更新日:2021年11月3日(水)
10月のユーロ圏製造業PMIは前月比-0.3とわずかに低下して58.3。世界の主要国と比較しても時間軸で見ても相対的には高水準を維持。拡大と縮小の節目50を大幅に上回り、絶対的にも高水準。ただし3月から8月まで半年間続いた60超の高水準からは低下、6月の63.4をピークに4ヵ月続落となって2月(57.9)以来、8ヵ月ぶりの低水準。
供給問題の影響は世界的にも拡大し、時間軸でも長期化の様相となり、ユーロ圏でも例外なく製造業を圧迫しています。
<ユーロ圏製造業PMIランキング-2021年10月>
1:オランダ=62.5=7ヵ月ぶり低水準となった9月からは+0.5の反発。50超15ヵ月、60超は8ヵ月連続。6ヵ月ぶり1位陥落の前月2位から1位へ。
2:アイルランド=62.1=前月比+1.8で5ヵ月ぶりの反発。50超17ヵ月、60超は7ヵ月連続。6月から4-4-2-3-2位。
3:イタリア=61.1=6ヵ月ぶり60割れの前月から+1.4の反発で60超回復、4ヵ月ぶり高水準。50超は16ヵ月連続。6月から5-5-5-4-3位。
4:オーストリア=60.6=前月比-2.2の反落で8ヵ月ぶり低水準。8ヵ月連続60超は維持。50超は16ヵ月。6月から2-3-4-1-4位。
5:ギリシャ=58.9=前月比+0.5の反発で21年4ヵ月ぶり高水準となった8月に次いで近年2番めの高水準。8ヵ月連続50超。6ヵ月連続最下位から7-6-5位。
6:ドイツ=57.8=前月比-0.6、3ヵ月続落で9ヵ月ぶり低水準、2ヵ月連続60割れ、50超は16ヵ月連続。6月から3-2-3-5-6位。
7:スペイン=57.4=前月比-0.7で続落、7ヵ月ぶり低水準。9ヵ月連続50超。6月から6-6-6-7-7位。
8:フランス=53.6=前月比-1.4、5ヵ月続落で9ヵ月ぶり低水準。11ヵ月連続50超。6月から7-7-8-8-8位。
ユーロ圏としては低下基調が続くなかで調査対象8ヵ国中、上昇4ヵ国全てが反発となって下げ渋り。下落となった4ヵ国中3ヵ国が続落となって減速基調を牽引。結果的にユーロ圏内格差は拡大。
象徴的なのは南欧の代表格イタリアが、徐々に順位を上げて北部ユーロ圏チームの指定席、上位グループへと割って入り、北部ユーロ圏の代表ドイツは徐々に順位を下げて南欧チームが独占してきた下位グループへと陥落。とりわけユーロ圏の代表格とも言えるドイツは上昇局面、回復局面では首位争いでユーロ圏を牽引、ピークアウト後には減速方向へと牽引。
また、上位4ヵ国が60超の高水準となったのに対し、3ヵ月連続最下位のフランスは唯一50台前半へと急低下。
なお、ドイツなどでは供給制約解消も見通せず、今後の事業見通しも悪化。今回1位のオランダではコロナ感染者数も足下で急増し、警戒感も再燃し始めているようです。
2日のNY金相場は-6.4ドル、0.36%の反落。時間外は1790ドル台半ばから1790ドル付近まで浅めの押し目形成後に反発基調再開、ロンドン朝には1790ドル台後半へ。前日高値をわずかに上回るも1800ドルの大台手前で失速すると、NY市場にかけてはドル高の流れに押されて揉み合いながらも水準を切り下げ、NY午後には1790ドル割れ。FOMC直前で値動きは限定的、この日の変動値幅は上下10.4ドルにとどまり、今年の平均25.7ドルの4割、今年4番めの小動き。保合い上限を1800ドルに切り下げ、1780ドルの下限までの小幅保合い下放れへと向かえば下値目安は1760ドル近辺まで。想定外のタカ派傾斜などでボラ拡大の場合には1730ドル台までの下値余地拡大も。1800ドルの上限超えなら9月高値圏1830ドル近辺までが短期上値目標。ハト派傾斜が強まれば1850ドルまでの上値余地拡大も。
NYプラチナは-28.0ドル、2.62%の大幅反落。前日の急騰で1060ドル台の節目をわずかながらも上抜けて一段高へと向かう可能性もあった流れは巻き戻し。節目上抜けが勢い余って一時的だったことを裏付けるように、前日高値1070ドルを一度も超えることなく軟調推移の展開に。アジア時間に1050ドル台へと水準を切り下げ、ロンドン時間に1060ドル台前半までの反発をはさんで戻り売り再開。NY市場では1040ドル近辺へと急落し、NY引け後には1040ドル割れ。前日の上げ幅の6割を戻す形となり、10月後半からはレンジを拡大する逆三角保合いの様相にも。90日移動平均線(1021.7)が下値サポート候補、1010ドル台の保ち合い下限を割れると大台割れへ、980ドル近辺を目指す流れにも。
ドル円は5銭程度のドル安円高、0.04%の小幅安で3日ぶりの反落。上ヒゲを残した前日の下方圧力を受けて東京市場朝には114円維持をかけた攻防から下放れ、豪州中銀のハト派姿勢から豪ドル円主導の円高に連れて113円60銭近辺へと急落すると、欧州時間には113円40銭台まで下落。20日移動平均線(113.56)にもサポートされる形で下げ渋るとNY時間には113円80銭台へと反発。上ヒゲ十字線の翌日に下ヒゲ十字線で保ち合い継続も示唆。今朝の東京時間には114円ラインに上値を押さえられる形で113円80銭台へと再び軟調な展開へ。FOMC待ちの状態で113円50銭から114円20銭までの保ち合いレンジも維持。サイクル的には軟調方向優勢の状況どおり下方向へと抜け出せば下値目標は112円前後。上値再トライへと向かえば115円台半ばが上値目標に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/2終値とチャート
2021年11月3日(水)時点の相場
国内金:7,168 円 11/2(火) ▲30(0.42%)
国内プラチナ:4,212 円 11/2(火) ▲117(2.86%)
NY金:1,789.4 ドル 11/2(火) ▼6.4(0.36%)
NYプラチナ:1,039.3 ドル 11/2(火) ▼28.0(2.62%)
ドル円:113.95 円 11/2(火) ▼0.05(0.04%)
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