更新日:2021年6月3日(木)
6月2日時点でNY金とユーロドルの90日相関係数は0.81875、30日相関係数は0.85966。今年は特に年初から連動性が高く、足下では一段と相関性が強まっています。
年初から3月末まではワクチン効果などもあり、コロナ禍での経済回復加速とともに米10年債利回りが上昇し、ドル高の流れが進行しました。これに伴い、ユーロとNY金は対ドルで売られ続けて軟調推移。4月以降は米10年債利回りのピークアウトと同時にドル安へと反転、ユーロとNY金は対ドルで買われ続けて堅調推移。
最近ではFRBのテーパリング協議開始が意識され始め、金融政策の先行き見通しへの思惑から米10年債利回りは1.6%近辺での保ち合い推移となり、ドル安の流れも一服となって下げ渋り。その結果ユーロドルは1ユーロ=1.22ドルをはさんでの保ち合い状態に。NY金は1900ドル付近で小康状態に。
この状態も、今週末の米5月雇用統計通過で新たな展開へと動き出す可能性も警戒されます。
雇用の回復基調加速が想定された4月雇用統計が期待はずれとなったことで、今回5月統計での大幅増が現実となれば回復基調加速が意識されテーパリング観測前倒し論も台頭し、ドル高の流れが再開する可能性もありそうです。
そうなれば、ユーロドルは1.22ドル付近で、NY金は1900ドル付近でいずれもいったんピークアウトへ、という展開も想定されそうです。
そうならなければ、雇用の歪などが意識されて回復基調は進行しながらも若干の先行き不透明感などからテーパリング開始の協議はともかく、テーパリング観測自体は先送りへ。
この場合にはユーロドルもNY金も、年初につけた今年高値圏再トライへと向かう可能性も残されそうです。
2日のNY金相場は+4.9ドル、0.26%の反発で1月7日(1913.6)以来、5ヵ月ぶりの高値。1900ドルの大台維持をかけた攻防からスタートした時間外は徐々に軟調方向へ、揉み合いながら1900ドル割れの時間が長くなる展開もロンドン市場でつけた安値は1896.4ドルと限定的。NY朝には米10年債利回りが1.6%割れへと低下してドル高も反転、ユーロドルの反発と共に切り返すと1910ドル付近まで急反発。NY引けにかけては1910ドルラインとの攻防にも。5月28日安値1884.3ドルから前日高値1919.2ドルまでのレンジでダブルトップ形成への警戒感を抱えながらの保ち合い推移は週末まで続きそう。この保ち合いレンジを割れるとダブルトップ完成となって一段安へ、下値目安は3月安値から前日高値までの23.6%戻し(1861.2)近辺。ダブルトップ崩れとなって上方向へと抜け出した場合には昨年8月最高値から今年3月安値の61.8%戻し(1930.3)を超え、終値ベースでの今年高値1950台が意識される展開にも。
NYプラチナは-7.0ドル、0.58%安で3日ぶりの反落。1200ドル割れでスタートした時間外序盤は下げ渋って大台再トライも1199.1ドルまで。ゆるやかに上昇する90日移動平均線(1198.3)も加わって1200ドルの抵抗感が増した格好にも。ロンドン市場では1190ドルを割れ、NY市場では一時1180ドル割れを試す場面も。金の反発局面に遅れて追随する形となってNY午後にかけては1190ドル台を回復し、NY引け後には大台再トライのチャンスをうかがう様子も。抵抗感が強まった1200ドルの節目を突破することができれば5月中旬の戻り高値1240ドル近辺が短期上値目標に。下方向には1170ドル台のサポートを割れると1150ドル前後が下値目安。
ドル円は8銭程のドル高円安、0.07%の小幅高で3日ぶりの反発。東京市場では日経平均の反発とともに円安の流れとなって109円40銭台から60銭台へと堅調推移、欧州時間にはドル高の流れも加勢して109円80銭台まで上昇。しかし上方向への節目となる109円90銭を何度か試しても超えられず、NY時間には米10年債利回り低下とドル安の流れが強まり、109円50銭台まで急反落。上に行って来いとなって上値の重さを確認も、下値も109円半ばが徐々に底堅くなってきた様子も。ADP雇用が極端な結果となった場合には多少フライング気味の動きとなる可能性も、本格的にトレンド変化へとつながる可能性は週末の雇用統計待ち。109円90銭の上限超えなら今年高値更新と111円台前半までが上値目標、下方向には109円半ば、109円などのサポート候補をはさんで108円70銭が下値サポート。これを割れると一定の下落局面形成へと繋がる可能性、2月中旬高値106円近辺までが下値目安。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/2終値とチャート
3日の国内金価格は+47円、0.64%高で3日ぶりの反発。前日の下げは高値保ち合いレンジ下方拡大だったことになり、週末の雇用統計を待たずして高値保ち合い上抜け、昨年8月19日(7414)以来、9ヵ月半ぶりの高値水準に。保ち合い上抜けに伴う短期上値目標は7370円程度まで。ただし雇用統計後にNY金が上方向に動き出した場合にはこの範囲にとどまらず、最高値からの急反落後の戻り高値となった昨年8月19日の7414円なども射程圏内に。逆の展開となって7280円台の下値サポートを割れると短期下値目安は7220円程度まで、ただしNY金のダブルトップ完成からの一段安の場合には下げ幅拡大となって7140円近辺までが意識される可能性も。
プラチナ価格は+9円、0.2%高で4日続伸。5月19日(4634)以来2週間ぶりの高値も、4日合計で44円、0.96%の上昇にとどまり、今年の1日当たりの平均騰落値幅61円、1.4%にも満たず。それでも短期上値目標4630円近辺を目指す流れがゆっくりと進行中。週明けには目標水準を突き抜けるか、切り返して急反落の展開にも警戒。4530円台のサポートを割れると下値目安は5月安値4460円近辺。
※参考:金プラチナ国内価格6/3とチャート
2021年6月3日(木)時点の相場
国内金:7,335 円 6/3(木) ▲47(0.64%)
国内プラチナ:4,582 円 6/3(木) ▲9(0.20%)
NY金:1,909.9 ドル 6/2(水) ▲4.9(0.26%)
NYプラチナ:1,192.7 ドル 6/2(水) ▼7.0(0.58%)
ドル円:109.57 円 6/2(水) ▲0.08(0.07%)
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