更新日:2022年3月14日(月)
欧州ではウクライナ危機における日々の動向に一喜一憂するなかでも通貨ユーロの軟調地合いが続き、とりわけ地政学リスクで買われるドルとの格差は拡大傾向。日本では米FRBの金融政策正常化に向けた流れと相反する日銀の緩和政策との乖離が意識され、金利差重視のドル買い円売り圧力が日々高まる状況に。さらに、リスク回避局面では日本円以上に米ドルが買われ、巻き戻しの場面ではドル安の勢いよりも株高円安の勢いが勝りがち。
今週のFOMCでは0.25%利上げが既定路線となって利上げフェーズがスタート。これについては既に織り込み済のNY金は、今後の利上げ見通しなどへの警戒感は残り、若干の下押し圧力が強まることも想定されそうな状況にも。
さらに、休戦協定に向けての進展などがあればさらなる下押し圧力にも。しかし、期待に反して状況悪化、長期化懸念が強まる可能性も依然高く、不透明感からの安全資産買い意欲も高止まり。
14日の国内金価格は先週末から変わらず8131円での横ばい推移。週末の下値トライから1990ドルを回復していたNY金は週明け時間外に軟調スタート、1990ドルがほぼ上限となる形で1980ドル割れへ。ドル円が週末の117円30銭近辺から50銭台へと堅調推移となって相殺した格好にも。調整の度合いが若干強まりそうな兆しもあるNY金の下押し圧力をドル円がどこまで緩和できるか、という状況にも。過去2番めの高値水準となる8100円台を維持できなくなるようなら高値保ち合い崩れとなって調整局面拡大へと向う可能性も。8090円台の節目割れなら一段安へ、9日移動平均線(8026)にサポートされないようだと8000円の大台割れ、7970円程度までが短期下値目安にも。逆に高値再トライとなって8300円超へと最高値更新なら8400円近辺までが意識される展開にも。
3月9日に過去最高値8299円をつけた日の20日移動平均乖離率は+7.67%。1年7ヵ月前に過去最高値を更新した2020年8月7日の+8.34%以来の高水準。それ以前では欧州債務危機時の2011年8月23日の+9.99%以来。ほぼ10年に一度レベルの買われ過ぎ水準まで急騰後の失速状態で現在は+4.27%。20日移動平均+-2%を超えるとすぐに巻き戻される国内金価格としては、乖離率4%台でも異常水準。20日移動平均線の上昇を待ち合わせるか、もしくはもう一段の下落で乖離率縮小へと向う展開にも。現時点での20日移動平均+2%乖離ラインは7973円。
プラチナ価格は+18円、0.42%高で3日ぶりの反発。1090ドル台を回復して週末を終えていたNYプラチナも週明け時間外は1080ドル割れへと軟調スタート。国内プラチナ価格も先週後半の急反落からの反発は限定的となり、下抜けたばかりの9日移動平均線(4415)との乖離幅は埋まらず、短期トレンドは逆転。4330円の下値サポートも維持できなくなれば21日移動平均線(4318)割れも余儀なくされ、4300円の大台割れも。短期的には4280円程度までが下値目安にも。地合い回復に向けては9日線上抜けが必須。
プラチナ価格は20日移動平均+-4%乖離ラインが上下の振れ幅としては最大レベル。これを超えると急速に巻き戻され、現在も上方向へ行き過ぎた状態からの急速な巻き戻しで20日移動平均線付近でサポートされた格好にも。なお、12月安値から3月高値の38.2%戻し(4302)は過去の推移からも重要なサポートとして作用する可能性も。これを維持できれば右肩上がりの20日線にもサポートされる形で上昇トレンド継続へも。
※参考:金プラチナ国内価格3/14とチャート
2022年3月14日(月)時点の相場
国内金:8,131 円 3/14(月) +-0(0.00%)
国内プラチナ:4,348 円 3/14(月) ▲18(0.42%)
NY金:1,985.0 ドル 3/11(金) ▼15.4(0.77%)
NYプラチナ:1,088.6 ドル 3/11(金) ▼6.6(0.60%)
ドル円:117.30 円 3/11(金) ▲1.17(1.01%)
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