更新日:2021年4月6日(火)
3月の米経済指標では、雇用統計、ISM製造業景況指数に続き、ISM非製造業景況指数も予想以上の好結果となりました。
ISM非製造業景況指数は63.7。市場予想の59.0程度を大幅に上回り、2月の55.3からも急騰し、調査開始の1997年以降で過去最高。指数の水準としては37年4ヵ月ぶり高水準となった製造業とほぼ同水準。
構成指数としては、事業活動指数と新規受注がいずれも過去最高となった他、雇用指標も1年10ヵ月ぶり高水準。
また、仕入れ価格指数は12年8ヵ月ぶりの高水準。製造業の価格指数が2月に12年7ヵ月ぶり高水準へと急騰し、3月に若干低下も高止まり、という状況に追随する展開となっています。
ワクチン効果や経済対策、給付金なども貢献し、3月に入って米経済の回復基調は急加速し、市場のインフレ加速への警戒感を高める指標も目につくようになってきました。
インフレ上昇は一時的と指摘するFRBの思惑との乖離も、今後の警戒材料となりそうです。
そして、景気回復基調加速でテーパリング検討前倒し?との市場の警戒感と、それを完全否定し続けるFRBの思惑との乖離も同様です。
5日のNY金相場は連休前からわずかに+0.4ドル、0.02%の小幅高となって3営業日続伸。週明け時間外スタート時点の1730ドル近辺からはわずかに低下。時間外序盤は米10年債利回り上昇とドル高優勢の流れに軟調推移となって1720ドル付近まで下げてこの日の安値、イースターマンデーで休場となった欧州市場の時間帯は1720ドル台での小幅揉み合い推移、NY市場では雇用統計を好感して急騰スタートとなった米株が3月のISM非製造業景況指数の好結果もあって一段高。ドル安の流れ急進と米10年債利回り低下を受けてNY金も一時1735ドル付近まで上昇してこの日の高値。NY引けにかけては1730ドル付近に収束し、週明けからは小幅揉み合いでほぼ横ばい推移。この日の変動値幅はわずかに12.8ドル、今年の平均30.3ドルの4割程度にとどまって今年最小。引き続き1730ドル台の節目での抵抗感は強く、これを上抜けるようなら1800ドルの大台付近を目指す流れへと発展する可能性も。下方向にはダブルボトムの下限1680ドル近辺が強めのサポート。これを割り込んでダブルボトム崩れとなれば一段安の展開で1620ドル近辺を目指す流れへ。
NYプラチナは+1.2ドル、0.1%の小幅高で3日続伸で3月18日(1217.5)以来、半月ぶりの高値。週明け時間外スタートとともに10ドル程度の急騰で1225ドルまで上昇したのがこの日の高値となって軟調推移の展開へ。欧州時間にかけて1210ドル前後へと水準を切り下げるとNY朝には一時1200ドル割れ、しかし3月末までの抵抗水準がサポートに切り替わった可能性も示すように急反発。株高と金の反発基調にも連れて1220ドル手前まで上昇。結果的に1180ドル台の節目上抜けに伴う短期上値目標1220ドル近辺を再度試す形となってしっかり到達、一服感からも1210ドル台へと小反落。短期トレンド好転も金の上値の重さに連動する可能性も、ゆるやかに上昇し始めた20日移動平均線(1190.2)が目先の下値サポート候補。
ドル円は53銭のドル安円高、0.48%の反落となって3月29日(109.79)以来、1週間ぶりの安値。東京・欧州時間は先週末の流れを受け継ぐ形で110円60銭近辺での小幅揉み合い推移の展開となり、NY時間は米株急騰、リスク選好の流れとなってドル安も急進。米3月ISM非製造業景況指数の好結果にも米10年債利回りが小幅上昇の反応後に材料出尽くし感の様相となって低下基調へ。ドル円は小幅保ち合い下限となっていた110円半ばを割り込むと急落の展開となって一時110円割れ。短期下値目安となる110円前後までしっかり下げた後は自律反発で110円20銭近辺まで浮上しての小康状態が今朝の東京市場まで継続。目先は調整一服となって110円80銭近辺までを上限に高値保ち合い形成の展開にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/5終値とチャート
6日の国内金価格は-15円、0.22%安で4日ぶりの反落。ゆるやかな下落基調が続く90日移動平均線(6694)に上値を押さえられ、3ヵ月ぶり上抜けにはいったん失敗。短期上値目標6750円近辺を目指した流れも一服。米経済指標の好結果が続くなかでも米長期金利上昇が限定的となり、ドル高の流れも一服傾向となってのNY金の下げ渋りにサポートされる状態。短期的には反発基調に一服感もあるものの、90日線を上抜けるようなら6730円台辺りまでの上昇余地も。
プラチナ価格は-19円、0.41%安で4日ぶりの反落。若干の行き過ぎ感からの控えめな調整とばかりに、NYプラチナの一服感からも今年高値圏4700円台手前で一服、という状況にも。2月末の戻り高値水準でもある4670円台が目先の抵抗水準にもなり、いったん保ち合い形成の展開にも。早々に抵抗水準突破となれば4720円近辺程度まで上値余地拡大も。
※参考:金プラチナ国内価格4/6とチャート
2021年4月6日(火)時点の相場
国内金:6,676 円 4/6(火) ▼15(0.22%)
国内プラチナ:4,652 円 4/6(火) ▼19(0.41%)
NY金:1,728.8 ドル 4/5(月) ▲0.4(0.02%)
NYプラチナ:1,209.8 ドル 4/5(月) ▲1.2(0.10%)
ドル円:110.18 円 4/5(月) ▼0.53(0.48%)
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