更新日:2021年6月30日(水)
欧州委員会が発表した6月のユーロ圏景況感指数は117.9。市場予想の116.5を上回って5月からは+3.4ポイントの一段高、年初から6ヵ月続伸。過去最高となった2000年5月(118.2)以来、21年1ヵ月ぶりで過去2番めの高水準。
この6月は、ワクチン接種拡大と経済再開によるユーロ圏経済の回復基調急加速を如実に示す結果となったようです。
業種別では、製造業が+12.7となって7ヵ月続伸で4ヵ月連続のプラス圏推移、3ヵ月連続の過去最高更新。サービス業は17.9となり、5ヵ月続伸で3ヵ月連続のプラス圏推移で2007年8月(18.9)以来、13年10ヵ月ぶりの高水準。サービス業が製造業を上回るのは昨年9月以来9ヵ月ぶり。
その他、小売も4.5となって2017年12月以来、3年半ぶりの高水準、建設業も1年4ヵ月ぶり高水準。雇用期待指数も2年7ヵ月ぶり高水準。
国別では、ビッグ4ではイタリアが117.9となってユーロ圏の数値と並ぶ好結果。7ヵ月続伸で2000年8月(118.5)以来、20年10ヵ月ぶりの高水準。
ドイツが117.2で続き、5ヵ月続伸、2011年2月(116.4)を上回って10年4ヵ月ぶりに過去最高を更新。
フランスは112.2で5ヵ月続伸、2017年12月(113.0)以来、3年半ぶりの高水準。
スペインは107.2となり、1年9ヵ月ぶり高水準となった5月(108.3)から-1.1。
ユーロ圏とイタリアの117.9を上回った国は、
オーストリア:125.3=前月比+7.3の急騰で4年半ぶりに過去最高を大幅更新。ルクセンブルグ:121.9=2000年4月(123.7)以来、21年2ヵ月ぶり高水準。ベルギー:120.0=14年ぶりの過去最高更新。
ユーロ圏とイタリア未満、スペイン(107.2)以上となった国は、
フィンランド:114.8=3年半ぶり高水準。オランダ:113.7=2007年8月(114.2)以来13年10ヵ月ぶり高水準。マルタ:113.5=3年3ヵ月ぶり高水準となった4月(117.3)から続落。
アイルランド:111.8=2018年12月以来、2年半ぶり高水準。ポルトガル:110.6=2年5ヵ月ぶり高水準となった5月(111.4)から-0.8。リトアニア:110.1=13年半ぶり高水準となった5月の111.6から-1.5。
ギリシャ:108.7=1年3ヵ月ぶり高水準。スロベニア:108.1=2年4ヵ月ぶり高水準となった5月(109.3)から-1.2。エストニア:108.0=13年11ヵ月ぶり高水準。
スペイン未満となったのは、ラトビア:105.6=3年5ヵ月ぶり高水準。キプロス:105.0=1年4ヵ月ぶり高水準。スロバキア:103.4=3年2ヵ月ぶり高水準。3カ国のみ。
5月から低下したのは5カ国のみとなり、ユーロ圏全19カ国が過去平均100以上。
なお、欧州経済再開の象徴とも言えるサッカーの欧州選手権「EURO2020」では決勝トーナメント1回戦でオランダ、フランス、ドイツ、ポルトガルが相次ぎまさかの敗退。
ユーロ圏で残るのはベルギー、イタリア、スペインの3カ国のみとなって片側の山に集まっていずれかが決勝へ。反対側の山ではドイツを破ったイングランドの決勝進出が有望視され、決勝は「ユーロ圏とEU代表のいずれか」VS「EUを離脱した英国代表のイングランド」となる可能性が高そうです。
ユーロ圏では6月景況感上位国のみがEURO2020にも生き残っています。
29日のNY金相場は-17.1ドル、0.96%安となって3日ぶりの反落。4月14日(1736.3)以来、2ヵ月半ぶりの安値。時間外スタート時点の1780ドル付近がこの日の高値となって軟調推移、ロンドン市場までに保ち合い下限1770ドル付近に到達、このライン維持をかけた攻防がしばらく続くもNY朝には米10年債利回りが1.5%台へと上昇した流れに連れてドル高圧力も強まって保ち合い下放れ。急落となってつけたこの日の安値は1750ドル。短期下値目安1740ドル台手前で下げ渋るとNY午後には米10年債利回り低下とドル安への巻戻しにも連れて1760ドル台へと反発。雇用統計前に下値警戒感を支え切れなかった格好となり、短期的には下値目安1740ドル台までもう少しの下げ余地も残し、1770ドルがサポートからレジスタンスに切り替わってしまった可能性も。再び売り過熱感が高まる状態ながら、雇用統計後のさらなる行き過ぎ警戒水準としては4月前半安値圏1720ドル近辺まで。反発方向へは1770ドルから90日移動平均線(1790)までがやや強めの抵抗帯を形成。これを突破するようなことがあれば1820ドルまでの上値余地も。
NYプラチナは-28.9ドル、2.63%の大幅続落。前日割り込んだ1100ドルを回復することなく、1100ドル手前の高値から金に連れて戻り売り、ロンドン序盤にかけて1090ドル付近ではいったん下げ渋るも、これを割れると売り圧力が強まって200日移動平均線(1083.2)などでもサポートし切れず、NY朝につけた安値は1060ドル。NY午後には1070ドル台を回復もその後はこの水準での攻防状態に。反発基調腰折れとなって臨む雇用統計後には下値警戒感再燃となる可能性も。この日の安値1060ドルを下回れば1040ドルが次のサポート候補、これも割れると6月安値1020ドルまでが下値目安に。上方向へは1100ドルから1110ドルまでが抵抗帯となり、突破できるようなら1130ドル程度までの上値余地拡大も。
ドル円は8銭程のドル安円高、0.07%安となって4日続落。東京朝には株安と円高の流れで110円60銭台から1週間ぶり安値となる40銭台まで急落して下げ渋り、ゆるやかなドル高の流れにも連れて欧州時間までに110円70銭台へと反発してこの日の高値。NY朝にかけてはやや売り買い交錯となっての乱高下も110円40銭台から70銭台までのレンジで徐々に値動きも縮小、雇用統計待ちへと110円台半ばへ収束。引き続き上下の節目は111円と110円20銭、上抜けなら上昇トレンド再開でコロナ前の高値112円台前半までが上値目標に。下抜けなら調整局面入りで109円前後までが短期下値目安に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/29終値とチャート
30日の国内金価格は-68円、0.99%の続落で5月6日(6822)以来、8週間ぶりの安値。NY金の保ち合い下放れに追随、結果的に急降下してきた9日移動平均線(6899)の圧力に屈した形にもなって複数のサポートを下抜け、90日移動平均線(6839)を下抜けるのは4月15日以来、2ヵ月半ぶり。短期下値目安6800円近辺までもう少しの下げ余地を残し、雇用統計後の行き過ぎ警戒水準6770円近辺までの確度も若干高まりそうな状況にも。
月間ベースでは-493円、6.73%の大幅安となって3ヵ月ぶりの反落。テーパータントラムとなった2013年6月(-808円、16.88%)以来、8年ぶりの大幅安。
プラチナ価格は-81円、1.91%の続落で1週間ぶり安値圏。重要な攻防ライン、5月18日起点のレジスタンスライン(4300円前後)の上抜け失敗で短期トレンド好転にも失敗した流れで一段安、9日移動平均線(4192)も下抜けて弱気のパーフェクトオーダー再開。4ヵ月半ぶり安値となった6月21日の4034円から28日の4321円まで、合計287円の反発後に2日で半値戻し(4178)を達成。61.8%戻し(4144)も視野に。76.4%戻し(4102)近辺まででサポートされない場合には全戻しへ。
月間では-381円、8.38%の大幅続落。コロナショックの昨年3月(-675円、19.41%)以来、1年3ヵ月ぶりの大幅下落。
※参考:金プラチナ国内価格6/30とチャート
2021年6月30日(水)時点の相場
国内金:6,829 円 6/30(水) ▼68(0.99%)
国内プラチナ:4,165 円 6/30(水) ▼81(1.91%)
NY金:1,763.6 ドル 6/29(火) ▼17.1(0.96%)
NYプラチナ:1,070.6 ドル 6/29(火) ▼28.9(2.63%)
ドル円:110.54 円 6/29(火) ▼0.08(0.07%)
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