更新日:2022年5月12日(木)
米労働省が発表した4月の消費者物価指数(CPI)は前年比+8.26%。40年3ヵ月ぶり高水準となった3月の前年比+8.54%からは低下したものの、市場予想の+8.1%を上回り、前月比でも+0.2%予想を上回る+0.3%に。
コアCPIも前年比+6.16%となり、39年7ヵ月ぶり高水準となった3月の+6.47%からは低下も市場予想の+6.0%を上回り、前月比でも+0.4%予想に対して+0.6%。
前年比では総合指数、コア指数ともに8ヵ月ぶりの低下となり、わずかながらも鈍化の兆し、とはなったものの、CPIは1982年2月以降の40年余りで2番めの高水準。コアCPIも1982年9月以降の39年8ヵ月間では3番めの高水準となり、いずれも約40年ぶり高水準での高止まり状態。
なお、NY原油価格が月間平均で3月の107.93ドルから4月は101.56ドルへ、4ヵ月ぶりに低下したのに合わせてインフレ率も低下した格好に。ただし、セクター別の内訳ではエネルギー価格は前年比+30.3%となり、3月の+32.0%からは鈍化したものの依然として近年最高水準付近での高止まり。
食品価格は前年比+9.4%で11ヵ月連続上昇、エネルギー関連を除くサービス価格は+4.9%となってこれも8ヵ月連続の上昇。食品とエネルギー関連を除く商品価格は2ヵ月連続の低下も前年比+9.7%の高水準。
項目別では航空運賃が3月の前年比+23.6%から4月は33.3%へと近年最高水準へと急騰し、賃貸住宅は+4.8%となって9ヵ月連続上昇。ガソリン価格は3月の+48.0%からは低下も43.6%の高水準。
歴史的高インフレ状態は、ピークアウトの可能性も示唆するような結果と見ることも可能ながら、依然として歴史的高水準での高止まり状態にあり、セクター別、項目別では上昇を続ける品目も多数。今後鈍化傾向へと向かったとしても、それなりの時間を要しそうな状況は変わらず。
FRBの大幅利上げペース見通しも、当面は揺るぎそうにはありません。
11日のNY金相場は+12.7ドル、0.69%高で3日ぶりの反発。時間外序盤には一時1830ドル近辺まで下落し、2月11日(1821.1)以来3ヵ月ぶり安値をつけて反発。短期下値目安1840ドル近辺をオーバーランしての推移は長くは続かず、200日移動平均線(1836.8)にもサポートされる形となっての切り返し。ロンドン市場にかけての米長期金利低下とドル安基調にも連れて1850ドル台を回復、NY朝の米4月CPIには売りで反応、一時1840ドル割れへと小幅に急落もドル高の巻き戻しにも連れて元の水準へ、NY引けにかけては1850ドル台前半で小康状態に。短期的には下値トライ一服状態も、2000ドルの高値をつけた4月半ばから続く下落局面の範囲内で戻りを試した状態。流れが変わる為には1840ドルの下値サポートを割れないことが重要、割れると下落局面継続で1820ドル近辺までが次の下値目安に。維持できれば保ち合いから反発へ、1880ドル台の節目上抜けとなれば反発局面形成へ、4月末高値圏1910ドル近辺までが短期上値目標に。
NYプラチナは+42.6ドル、4.5%の大幅続伸。前日までに下ヒゲ陰線と上ヒゲ陽線の2日分を合わせて十字線を形成、反発か一段安かという状態から流れは上方向へ。時間外序盤の940ドル台前半が安値となって堅調推移、20日移動平均線(956.5)を上抜けるとロンドン市場までに970ドル台を回復し、NY朝のCPI結果を受けては市場の乱高下に巻き込まれる形で950ドル台前半まで急落後に急反発、NY午後には980ドルまで一段高。ただし990ドルラインで上値を押さえられる形となってNY引け後には980ドル付近へと小反落。980ドルの節目突破に伴う短期上値目標1000ドルの大台トライには少し及ばず。目先、200日移動平均線(1001.4)も通過する大台ライン付近までの上値トライ余地も。
ドル円は46銭のドル安円高、0.35%の反落。130円40銭近辺での小幅保ち合いとなった東京市場終了後には米10年債利回り低下とドル安基調となって129円60銭近辺まで下落。NY朝の米4月CPI結果を受けては130円80銭台まで急騰。しかし3%台へと急騰した米10年債利回りが3%割れへと急低下した流れに連れるとNY午後には130円割れ、一時129円40銭台まで下落。NY終盤にかけての自律反発では130円ラインとの攻防に。インフレ加速のピークアウトについては判断が分かれる微妙な結果ながら、少なくともFRBのタカ派加速を助長するような結果とはならず、ドル円の上値トライも一服。結果的に131円台後半を目指した流れは週初の高値131円30銭台まででいったん終了。目先は129円から130円60銭までのレンジで高値保ち合いへ。あらためて上方ブレイクへと向かえば高値更新再トライへ、132円台が短期上値目標に。下方ブレイクなら高値保ち合い崩れで調整局面入り、3月末安値(121.28)から今年最高値(131.35)までの38.2%戻し(127.50)近辺までが短期下値目安。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/11終値とチャート
12日の国内金価格は+31円、0.37%高で3日ぶりの反発。インフレ率は市場予想ほど低下せず、しかし鈍化への可能性を残す微妙な塩梅。利上げ加速観測へもつながらず、短期下値目安到達後の金価格の反発阻害要因にはなりえず。とはいえ反発力にも乏しく、値幅も限定的に。目先、8400円の下値サポートでの足場固めという意味では最高値から5月安値8406円までの23.6%戻し(8513)程度までの戻りは確保しておきたいところ。8400円割れなら調整局面継続、8350円近辺までが短期下値目安に。
プラチナ価格は+102円、2.35%の続伸。NYプラチナの急騰に押し上げられ、4370円台の節目を上抜けて小幅保ち合い上放れ、4450円近辺までの短期上値目標にもいきなり到達。短期的には上値トライ一服も、中期的には4月高値で中期的なレジスタンス、4500円トライも意識される水準に。
※参考:金プラチナ国内価格5/12とチャート
2022年5月12日(木)時点の相場
国内金:8,437 円 5/12(木) ▲31(0.37%)
国内プラチナ:4,447 円 5/12(木) ▲102(2.35%)
NY金:1,853.7 ドル 5/11(水) ▲12.7(0.69%)
NYプラチナ:989.8 ドル 5/11(水) ▲42.6(4.50%)
ドル円:129.99 円 5/11(水) ▼0.46(0.35%)
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