更新日:2021年9月25日(土)
前日発表されたIHS MarkitのドイツPMIでは、9月速報値は製造業が前月比-4.1ポイント、続落で8ヵ月ぶり低水準、サービス業も前月比-4.8ポイントで続落、4ヵ月ぶり低水準。いずれも9月速報値では急低下となり、過去最高水準からの失速状態が鮮明となっています。
この日発表されたドイツIFO企業景況感指数でも9月は減速状態が続くものの、業種別ではマチマチの結果にも。
IFO企業景況感指数は98.8、前月比-0.8ポイントで3ヵ月連続の低下、2ヵ月連続節目100割れで5ヵ月ぶり低水準。なお、直近のピークとなった6月の101.9は2018年11月以来、2年7ヵ月ぶり高水準。
現況指数は2年3ヵ月ぶり高水準となった8月からは1ポイントの低下で100.4。3ヵ月連続100ポイント台となって好調維持。これに対して期待指数は10年半ぶり高水準となった6月の103.9をピークに3ヵ月連続低下、2ヵ月連続97ポイント台となって7ヵ月ぶりの低水準。現況は好調ながらも今後への期待感剥落が景況感指数の押し下げ要因に。
業種別では、製造業が20。3年3ヵ月ぶり高水準となった6月(28.8)をピークに3ヵ月続落、7ヵ月ぶり低水準。前月比-4.2はコロナショック時の昨年4月以来1年5ヵ月ぶりの急低下。楽観見通しはほぼ完全に消滅状態となっているようです。
サービス業は19.1、前月比+1.3と反発。ただし2年1ヵ月ぶり高水準となった6月(22.7)をピークに7月以降は20割れで伸び悩み。ビジネス環境は改善し、楽観見通しも回復。ただし製造業と同様に供給問題が悪化。
その他、貿易は前月比-0.1とほぼ横ばい推移の8.9で4ヵ月ぶり低水準。3年4ヵ月ぶり高水準となった6月(17.9)をピークに3ヵ月続落、8月に10割れへと急低下。小売は10年3ヵ月ぶり高水準となった6月(12.7)から3ヵ月続落、8月に急低下となって9月は2.0で4ヵ月ぶり低水準。
建設業は好調、5ヵ月続伸で9月は10.9となり、コロナ前の2020年2月(13.6)以来1年7ヵ月ぶり高水準。前月比+2.8は6ヵ月ぶりの急上昇、直近3ヵ月では業種別でも最大の伸び。現況とともに期待感も改善傾向が一段と進行。
なお、向こう半年間のビジネス見通しを予測するのがどれほど難しいかを示す、ビジネス不確実性指数は9月に61.5となって3ヵ月続伸。コロナ前の2020年2月(55.3)以来1年4ヵ月ぶり低水準となった6月の59.9をボトムにじわじわと上昇傾向となっています。
ボトルネックの今後の状況などの他、ポスト・メルケル時代への不透明感が増してきているのかもしれません。
24日のNY金相場は+1.9ドル、0.11%の小反発。前日NY引け後につけた1ヵ月半ぶり安値1737.5ドルからの反発基調はこの日のNY朝まで続き、1740ドル台半ばから1750ドル台半ばまで10ドル程の小幅上昇。しかしこの日の高値1758ドルを起点に戻り売り、NY午前には1740ドルまで20ドル弱の急反落。1.40%付近で下げ渋った米10年債利回りが1ヵ月半ぶり高水準となる1.45%まで急上昇し、ドル高も急進した流れが重石に。ただし1740ドル台では下げ渋る底堅さもあり、NY引けにかけては1750ドルを回復。中国恒大リスクへの警戒感も残りながらも、米FRBの年内テーパリングと来年の利上げを睨んで米長期金利上昇とドル高の流れが進行し始めた兆しもあり、NY金にとっては今後の売り圧力に。目先、下方向へは引き続き1730ドル前後の短期下値目安再トライの可能性が継続。上方向には1760ドルの抵抗感が意識され始め、その上は1780ドルが当面の抵抗水準、これを上抜けるようなら1800ドル台回復トライへの可能性も。
週間ベースではわずかに+0.3ドル、0.02%の小幅高で3週ぶりの反発。
NYプラチナは-17.1ドル、1.72%の続落。週前半の大幅反発から前日の十字線をはさんで一定の調整が進行。アジア時間に990ドルをわずかに超えたのがこの日の高値となって軟調推移、ロンドン市場にかけて980ドル台へと水準を切り下げての保ち合い後、NY朝には金利上昇とドル高に連れたNY金の下落に追随。一時960ドル台半ばまで下落もNY金の下げ渋りにも追随する形でNY午後にかけては970ドル台後半へと反発、NY引け後には980ドル台を回復し、反発基調再開への可能性も示唆。短期的には1010ドルの高値でダブルトップを形成し、ネックライン990ドル割れに伴う下値目安970ドルが下値サポートととしても作用した格好に。引き続き970ドル近辺が下値サポート候補となり、1000ドルの大台ラインがレジスタンスに。これを突破できればまずは9月高値1020ドル台までが短期上値目標に。
週間ベースでは+49.3ドル、5.30%高となって3週ぶりの反発。今年5番めの急騰。
ドル円は40銭余りのドル高円安、0.37%高となって3日続伸。7月5日(110.96)以来、2ヵ月半ぶりの高値水準に。前日欧州時間に110円ちょうどの節目を上抜けたことに伴う上昇トレンドが加速。8月中旬以降は何度も上ヒゲでは110円台を試しながらも失速、反落のパターンを繰り返してきたのに対し、前日終値で110円30銭台を維持して2日連続の大陽線を形成して流れも好転。この日も東京朝の110円25銭近辺が安値となって堅調な流れが持続。米FRBの金融政策正常化に向けた当面のスケジュール感を今回のFOMCで確認したような格好にもなり、米長期金利上昇とドル高の流れもゆっくりと進行し始めた様子も。欧州時間には110円50銭台から30銭近辺までの押し目をはさんでNY時間には110円70銭台へと一段高。ほぼ高値引けのような形で3日連続大陽線。短期上値目標は今年高値更新で111円60銭超を目指す展開にも。
週間ベースでは+77銭、0.70%高で3週続伸。3週続伸は6月以来3ヵ月ぶり。上昇幅では5月24日からの週以来、4ヵ月ぶりの急騰。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/24終値とチャート
2021年9月25日(土)時点の相場
国内金:6,778 円 9/24(金) ▼28(0.41%)
国内プラチナ:3,782 円 9/24(金) ▲145(3.99%)
NY金:1,751.7 ドル 9/24(金) ▲1.9(0.11%)
NYプラチナ:979.9 ドル 9/24(金) ▼17.1(1.72%)
ドル円:110.74 円 9/24(金) ▲0.41(0.37%)
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