更新日:2021年8月25日(水)
ウェストバージニア州とサウスカロライナ州、ノースカロライナ州、バージニア州、メリーランド州、ワシントンD.C.などを含むFRB第5管轄地区の製造業指数がリッチモンド連銀から発表され、8月は市場予想の25程度を大幅に下回る8.0。17年4ヵ月ぶりで過去2番めの高水準となった7月(27.0)からは急低下。前月比-18.0となるのは昨年4月(-49.0)以来1年4ヵ月ぶりで、昨年2月(-22.0)などに続いて過去4番めの急低下。
出荷や新規受注、設備稼働率など主要構成指数は軒並み前月から急低下、昨年5月以来1年3ヵ月ぶり低水準となり、受注残も10ヵ月ぶり低水準となり、雇用者数も8ヵ月ぶり低水準。
賃金指数だけは過去最高へと上昇も、今後の見通しを示す期待指数も5ヵ月ぶり低水準へと鈍化。
主要地区連銀の8月製造業景況指数では、NY連銀も過去最高となった7月から-24.7ポイントの急低下となり、やはりコロナショック時の昨年3-4月に次ぐ急落で過去3編めの急減速。
また、フィラデルフィア連銀では今年4月に48年ぶり高水準となった後、4ヵ月続落となって8月は今年最低、8ヵ月ぶり低水準となっており、主要地区連銀での景況感はこの夏場に軒並み急減速が鮮明となっています。
今年3月に37年ぶり高水準となったISM製造業景況指数もその後は低下基調となって7月には半年ぶり低水準。8月も引き続き低調な結果が予想されそうな状況となってきました。
テーパリングスタートの発表時期としては、11月がメインシナリオにもなりそうな状況で、今のところはこれを前倒しするようなタカ派論調はそれほど強まりそうにはない状況のようにも見えます。ただ、しばしば予想を裏切る雇用統計だけは要注意イベントにも。
24日のNY金相場は+2.2ドル、0.12%の小幅高で3日続伸。8月5日(1808.9)以来、半月ぶり高値水準で上値トライ一服状態に。この日の変動値幅は上下わずか9.6ドル、今年の平均26.5ドルの3分の1程度にとどまり、今年2番めの小動き。1805ドルを挟んでの小幅保ち合いに終始、ロンドン時間につけた安値は1802.6ドル、米10年債利回り上昇もわずかなドル安基調に連れ、NY市場でつけた高値は1812.2ドル。1790ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標1810ドル台に到達すると失速、NY引け後には1800ドル台前半へと小幅軟調推移。ゆるやかに下降する200日移動平均線(1813.4)に上値を押さえられた形にもなり、週末のイベントを控えて小康状態に。アフガン情勢にデルタ株の影響などのリスク要因を抱える一方、金融政策見通しについてのハト派材料としては、若干タカ派方向に寄り過ぎたイメージを少し軌道修正する程度にとどまるのでは?と想定すると、目先は1810ドル台を上限に1780ドルの下値サポートまでを主要レンジに保ち合い形成か。
NYプラチナは-4.0ドル、0.39%安で3日ぶりの反落。この日の変動値幅は17.0ドルとなって金の約1.8倍ながら、今年の平均36.6ドルの半分以下、今年2番めの小動き。1010ドル台前半を中心に小幅揉み合い推移となり、ロンドン時間には一時1019ドルまで上昇、NY朝につけた安値は1002ドルまで。1000ドルの大台はなんとか維持したものの、上値は1030ドルの節目手前の1020ドル付近が重く、下落基調が続く20日移動平均線(1014.7)にも上値を押さえられた格好。ダブルボトム完成に向けた重要水準1030ドル突破は少なくとも週内は厳しそうな状況にも。想定以上にハト派ムードが強まり、NY金の一段高に追随する展開となった場合にはダブルボトム完成の可能性、さらなる上値トライで1050ドル台の上値目標を目指す流れに。
ドル円は109円60銭台で前日から変わらず横ばい推移。米10年債利回り上昇に連れて東京市場終了から欧州時間朝には109円90銭付近まで上昇。NY朝にかけては米10年債利回り低下とともに一時109円40銭台まで急反落。しかし、下方向への節目となる109円台前半では底堅く、米10年債利回りが1.3%付近まで反発した流れにも連れ、NY市場では109円70銭台まで反発。横ばい推移が続く90日移動平均線(109.72)付近を中心に方向感なく上下動の展開が続き、トレンド形成に向けたエネルギー充電期間の様相にも。上方向には110円台半ばまでは比較的上昇しやすく、これを超えるとまずは今年高値圏(111円台半ば)トライへ。下方向には109円20銭が比較的重要なサポート、これを割れるとまずは5月安値圏108円台前半程度までの一段安は想定されそう。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/24終値とチャート
25日の国内金価格は-10円、0.14%の反落。6900円の節目上抜けに伴う短期上値目標6960円台にあとわずかのところで失速、上昇基調が続く90日移動平均線(6977)にも少し届かず。ただし下げ幅は限定的となり短期的な流れに変化をもたらすものでもなく、引き続き若干の上昇余地を残し、少し勢いづけば90日線超えのチャンスも。ただ、今朝の東京時間にNY金が1800ドルの大台割れを試す動きとなり、反落警戒感も漂い始める状況にも。下げ止まった20日移動平均線も推移する6900円が目先の下値サポート候補。
プラチナ価格は-25円、0.64%安となって3日ぶりの反落。大幅続伸後の息切れ感を払拭し切れず、下降する21日移動平均線(3945)のプレッシャーにも押される格好に。それでも下げ止まりつつある9日移動平均線(3880)を割り込まないしぶとさも。時間外のNYプラチナが1000ドルの大台割れ目前で下げ渋る状況もサポートに。切り返して3920円台の節目を上抜けることができれば上値再トライへ、4010円台辺りまでが短期上値目標に。
※参考:金プラチナ国内価格8/25とチャート
2021年8月25日(水)時点の相場
国内金:6,947 円 8/25(水) ▼10(0.14%)
国内プラチナ:3,896 円 8/25(水) ▼25(0.64%)
NY金:1,808.5 ドル 8/24(火) ▲2.2(0.12%)
NYプラチナ:1,010.1 ドル 8/24(火) ▼4.0(0.39%)
ドル円:109.68 円 8/24(火) +-0.00(0.00%)
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