更新日:2022年6月15日(水)
米労働省が発表した5月の生産者物価指数(PPI)は前年比+10.76%。市場予想の前年比+10.9%程度を下回り、4月の+10.89%からも小幅に低下。過去最高を更新し続けて前年比+11.54%まで上昇した今年3月からは2ヵ月連続の伸び率鈍化となり、2月(+10.40)以来3ヵ月ぶりの低水準。生産者物価の高インフレ状態はピークアウトした可能性を示唆。
食品とエネルギーを除くコアPPIは前年比+8.26%。これも市場予想の+8.6%を下回り、4月の+8.64%からも低下。過去最高となった3月の+9.57%からは2ヵ月連続の低下で昨年11月(+8.01)以来、半年ぶりの低水準。
食品とエネルギー、貿易サービスを除いたコア指数では前年比+6.78%。4月の+6.79%からはわずかに低下、それでも過去最高となった3月の+7.15%からは2ヵ月連続の低下で2月(+6.75)以来、3ヵ月ぶりの水準へと伸び率は鈍化。
PPIとCPIとの差は5月に2.18%となり、4月の2.63%からは0.45%の縮小。3月の3.00%からは2ヵ月連続の縮小で昨年6月(2.17)以来、11ヵ月ぶり水準まで縮小。CPI格差は昨年8月(3.40)、9月(3.38)がピークとなり、徐々に縮小傾向。
それでも過去の推移と比較すればPPIの水準とともにCPI格差も異常な高水準を維持し、CPIへの価格転嫁余地を多分に残す状態。当面の大幅利上げペース見通しに影響を及ぼすにはまだ至らない状況のようです。
14日のNY金相場は-18.3ドル、1.0%の続落で5月13日(1808.2)以来、1ヵ月ぶりの安値。時間外スタート直後に一時1810ドル割れへと急落後に切り返し、ロンドン序盤までに1830ドル台まで反発したことで下値トライ一服かに見えたのはここまで。FOMCでの0.75%利上げを織り込んでFRBのさらなるタカ派傾斜への警戒感からNY市場にかけて戻り売り。米10年債利回りが11年2ヵ月ぶり高水準3.4%台での一段高となり、ドルインデックスは2002年12月以来19年半ぶり高水準となった流れに連れ、NY引け後には1806ドルまで下落。逆三角保合い下放れに伴う一段安の流れが継続、FOMCで想定外のハト派傾斜とならない限りは軟調局面継続へ、短期下値目標は今年安値更新トライとなって1780ドル割れを試す展開にも。
NYプラチナは-21.6ドル、2.32%の大幅安で6日続落。6日続落は昨年11月以来、7ヵ月ぶり。水準としては4月27日(910.4)以来、1ヵ月半ぶりの安値。通常なら短期的には下値トライ一服も、ややタイミングも悪く、重要水準となる5月安値圏920ドル近辺も下回ってきたことから、さらなる一段安も。短期的には昨年来安値圏900ドルから890ドル近辺までが下値目安、かつサポート候補に。そこで下げ止まらない場合、中期的には2020年9月安値圏820ドル近辺を目指す流れにも。
ドル円は100銭のドル高円安、0.74%の大幅続伸。横ばい推移を挟んで7日続伸以上は4月に続いて今年3度め。水準としては1998年10月1日(135.95)以来、23年8ヵ月ぶりの高値。NY終値では4日連続134円30銭台付近で伸び悩んだ状態からFOMC直前に上放れ。東京朝に133円80銭台まで下押し後には押し目買い、東京午後には134円80銭台まで上昇も欧州序盤にかけては134円付近まで軟調推移。欧州・NY時間にかけては米10年債利回り上昇とドル高の流れが徐々に強まり、NY午後には135円台トライ、これを突破するとNY終盤にかけて135円40銭台まで上昇。今朝の東京市場では135円50銭台でいったん頭打ち、一時135円割れを試しながらも135円近辺で下げ渋り。FOMCでの0.75%利上げと今後の見通しも一定のタカ派傾斜を織り込み済の状態となり、期待外れ感が大きくならなければ136円トライへ。期待外れとなっての調整局面入りなら3月末安値(121.28)から6月高値(135.46)までの23.6%戻し(132.11)辺りまでが短期下値目安にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/14終値とチャート
15日の国内金価格は+15円、0.17%の小反発。短期下値目安8600円割れ到達後の達成感からの反発も、上げ幅は前日急落値幅の18分の1に留まり、下抜けたばかりの9日移動平均線(8625)にも届かず。5月安値(8181)から6月高値(8859)までの38.2%戻し(8600)近辺での下げ一服状態。目先の変動目安として上方向には23.6%戻し(8699)程度まで、下方向へは61.8%戻し(8440)から21日移動平均線(8434)辺りまでが意識される可能性も。
プラチナ価格は-12円、0.27%の小幅続落で6月1日(4360)以来、2週間ぶり安値圏での一段安。短期下値目安4400円割れ到達後の達成感も反発し切れず。4月安値(4098)から6月高値(4682)までの半値戻し(4390)でも下げ止まらず、FOMC後にも軟調局面が続くことになれば61.8%戻し(4321)から76.4%戻し(4236)辺りまでが意識される可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格6/15とチャート
2022年6月15日(水)時点の相場
国内金:8,599 円 6/15(水) ▲15(0.17%)
国内プラチナ:4,365 円 6/15(水) ▼12(0.27%)
NY金:1,813.5 ドル 6/14(火) ▼18.3(1.00%)
NYプラチナ:910.7 ドル 6/14(火) ▼21.6(2.32%)
ドル円:135.44 円 6/14(火) ▲1.00(0.74%)
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