更新日:2021年8月23日(月)
来年2月任期切れを迎えるパウエルFRB議長の再任を巡っては、イエレン米財務長官が支持を表明。これまで一枚岩となって強力な緩和政策を推進してきたパウエルFRB体制にとって、昨今のタカ派メンバ台頭によって最ハト派とも言えるパウエルFRB議長孤立への警戒感もくすぶり始めていた時期に強力な援軍。さらに1週間程前までテーパリングの9月発表と10月開始をを主張していたダラス連銀カプラン総裁がこの週末、「変異株次第で柔軟に調整」すべきと態度を軟化。
米金融政策正常化に向けた道筋として、第1段階のテーパリングについては早期着手が市場コンセンサスにもなりそうな勢いもあった状態にもやや変化の兆し。
払拭し切れないコロナ動向への警戒感と不透明感とともに、金融政策転換への不透明感が、金価格の短期相場動向への不透明感をもたらします。
23日の国内金価格は-10円、0.15%の続落。週明け時間外のNY金は1780ドルの攻防へと小幅保ち合いレンジ内でもやや軟調気味のスタート。これを反映する形となった国内価格は下落軌道が続く21日移動平均線(6903)に上値を押さえられる形が継続。ただし下からは9日移動平均線(6838)が下げ止まってサポートへの期待感も。21日線を超えて節目の6900円をしっかり上抜けることができればもう一段の上値トライ再開へ、ゆるやかに上昇する90日移動平均線(6972)付近、6960円台までが短期上値目標に。
日足一目均衡表では、三役逆転の弱気相場から転換線(6805)だけを上抜けた状態は1週間前から変わらず。それでも一度は基準線(6879)も上抜け、この夏の上値抵抗ライン、斜行三角保ち合い上抜けへと動き出した後の失速状態。6月高値から8月安値までの23.6%戻し(6858)付近でいったんサポートされた形にもなり、今後は38.2%戻し(6949)が当面の回復目標にも。また、遅行線が揉み合いとなっている相対する90日移動平均線も今週6900円台まで上昇することから、直近高値6900円が反発基調継続に向けた攻防ラインにも。
プラチナ価格は今年安値となった先週末から+86円、2.29%の大幅反発。週明け時間外のNYプラチナも990ドル割れの押し目を挟みながらも990ドル台後半へと反発、大台回復トライの兆しとなってダブルボトム形成に向けた続伸への可能性も示す展開。下値目安となった昨年11月安値(3096)から今年2月高値(4798)までの61.8%戻し(3746)付近に到達した国内価格も一服感から想定どおりの反発へ。しかし地合い回復に向けた道のりはまだ遠く、9日移動平均線(3884)を超えてさらに一段高へと上値を伸ばす必要も。21日移動平均線(3964)が通過する3960円台が当面の抵抗水準となり、重要な節目水準。
日足一目均衡表では、1週間前には上抜けていた転換線(3857)を下回って三役逆転。春以降の斜行三角保ち合い上抜けトライにも失敗しての急反落では、昨年11月安値から今年2月高値までの61.8%戻し(3746)でなんとか踏みとどまった格好。この水準は昨年12月の保ち合い高値圏にも相当し、一定の底堅さも期待される水準。今朝のNYプラチナの反発基調が一時的に終わらなければ、まずは転換線を上抜けて三役逆転状態からの脱出が期待され、斜行三角保ち合い上抜け再トライへ。そして、遅行線が相対する斜行三角保ち合い下限サポートライン3900円近辺が次の重要な攻防ラインに。
※参考:金プラチナ国内価格8/23とチャート
2021年8月23日(月)時点の相場
国内金:6,863 円 8/23(月) ▼10(0.15%)
国内プラチナ:3,835 円 8/23(月) ▲86(2.29%)
NY金:1,784.0 ドル 8/20(金) ▲0.9(0.05%)
NYプラチナ:994.2 ドル 8/20(金) ▲23.0(2.37%)
ドル円:109.79 円 8/20(金) ▲0.01(0.01%)
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