更新日:2022年7月8日(金)
足下でドル円は上値トライ一服となって高値保合い状態が続きます。しかし、ドルインデックスは20年ぶりの高値水準となる106ポイント台後半へと急騰。これに連動する形でNY金も足下で急低下、6日NY市場では9ヵ月ぶり安値水準まで急落しています。
今年2月まで、NY金とドルインデックスは無関係に推移していましたが、3月以降に逆相関関係が急速に強まり、90日相関係数は7月7日時点で-0.8525。これも昨年10月以来、9ヵ月ぶりの逆相関の強さを示す水準となり、サイクル的にはさらにもう一段、その関係性が強まることも想定されそうです。
この足下のドル高要因としては、ウクライナ戦争やエネルギー価格高騰、さらには景気減速懸念は米国以上とも言われるユーロ圏の景気動向などを反映したユーロ安。ユーロは対ドルで売られ続け、ユーロドルは6日、遂に1.02ドル割れ。2002年12月以来、これもほぼ20年ぶりのドル高ユーロ安。
1999年の通貨ユーロ導入直後、2000年から2002年前半にかけて以来となる、パリティ(=等価、1ユーロ=1.0ドル)割れも意識される水準に。
NY金とユーロドルとの関係性は正相関、ドルインデックスとの関係性と同様に、3月以降に相関関係が急速に強まる状況。7日時点の90日相関係数は0.81927。これも昨年10月以来、9ヵ月ぶりの強い相関関係を示す状態。やはり、サイクル的にも、過去の推移的にも、その関係性がさらにもう一段強まる可能性も否定できません。
ユーロドルがパリティ割れを試しに行くようなら、NY金は1700ドルの大台割れの可能性も意識されそうです。
7日のNY金相場は+3.2ドル、0.18%高で8日ぶりの反発。前日NY午後につけた安値1730.7ドルからの自律反発では、この日時間外序盤に1740ドルを超え、ロンドン市場にかけては1740ドル近辺での小康状態に。NY午前には一時1750ドル手前まで上値を伸ばす場面も一時的、NY午後には1740ドル近辺、NY引け後には1740ドル割れへと軟調気味に推移。結果、小幅に上に行って来いとなって上ヒゲを残しての小反発。7日続落で急落局面形成後の反発としては極めて限定的となったこの日の変動値幅は13.5ドル。今年の平均変動値幅29.1ドルの半分以下、今年5番めの小動き。雇用統計直前というタイミングも値幅抑制につながった様子。次週13日の6月CPI発表までボラ低下状態が続く可能性もあるものの、きっかけさえあれば大幅変動への可能性を示唆する状況にも。上方向へは5日移動平均線(1769.8)も通過する1770ドル超へ、下方向へは昨年9月安値圏1720ドル近辺から8月安値圏1680ドル近辺も。
NYプラチナは+24.9ドル、2.96%の大幅高で5日ぶりの反発。7月1日(871.3)以来の高値を回復し、5日移動平均線(864.8)を上抜け。時間外序盤に一時840ドル割れへと下押しも、これが安値となって反発局面が進行。ロンドン市場で850ドル台を回復するとNY朝には860ドル台へ、高値では870ドル近辺を試す場面も。NY引け後も860ドル台を維持。目先、5日線超えを維持できれば急落局面脱出の流れへ、900ドルの大台回復を目指す展開にも。戻り売りとなって840ドルの節目を割れると下値トライ継続へ、2020年9月安値圏820ドル近辺、さらには2020年6月安値圏800ドル割れも意識される可能性も。
ドル円は8銭ほどのドル高円安、0.06%の小幅高で4日続伸。6月29日(136.59)以来、1週間ぶり高値圏での小康状態。東京朝には前日高値を超えて136円10銭台まで上昇後に反落、135円50銭台まで売られてこの日の安値をつけると欧州序盤には136円20銭台まで反発してこの日の高値。NY序盤にも135円50銭台までの安値をつけながらもNY午後には136円回復をかけた攻防状態に。この日の変動値幅は67銭、今年の平均107銭の6割ほどで5月27日(58銭)以来6週間ぶりの小動き。高値保合いレンジを縮小する形でボラティリティ低下で雇用統計待ちへ。次週のCPIも含めてボラティリティ再拡大へのトリガとなる可能性も。インフレ鈍化が確認されず、136円60銭超へと一段高となれば上値トライ再開へ、138円台後半辺りまでが短期上値目標に。逆にドル安の流れとなって135円20銭割れへと向かえば調整局面拡大へ、5月末安値(126.36)から6月高値(137.00)までの38.2%戻し(132.94)近辺までが短期下値目安に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/7終値とチャート
8日の国内金価格は+9円、0.11%の小幅高で3日ぶりの反発。大幅続落で5週間ぶり安値をつけ、9ヵ月ぶりに90日移動平均線(8417)を割り込んだ直後の反発もごくわずか。雇用統計で賃金上昇率が上ブレとなってインフレ懸念が強まるようだと一定のドル高、NY金の一段安に連れる可能性も。逆にインフレ懸念緩和ならドル高一服でNY金は多少の反発も。反発方向へは90日線が重要な攻防ライン。下方向へは8300円を割れると、4月最高値(8860)と6月高値(8859)とで構成するダブルトップのネックライン、5月安値(8181)が意識され、中期トレンド転換点との攻防へも。
週間ベースでは-315円、3.65%の大幅続落。下落率では5月9日からの週(-346円、4.03%)以来、8週ぶりで今年2番めの急落。
プラチナ価格は+109円、2.66%高で3日ぶりの反発。4月安値(4098)、3月安値(4099)、2月上旬安値(4101)など、今年2月以降の下値サポート4100円近辺をわずかに、一時的に割り込んだだけで切り返す形となり、中期トレンド転換点との重要な攻防から生還。6月の今年高値(4682)と3月高値(4678)とで構成するダブルトップ完成もいったんは回避、中期的に大幅安への可能性もいったん緩和。地合い回復への短期目安は90日線(4323)超え。逆に4090円を割り込むようだと中期トレンド崩れ、底抜けとなってまずは4000円近辺までが短期下値目安に。
週間ベースでは-95円、2.21%安で5週続落。5週続落は昨年6月以来、1年ぶり。
※参考:金プラチナ国内価格7/8とチャート
2022年7月8日(金)時点の相場
国内金:8,323 円 7/8(金) ▲9(0.11%)
国内プラチナ:4,205 円 7/8(金) ▲109(2.66%)
NY金:1,739.7 ドル 7/7(木) ▲3.2(0.18%)
NYプラチナ:865.8 ドル 7/7(木) ▲24.9(2.96%)
ドル円:135.99 円 7/7(木) ▲0.08(0.06%)
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