年債利回りの低下基調が続いてロンドン時間には一時1.5%割れ、ドル安の流れも連動したことで1720ドル台から1730ドル台後半まで堅調推移。上抜けると一段高も想定された1730ドル台の節目では上値も重く、NY朝までは1730ドル台前半で小幅揉み合い推移となって上げ渋り。NY市場では失業保険申請件数が予想以上の好結果となり、バイデン米大統領の署名により追加経済対策法案成立も好感されてリスクオン。米10年債利回りは1.53%台へと急反発、株高の流れも加速してダウとS&Pは連日の最高値更新へ。急反落のNY金は一時1716.6ドルまで下落してこの日の安値、それでも為替がリスクオンの円安・ドル安となったこともあり、下げ渋ってNY午後には1720ドル台を回復。短期トレンドは調整一服状態ながら、1730ドル台の節目突破にいったん失敗した格好に。目先は戻り売り再開か、もう一段の反発をかけての攻防状態にも。節目超えなら1760ドル近辺を目標に反発継続へ、下方向には5日移動平均線(1707.6)を下回るようだと下押し圧力が強まりそうな状況にも。
NYプラチナはわずかに+0.5ドル、0.04%高となって4日続伸。金に連動する展開で上に行って来い。ロンドン市場でつけた高値は1234.3ドル。2月26日(1238.3)以来、2週間ぶりの高値となり、1210ドル台の節目突破に伴う短期上値目標1240ドル近辺にほぼ到達したような格好にも。急反落のNY市場では1200ドル割れを何度か試すも下げ渋り、1200ドルの大台ラインでの足場固めの様相にも。目先、今年高値圏での保ち合い下限1240ドル近辺の上値目標再トライか、上値トライ一服からの調整となれば5日移動平均線(1172.0)辺りがサポートにも。
ドル円は13銭のドル高円安、0.12%の小幅高で3日ぶりの反発。米10年債利回りと米ドルが下げ渋った東京時間には円安の流れで堅調推移、終盤には前日高値に迫る108円80銭台まで上昇。しかし、欧州勢参入と同時に流れは反転。米10年債利回り急落とユーロドル急騰などにも連れて108円30銭台まで急反落。上に行って来いとなった後はNY市場にかけて下げ渋り、失業保険申請件数の好結果などを受けて一時108円70銭台まで反発する場面も。しかし株高基調加速のリスクオンでドル安圧力も強まって上値も重い状態に。結果的には5日移動平均線(108.56)になんとかサポートされた状態に。目先、5日線割れならもう一段の調整も、3月高値から年初安値の61.8%戻し108円20銭台がサポート候補、上方向には109円が当面の抵抗水準、超えると76.4%戻しの109円50銭台が目標に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/11終値とチャート
12日の国内金価格は+7円、0.11%高で3日続伸。2月26日(6604)以来、2週間ぶりの高値。今年安値圏での保ち合い上抜けに伴う短期上値目標6580円前後にもあとわずか。これを突き抜けて逆三尊からの上値目標6611円にも手が届きそうな勢いもあったものの、NY金の失速によって上値トライ一服となる可能性も。そうなると、またしても21日移動平均線(6590)が鬼門に。下げ止まった9日移動平均線(6495)をサポート候補に保ち合い形成となる可能性も。
週間ベースでは+160円、2.49%の大幅反発。上昇率は今年最大、昨年11月2日からの週(+192円、2.8%)以来4ヵ月ぶりの急騰。
プラチナ価格は+52円、1.15%高で5日続伸。5日続伸以上は2月半ば以来、1ヵ月ぶりで今年2回め。2月25日(4673)以来、2週間ぶりの高値。3月3日の4484円超えに伴う短期上値目標4550円近辺に到達。NYプラチナが大台を維持できるなら、もう一段の上昇の可能性も高まり、2月高値から3月安値の61.8%戻し(4572)辺りが視野に。上値再トライへと向かうようなら、さらに一段高となって4600円の大台ラインが意識されるような展開にも。
週間では+352円。8.37%の大幅高で3週ぶりの反発。2月8日からの週(+445円、11.03%)、1月4日からの週に次いで今年3番めの急騰。
※参考:金プラチナ国内価格3/12とチャート
2021年3月12日(金)時点の相場
国内金:6,573 円 3/12(金) ▲7(0.11%)
国内プラチナ:4,559 円 3/12(金) ▲52(1.15%)
NY金:1,722.6 ドル 3/11(木) ▲0.8(0.05%)
NYプラチナ:1,202.3 ドル 3/11(木) ▲0.5(0.04%)
ドル円:108.54 円 3/11(木) ▲0.13(0.12%)
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