更新日:2022年7月7日(木)
米6月ISM非製造業景況指数は55.3。スタグフレーション懸念がにわかに強まり始めた昨今の状況下では、市場予想の54.0を上回ったことを好感したように米10年債利回りは急上昇、ドル円も急騰。
しかし、5月の55.9を0.6ポイント下回り、3ヵ月連続の低下。昨年12月以降の7ヵ月間では3月以外の6ヵ月で下落、昨年11月の68.4でピークアウトした後の低下基調が継続。2020年5月(45.4)以来、2年1ヵ月ぶり低水準となってコロナ後の最低も更新中。
新規受注は5月の57.6から6月は55.6へと低下、昨年までの60台からは大きく低下も依然として堅調。4月に84.6まで上昇した価格指数も続落で6月は80.1まで低下も依然高水準。ただし雇用指数は50.2から47.4へと急低下。節目の50を割れて2020年7月以来、1年11ヵ月ぶりの低水準。インフレや供給制約の問題などは続き、人材確保も困難となりつつあり、非製造業においても景況感は減速傾向が鮮明となってきた様子。
なお、先行して発表されたISM製造業景況指数も6月は2年ぶり低水準となる53.0と3ヵ月連続の低下。雇用指数も3ヵ月続落、2ヵ月連続の節目50割れとなって47.3。2020年8月以来1年10ヵ月ぶりの低水準。
製造業、非製造業ともに景況感はピークアウト後の減速基調が続き、雇用は既に拡大基調から縮小基調へと落ち込み始めた状況も示唆。
米雇用指標ではこの日発表された5月のJOLTS求人件数も1125.4万件となって市場予想こそ若干上回りながらも、過去最高となった3月の1185.5万件から2ヵ月連続の減少。
求人件数もピークアウトした可能性を示唆する状況にもなってきたようです。
6日のNY金相場は-27.4ドル、1.55%安となって7日続落。2日連続で今年安値を更新し、昨年9月29日(1722.9)以来、9ヵ月ぶりの安値。7日続落は2019年3月以来、3年4ヵ月ぶり。前日安値1763ドルからの反発は1770ドル近辺までに留まり、アジア時間からロンドン序盤にかけて何度かトライしても上値は重く、NY朝には1760ドル台後半で頭打ちとなって下値も切り下げる展開に。米6月ISM非製造業景況指数が市場予想を上回ったことがきっかけにもなった様子で米10年債利回りが2.8%割れから2.9%付近へと急上昇。連れる形でドル円の急騰とともに1760ドルを割れて急落、1730ドル近辺まで下落して一服。日足レベルではユーロドルが1.02ドル割れへと一段安となり、米ドル一段高にも連れる形で行き過ぎ警戒水準、昨年9月安値圏1720ドル近辺にも急接近。RSIは既に21.3と売られ過ぎながら、まもなく1桁台へと一段と急低下する可能性もあり自律反発への可能性は高まる状況。ただし雇用統計も控えてやや難しいタイミングにも。1720ドル近辺で下げ止まり切れない場合には昨年8月安値圏1680ドル近辺までが意識される可能性も。
NYプラチナは-9.8ドル、1.15%安で4日続落。2020年9月24日(838.0)以来、1年9ヵ月ぶりの安値。前日NY午前につけた安値837.6ドルからの自律反発では直後のNY午後に857ドルまで上昇。この日はそれを超えられず、850ドル台半ばが上限となり、何度も上値トライを試しながらも跳ね返され、860ドル手前に抵抗感。NY午前には金とともに急反落、前日安値を下抜けるとNY午後には832ドルまで下落してNY引けにかけては840ドル台へと反発。下値警戒水準、2020年9月安値圏820ドル近辺へと急接近後の自律反発が続かないようだとさらなる下値トライへも。もう一段の下値目安は2020年6月安値圏800ドル前後まで。
ドル円は4銭ほどのドル高円安、0.03%の小幅高で3日続伸。6月29日(136.59)以来、1週間ぶりの高値水準。前日高値136円30銭台から上ヒゲを残した流れでこの日は東京朝から軟調推移。135円80銭台から135円台前半へ、東京市場終了時には135円ちょうど付近まで下げて欧州時間には下げ渋り。NY朝には135円割れを試しながらも下げ渋ると、ISM非製造業景況指数の結果などをきっかけに急反発。米10年債利回り急上昇にも連れて1円ほどの急騰も、136円ちょうど付近では上値を押さえられ、NY午後には135円台後半での揉み合い状態に。結果的にこの日も下値は20日移動平均線(135.22)に支えられて下ヒゲを残し、上値は5日移動平均線(135.70)をわずかに上抜け。ただし136円ラインが重い状態に。少なくとも雇用統計までは135円20銭から136円60銭までの保合いレンジは継続の様相に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/6終値とチャート
7日の国内金価格は-130円、1.54%の大幅続落。下げ幅としては今年の絶対値平均57円の2.3倍、今年7番めの急落で6月1日(8297)以来、5週間ぶりの安値。今年の上昇基調をサポートしてきた右肩上がりの90日移動平均線(8410)を割れるのは昨年10月11日以来、9ヵ月ぶり。NY金がもう一段の下値トライとなれば8300円割れも。中期トレンド転換点、4月最高値(8860)と6月高値(8859)とで構成するダブルトップのネックライン、5月安値(8181)も意識される水準に。
プラチナ価格は-54円、1.3%の続落で2月1日(4095)以来、5ヵ月ぶりの安値。下落基調となった90日移動平均線(4323)を割り込んで下値トライへの勢いが加速。4月安値(4098)、3月安値(4099)、2月上旬安値(4101)など、今年2月以降の下値サポート4100円近辺を割り込みつつある状態。この水準は6月の今年高値(4682)と3月高値(4678)とで構成するダブルトップのネックラインに相当。一足先に中期トレンド転換点との攻防状態に。
※参考:金プラチナ国内価格7/7とチャート
2022年7月7日(木)時点の相場
国内金:8,314 円 7/7(木) ▼130(1.54%)
国内プラチナ:4,096 円 7/7(木) ▼54(1.30%)
NY金:1,736.5 ドル 7/6(水) ▼27.4(1.55%)
NYプラチナ:840.9 ドル 7/6(水) ▼9.8(1.15%)
ドル円:135.91 円 7/6(水) ▲0.04(0.03%)
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