更新日:2022年2月16日(水)
米1月の生産者物価指数(PPI)は前年比+9.65%。市場予想の9.1%程度を大幅に上回ったことで、ややドル買い優勢となる場面もあったものの、12月の前年比+9.82%からは-0.17%としっかり低下。8ヵ月連続過去最高の11月(9.83)からは続落となり、上流工程でのインフレ加速は一服状態にも。
食品とエネルギーを除いたコア指数(コアPPI)も前年比+8.30%で市場予想の7.9%程度を上回りながらも12月の+8.48%からは-0.18%と反落。3ヵ月ぶりに過去最高更新もストップ。
食品とエネルギー、貿易サービスを除いたコア指数(コアPPI2)は前年比+6.90%。これも10ヵ月連続過去最高更新となった12月からは-0.08%の小反落。11ヵ月ぶりに過去最高更新もストップ。
また、40年ぶり高水準となる前年比+7.5%まで上昇した消費者物価(CPI)との差は2.17%。8月の3.40%がピークとなっての減少傾向は続き、7ヵ月ぶり低水準。
CPIへの価格転嫁余地は少しづつ減少傾向が続き、CPI押し上げ圧力も緩和傾向に。
それでも過去の推移と比較すれば異常な高レベルを維持し、平常時を大幅に上回るCPI押し上げ圧力はまだしばらく継続しそうな状況にも。
PPIインフレの急騰状態、加速状態は一服となったものの、高水準でのインフレ状態は依然継続中であり、CPIのインフレを緩和するような状況にはまだまだ至りません。
この日、ロシアの部隊の一部がウクライナ国境周辺から撤退したとの報道を受け、16日にも侵攻か?との見方もあったXデーへの警戒感とともに市場のリスク回避ムードも緩和。
「有事の金買い」も巻き戻しの流れが一定程度は急速に進行する形となりましたが、バイデン米大統領が「侵攻リスクはなお残る」と警戒感を示したように、警戒感がくすぶり続ける状況とともに、「有事の金買い」再燃リスクもまだ残りそうです。
15日のNY金相場は-13.2ドル、0.71%安となって8日ぶりの反落。有事の金買いでアジア時間には1870ドル台から1880ドル近辺へと一段高、昨年6月11日(1906.2)以来8ヵ月ぶり高値となる1881.6ドルまで上昇も、1880ドル台を維持し切れずに失速。ウクライナ近郊からロシア軍の一部が撤退との報道を受けてリスク回避の巻き戻しが急速に進行し、ロンドン時間にかけて1860ドル割れ。NY市場では急騰した米10年債利回りが2%台回復で一服、株価急回復の流れも一服となった流れにも連れ、浅めの下値サポート1850ドル近辺での揉み合いとなって下げ渋り。米1月PPIが市場予想を上回ったことを受けての買い戻しも1860ドル手前までにとどまり、NY引けにかけては1850ドル台半ばへと収束。日足では抱き線を構成してピークアウトを示唆する状態ながら、見方も分かれるロシアの動向については不透明感も依然大きく、この後の状況次第。もう一段の下落となれば1820ドル近辺までが下値サポート候補に、逆に1870ドル超へと反発となれば昨年6月高値圏1900ドル近辺が意識される可能性も。
NYプラチナは-7.6ドル、0.74%の反落。前日NY午後から続いた1030ドルを挟んでの小幅揉み合い推移がアジア時間まで続き、ロンドン時間にはリスク回避の巻き戻しの流れで金の急落に追随、1020ドル近辺まで小幅に急落。NY市場では1010ドル台の節目を維持できず、1010ドル割れへと一段安も1005ドル付近で下げ渋ってNY午後には1020ドル台へと反発。目先は1020ドルから1010ドル台後半のサポート水準を維持できなくなれば高値保合い崩れ、年末年始保合い水準960ドル近辺までの下落も。上方向に1030ドル超へと切り返すことができれば上値トライ再開、11月高値圏1090ドル台再トライへ。
ドル円は6銭程のドル高円安、0.05%の小幅続伸。東京時間はリスク回避の流れ優勢となって115円50銭台から20銭台へと軟調推移。ロシア軍の一部撤退報道を受けてウクライナ情勢の緊張感緩和となった欧州時間序盤には115円60銭近辺へと30銭程度の小幅急騰。NY市場ではPPIが市場予想を上回ったことも材料視され、一時115円80銭台まで上昇もNY午後には115円60銭近辺で小康状態に。リスク回避と巻き戻しの流れではドルと円とが他通貨との関係性では売り買い同方向へと向かいやすく、ボラティリティは低下傾向に。それでも116円超へと抜け出すことができれば上値トライ再開へ、今年高値再トライにも成功すると一段高となって117円近辺が意識される転回にも。下方向へはサポートとなりつつある115円ラインを割り込むようなら114円40銭の節目との攻防へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/15終値とチャート
16日の国内金価格は-62円、0.82%安となって9日ぶりの反落。リスク回避の巻き戻しも若干控えめにとどまり、過熱気味の状態に少しの冷却効果で適度な押し目形成といった格好にも。もう一段の調整となれば1月末の今年安値(7244)から今年高値(7577)までの38.2%戻し(7450)と直近の短期上値目標7450円台、過去最高値(7676)起点の長期上値抵抗線候補、長期三角保合い上限ライン候補が通過する7450円近辺が重要なサポートにも。切り返して今年高値更新なら7620円程度までは上値を伸ばす展開にも。
プラチナ価格は-18円、0.43%の続落で2月8日(4101)以来、1週間ぶりの安値水準に。またしても9日移動平均線(4139)を割り込んで中期三角保合い上抜け後に一段高も意識された勢いは剥落、中期三角保合い上限ラインとの攻防状態を維持するか、上抜け失敗となって巻き戻し継続か、という状況に。4100円の節目を割れるようだと巻き戻しの流れが一段と進行、4000円の大台ライン付近までが意識される展開へ。切り返して4180円超へと抜け出すことができれば上値トライ再開へ、4250円台辺りまでが上値目標にも。
※参考:金プラチナ国内価格2/16とチャート
2022年2月16日(水)時点の相場
国内金:7,515 円 2/16(水) ▼62(0.82%)
国内プラチナ:4,136 円 2/16(水) ▼18(0.43%)
NY金:1,856.2 ドル 2/15(火) ▼13.2(0.71%)
NYプラチナ:1,020.4 ドル 2/15(火) ▼7.6(0.74%)
ドル円:115.60 円 2/15(火) ▲0.06(0.05%)
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