更新日:2022年5月10日(火)
ロイターによれば、中国国営テレビが伝えた中国の貿易において1-4月の輸出額は人民元建てで前年比10.3%増加、輸入は前年比5.0%増。順調に増加しているようにも見えますが、それ程でもなさそうです。
単月で見ると、人民元建てでの3月の輸出額は1兆7535.4億人民元で昨年5月(17160.4)以来、9ヵ月ぶりの低水準。それでも低調だった1年前との比較では+12.7%。4月は1兆7425.6億人民元となって10ヵ月ぶり低水準、前年比では+1.7%となって2020年5月(+1.4%)以来1年11ヵ月ぶりの低い伸びにとどまっています。
輸入額も1-4月累計では前年比でわずかに増加も、3月単月では1兆4529.6億人民元で10月以来、4ヵ月ぶり低水準。2021年以降では2番めの低水準となり、前年比では-1.0%。コロナショックの余波が残る2020年5月(-12.7%)以来、1年10ヵ月ぶりの低水準。4月の輸入額は1兆4174.8億元となって3月を下回って5ヵ月ぶり低水準。前年比では-1.3%となって1年11ヵ月ぶり低水準、2ヵ月連続の前年割れ。
中国の製造業PMIが国家統計局、財新発表分ともに3-4月はいずれも節目の50割れとなったのと同様、貿易額もこの3-4月は需要低迷からの落ち込みが顕著となっているようです。上海や北京等でのコロナ対策によるロックダウンの影響は中国経済の足を引っ張っています。
この影響は中国のみならず、世界経済へのマイナス影響も大きく、世界的なインフレやロシア・ウクライナ情勢なども合わせ、今や世界三大リスクとして世界経済への足かせとなっています。
この影響でリスク回避のドル買い需要も強まりやすく、この日もドル円は20年ぶりのドル高円安を更新。
9日のNY金相場は-24.2ドル、1.29%安で3日ぶりの反落。2月15日(1856.2)以来、3ヵ月ぶりの安値。週明け時間外は1885.6ドルの高値をつけて軟調スタート、ゆるやかなドル高基調が重石となって水準を切り下げるとロンドン市場で1860ドルの節目に到達。いったんは下げ渋る形となってNY朝には1870ドルまで反発も午後には再び1860ドルラインとの攻防へ、NY引けにかけて節目を割れると一時1850ドル付近まで下落。90日移動平均線(1890.9)をレジスタンスに戻り売り圧力が強まる展開となり、節目割れに伴う短期下値目安は2月半ばの押し目形成水準1840ドル近辺まで。反発方向へは1880ドル台から90日線までの抵抗帯を突破できれば4月末高値券1910ドル近辺までが短期上値目安に。
NYプラチナは-17.5ドル、1.83%安で3日続落。5月2日(932.8)以来、1週間ぶりの安値。時間外はNY金の軟調推移にも連れる形となって950ドル手前から930ドル付近まで下落。930ドルの節目付近では底堅く、下げ渋る展開もロンドン市場でこれを下抜けると一段安、910ドル台前半まで下落。NY市場では切り返す展開となって一時940ドル台まで反発も上値は重く、NY引け後には930ドルの節目との攻防再開へ。あらためて930ドルの節目を維持できなくなれば、4月安値圏900ドルの大台前後までが短期下値目安に。
ドル円は22銭のドル安円高、0.17%安で3日ぶりの反落。世界同時株安の流れでリスク回避のドル買いの勢いが強まる形となった週明け、東京市場朝から堅調推移となって130円50銭台から上下動を繰り返し、ややボラタイルな動きで水準を切り上げると東京午後には131円台へ、東京市場終了後欧州朝の時間帯には一段高となって今年最高値を更新、131円30銭台まで上昇し20年ぶり高値も更新。欧州時間までは131円20銭台を中心に小幅揉み合い推移となって下げ渋る展開も、NY朝には米10年債利回りが3.2%付近から3.1%割れへと急低下した流れに追随、131円を割れるとNY午後には130円10銭台まで下落。今朝の東京市場では130円50銭台まで反発後に一時130円割れへと戻り売り。結果的に130円20銭の節目超えに伴う上値トライでは今年高値こそ更新したものの、131円台後半の短期目標には少し届かず。再トライの可能性も若干残しながら、高値圏での乱高下状態の様相にもなり、ピークアウト警戒感も漂い始める状況にも。当面の下値サポートは129円、割れると3月末安値(121.28)から今年最高値(131.35)までの38.2%戻し(127.50)近辺までが下値目安。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/9終値とチャート
10日の国内金価格は-164円、1.9%の大幅反落で4月8日(8411)以来、1ヵ月ぶりの安値。ゆるやかに上昇する21日移動平均線(8623)にサポートされて8630円の節目上抜けに伴う上値トライへの流れは急降下を続ける9日移動平均線(8602)に出鼻をくじかれて失敗。NY金の反落とドル円の20年ぶり高値圏からの急失速を反映し、巻き戻しの流れが加速する形となって8580円の下値サポートを割り込んでの一段安で3月末安値から最高値までの61.8%戻し(8489)を達成。短期下値目安となる76.4%戻し(8401)近辺まで、もう少しの下げ余地も。
プラチナ価格は-2円、0.05%の小幅続落。NYプラチナの月曜朝からの下げ幅が限定的となったこともあり、5月に入ってからの大幅反発の流れを崩さずに短期地合いも好転へ。高値圏での乱高下状態となりつつあるドル円の動向に多分に左右される状況ながら、4370円台の節目を上抜けできれば上値トライ再開へ、短期的には4450円程度までが上値目標。少し勢いづけば4500円の重要水準トライも視野に。
※参考:金プラチナ国内価格5/10とチャート
2022年5月10日(火)時点の相場
国内金:8,479 円 5/10(火) ▼164(1.90%)
国内プラチナ:4,334 円 5/10(火) ▼2(0.05%)
NY金:1,858.6 ドル 5/9(月) ▼24.2(1.29%)
NYプラチナ:938.5 ドル 5/9(月) ▼17.5(1.83%)
ドル円:130.33 円 5/9(月) ▼0.22(0.17%)
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