更新日:2022年2月15日(火)
1月のNY連銀消費者調査で1年後のインフレ期待中央値は5.79%。12月の5.99%からは0.2%低下。水準としては昨年10月(5.65)以来、3ヵ月ぶりの低水準。ただ、11月の6.0%までは7ヵ月連続の過去最高更新となり、13ヵ月連続で上昇。12月には5.99%でほぼ横ばい推移となった後、年明けには明確に低下。実質15ヵ月ぶりの低下。
また、3年後のインフレ期待中央値は3.48%となり、9ヵ月ぶりの低水準。12月の4.00%からは0.52%の急低下、10月の4.21%からは3ヵ月連続の低下。
これに対してミシガン大の1年後のインフレ期待値は2月速報値で5.0%。2ヵ月続伸で13年7ヵ月ぶり高水準となっていました。
水準の違いこそあれど、消費者レベルでのインフレ見通しにも違いが生じてきました。
ミシガン大調査ではピークアウトはまだしばらく先、NY連銀調査では来年までにはピークアウトするだろうとの見通しが優勢となってきたようです。
NY連銀調査の結果に寄せて行くよう、セントルイス連銀のブラード総裁はこの日、「利上げ計画前倒し」を主張。FRBの信頼をかけ、7月までの1%利上げを先週末に続いてあらためて支持。リッチモンド連銀バーキン総裁やカンザスシティー連銀ジョージ総裁もそれぞれ早期着手には支持を表明。
その一方でカンザスシティ連銀ジョージ総裁とサンフランシスコ連銀デーリー総裁は0.50%利上げに関しては否定的な見方も。
この状況を反映するように、CMEフェドウォッチでの年内利上げ見通しも混戦。
14日時点で最大は0.25%換算×7回が33%。6回が26.7%、8回が20.5%、5回が11%。
インフレ見通しも、利上げ見通しも、見方が分かれる状態はまだまだ続きそうです。
14日のNY金相場は先週末から+27.3ドル、1.48%の大幅高となって7営業日続伸。7日続伸は昨年11月以来、3ヵ月ぶり。上げ幅としては今年の絶対値平均12.2ドルの2.2倍超で今年2番めの急騰。水準としては昨年11月17日(1870.2)以来、3ヵ月ぶりの高値。週末NY引け後の急騰で水準を切り上げた1860ドル台から、1860ドル割れへと小幅調整も1850ドル付近では下げ渋り、ウクライナ情勢を巡る緊迫感が一段と高まったNY市場ではリスク回避で買われて反発。NY引けにかけて1860ドル台後半へ、NY引け後には1870ドル台へ。11月高値(1879.5)とでダブルトップ形成にもなりうる水準でいったん上値を押さえられた格好にも。この水準を超えると昨年6月高値圏1900ドルの大台ラインが次の抵抗水準にも。下方向へは1850ドルが浅めのサポート、状況が大きく改善されると1820ドルから1800ドルまでが意識される可能性も。
NYプラチナは+9.3ドル、0.91%の反発。1030ドル台へと反発して週明けをスタートし、先週末の1020ドルの節目割れを帳消し、下値トライへの可能性はいったん巻き戻し。ただし上値も重く、ロンドン時間には1030ドルを割れて一時1020ドル近辺まで下落する場面も。NY午前には金に追随する形で反発、1030ドル台後半へと水準を切り上げ、高値では一時1040ドル台半ばまで急騰。しかし保合い上限となる1040ドル台で上値を押さえられるとNY午後には再び1030ドル割れ。1月後半以降の保合いは続き、下方向には1010ドル台の節目を割れると下値トライへ、960ドル近辺までが下値目標に。上方向へ1040ドル台の節目を突破すると上値トライ再開、昨年11月高値圏1100ドル近辺を目指す流れにも。
ドル円は11銭のドル高円安、0.1%の小反発。週明け東京市場では115円60銭近辺まで小幅に上昇して反落、115円30銭近辺までのレンジで揉み合い推移。欧州時間にはウクライナ情勢への警戒感からリスク回避の流れとなって115円ちょうど付近まで下落。先週末安値水準で下げ渋ると、NY朝にはロシアと米欧との対話継続ムードも強まって反発基調へ。セントルイス連銀ブラード総裁が「利上げ計画を前倒し」してFRBの信頼回復を、との発言を受けて米10年債利回りも1.9%台前半から2.0%台回復へと急騰した流れにもサポートされてNY午後には115円70銭台まで上昇。しかし、16日にもロシアがウクライナへ侵攻か?と伝えられて巻き戻し、情報錯綜にやや混乱状態の様相にも。引き続き116円の節目突破なら117円近辺までの上値トライへ、下値は115円で足場固め中の様相も、これを割れると114円40銭の節目との攻防へ、これも下抜けるようだと一段安へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/14終値とチャート
15日の国内金価格は+46円、0.61%高となって8日続伸。8日続伸は昨年11月以来、3ヵ月ぶり。水準としては過去最高値となった2020年8月7日(7676)以来、1年半ぶりで過去2番めの高値。ロシアによるウクライナ侵攻への警戒感が一段と高まり、FOMCメンバのタカ派傾斜の勢いも一段と高まる状況が国内金価格を押し上げ。ボラティリティ急拡大とともに一段高、もしくは急反落リスクも拡大。上方向へは過去最高値圏までの再トライの可能性も十分想定され、下方向へは年初来の保合い水準7300円台までの巻き戻しも。
プラチナ価格は-26円、0.62%安で4日ぶりの反落。リスク回避の株安の流れに追随したNYプラチナの失速を反映、4150円の節目上抜けに伴う上値目標4220円台辺りを目指した流れは4180円までで腰折れ。9日移動平均線(4136)にサポートされて下値を切り上げる形は維持しながらも、その勢いは弱まってほぼ中立状態にも。4100円から4180円までのレンジを再度上抜けできればあらためて4220円台辺りまでが短期上値目標に。下方ブレイクなら調整局面入り、4000円の大台ライン近辺までが短期下値目安に。
※参考:金プラチナ国内価格2/15とチャート
2022年2月15日(火)時点の相場
国内金:7,577 円 2/15(火) ▲46(0.61%)
国内プラチナ:4,154 円 2/15(火) ▼26(0.62%)
NY金:1,869.4 ドル 2/14(月) ▲27.3(1.48%)
NYプラチナ:1,028.0 ドル 2/14(月) ▲9.3(0.91%)
ドル円:115.54 円 2/14(月) ▲0.11(0.10%)
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