更新日:2022年3月4日(金)
米2月ISM非製造業景況指数は56.5。市場予想の61.1を大幅に下回り、1月からも-3.4の低下、3ヵ月連続の低下で合計-11.9ポイントの急低下。節目の50超を維持しながらも、過去最高水準でピークアウトした11月以降は急減速局面を形成し、1年ぶりの低水準。
雇用指数も3ヵ月連続の低下となって48.5。1年2ヵ月ぶりの低水準で節目の50割れ。製造業景況指数の雇用指数も52.9で50超を維持してはいるものの、6ヵ月ぶりの反落となって2月の失速を象徴。オミクロン株の影響は収束方向ながら、雇用市場にはまだ影響が残っていることも想定されそうです。先日の2月ADP雇用者数も増加幅は3ヵ月連続で減少しており、雇用統計でも4ヵ月連続の低下予想は妥当なところかもしれません。
また、価格指数は83.1で5ヵ月連続80ポイント台での高止まり。製造業では80ポイント台から70ポイント台へと若干低下傾向にはあるものの、依然高水準での推移。
3月以降はあらたにウクライナ戦争による原油価格急騰の影響でさらなるインフレ高騰も警戒され、それに伴う悪影響で景況感指数事態のさらなる減速も警戒されそうです。
3日のNY金相場は+13.6ドル、0.71%の反発。1930ドルを挟んでの保合い推移からNY引け後には1940ドル台半ばまで上昇。ウクライナとロシアの代表団による2回めの停戦協議への若干の期待感と失望懸念とが入り交じる状況からリスク緩和と回避の流れも交錯、結果的には交渉決裂とならなかったことが唯一の収穫。3回め以降の継続で合意しながらも、回を重ねる毎に進展期待も後退。ウクライナのゼレンスキー大統領が要望するように、頑な態度を崩さないプーチン大統領との直接会談以外で解決への道を探るのは至難、という状況か。NY金のこの日の変動値幅は21.5ドルで今年の平均25.7ドルの8割強、ほぼ平均的な値動きながら2月18日以来2週間ぶりの小動き、開戦に伴う急変動状態からようやく少しだけ落ち着きを取り戻し始めた様子も。1920ドルから1940ドル台までの高値保合いを形成し、雇用統計を含む週末の動向次第で週明けには再び大幅変動リスクも。上方ブレイクなら今年最高値(1976.5)更新トライへ、下方ブレイクなら2月半ばの押し目水準1880ドル台までが下値目安に。
NYプラチナは+12.8ドル、1.2%高で3日続伸。2月23日(1091.7)以来、1週間ぶりの高値。ロンドン市場でパラジウムが8ヵ月ぶり高値となる2700ドル台後半まで急騰した流れに追随し、1070ドル台から1090ドル台へと急騰。しかし終値ベースでの今年高値圏で目先の抵抗水準にもなっている1090ドル台半ばで上値を押さえられ続けると、NY市場で力尽きる格好となって1080ドル近辺へと急反落。強めの抵抗水準にもなりつつある1090ドル台の節目を突破できれば1120ドル台辺りまで水準を切り上げるような展開にも。下値サポートは右肩上がりの20日移動平均線(1051.0)。
ドル円は5銭のドル安円高、0.04%の小反落。東京朝に115円40銭台まで小幅調整後は堅調推移。パウエルFRB議長の3月利上げ支持発言を好感してのドル買い再開と、ウクライナとロシアの2回めの協議への期待感からの円安の流れでゆるやかに上昇、欧州時間には115円60銭の抵抗線を超えて半月ぶり高値水準となる115円80銭近辺に到達。しかし、NY市場にかけてはウクライナでの戦闘激化で欧州株の大幅安、ウクライナとロシアの停戦に向けた思惑の乖離も埋まらず協議は3回めへと実質先送り、米2月ISM非製造業景況指数の下振れなどもあり、NY終盤には115円30銭台まで下落。今朝の東京市場ではロシア軍の攻撃による欧州最大規模のザポロジエ原発での火災報道を受けて一時115円20銭台へと小幅に急落する場面も。引き続き114円90銭から115円60銭までのレンジで保合い継続へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/3終値とチャート
4日の国内金価格は+42円、0.54%の反発で今年7回めの過去最高値更新。1月末安値(7244)から2月15日(7577)までの上昇値幅333円を、押し目となった2月16日(7515)を起点にN計算値適用した場合の水準(7848)、想定可能な短期行き過ぎ水準7850円近辺にも到達。しかしながらウクライナ情勢は事態収束に向けた糸口すら見えず、高インフレは減速どころか原油価格高騰によってさらなる加速警戒感も。短期的には高値更新に伴う一段高の目安7870円程度まで、もう少しの上昇余地も。ただし7810円の節目を割れると7750円程度までの急反落も。
週間ベースでは+130円、1.68%高で5週続伸。
プラチナ価格は+40円、0.93%高で3日続伸。2月24日(4355)以来、1週間ぶりの高値。開戦後の3日間で170円(3.9%)下げた後、パラジウムの急騰に追随した3日合計では158円(3.8%)の上昇。全戻しに少し届かないところが短期的には強気転換し切れない状況を反映。4350円台の節目を上抜けることができれば短期トレンドも好転へ、4430円辺りまでを短期上値目標に一段高の展開へ。
週間ベースでは+78円、1.83%の反発。
※参考:金プラチナ国内価格3/4とチャート
2022年3月4日(金)時点の相場
国内金:7,854 円 3/4(金) ▲42(0.54%)
国内プラチナ:4,343 円 3/4(金) ▲40(0.93%)
NY金:1,935.9 ドル 3/3(木) ▲13.6(0.71%)
NYプラチナ:1,080.8 ドル 3/3(木) ▲12.8(1.20%)
ドル円:115.46 円 3/3(木) ▼0.05(0.04%)
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