更新日:2022年7月23日(土)
ユーロ圏PMI、7月速報は総合・製造業ともに想定外の節目50割れ。
ユーロ圏の7月総合PMI速報値は49.4。市場予想の51.0を下回り、6月の52.0からも2.6ポイントの急低下、3ヵ月続落で節目50割れ、1年5ヵ月ぶりの低水準。
製造業が49.6とやはり想定外の節目割れとなり、6ヵ月続落で2020年6月(47.4)以来、2年1ヵ月ぶり低水準となったことが影響。サービス業は50.6と節目割れこそ回避も市場予想を下回り、3ヵ月続落となって1年3ヵ月ぶりの低水準。
ユーロ圏の経済活動は1年5ヵ月ぶりに縮小。2年間拡大基調を維持してきた製造業の活動が2年1ヵ月ぶりに縮小し、生産は2年2ヵ月ぶりの落ち込み。サービス業はわずかに拡大基調を維持したものの、1年4ヵ月間維持してきたなかでは2番めの低水準。
国別ではドイツが足を引っ張り、総合PMIは48.0。前月比-3.3の急低下で5ヵ月続落となっての節目50割れ。2020年6月(47.0)以来、2年1ヵ月ぶりの低水準。
ドイツでは製造業が49.2と2年1ヵ月ぶり低水準となって節目割れとなっただけでなく、サービス業も49.2で3ヵ月続落で節目割れ。
フランスも総合PMIでは50.6と節目割れは回避も3ヵ月続落で1年4ヵ月ぶり低水準。サービス業の52.1に対して製造業は49.6と予想外の50割れ。
ECBがこの日発表した報告書では、成長見通しが不透明さを増す状況のなか、ユーロ圏全域で企業がインフレ圧力の高まりと賃金上昇の加速に直面しているとの指摘も。PMIでは50割れの縮小領域に片足を踏み入れたばかりの状況でもあり、今後リセッションを含む一定の減速・縮小期が始まる可能性も高まりそうです。
ECBによる前日の0.5%利上げにより、1.02ドル台を回復していたユーロドルは、低調なユーロ圏PNI、とりわけドイツの結果を受けて1.01ドル台前半へと急低下。
しかし、その後ユーロドルの1.02ドル台回復を後押ししたのは、米国の7月PMI。
米国も景気減速が警戒されてはいるものの、今回の7月PMIではむしろ下げ渋りも予想されていたにも関わらず、想定外の節目50割れ。
総合PMIは52.4の予想に対して47.5。前月からは-4.8の急低下となって4ヵ月続落、コロナショックの2020年5月以来、2年2ヵ月ぶりの低水準。
サービス業が47.0となって前月比-5.7の急低下、これも2年2ヵ月ぶり低水準に。
ユーロ圏は米国の大幅利上げフェーズに追随し始めたばかりですが、景気減速懸念は米国がユーロ圏を猛追する勢いにもなってきたようです。
22日のNY金相場は+14.0ドル、0.82%の続伸。アジア時間には1710ドル近辺まで小幅に下げて押し目買い。1710ドルの節目がサポートに切り替わり、ロンドン市場で1720ドル台、NY市場では1730ドル台、高値では1740ドル手前まで上昇。米10年債利回りが2ヵ月ぶり低水準となる2.7%台へと低下し、ユーロ圏と米国の7月PMI急低下にも連れてドル安の流れが強まったことにもサポートされた格好に。1710ドルの節目超えに伴う短期上値目標1740ドル付近到達後には一服、NY引け後には一時1720ドル割れまで反落し、1720ドル台半ばまで戻して週末。最低限の反発局面を形成して下落トレンド一区切りという状態にも。さらなる反発継続に向けては20日移動平均線(1752.4)上抜けが目安に、FOMC通過後の位置関係がポイントにも。
週間ベースでは+23.8ドル、1.4%高で6週ぶりの反発。
NYプラチナは+8.5ドル、0.99%の続伸。前日まで上値を押さえられ続けた860ドルの節目をロンドン序盤に突破、しかしユーロ圏のPMI悪化を受けてのユーロ安も重石となって伸び悩み、860ドル台での保合いから金の上昇にも追随して抜け出すとNY朝には870ドル台へ、米国のPMIも予想外の悪化となった場面ではドル安金高の流れに連れて一時880ドル手前まで上昇。860ドルの節目と20日移動平均線(864.4)上抜けに伴う短期上値目標880ドル付近に到達後は、一服状態からの反落でNY引け後に一時860ドル割れも860ドル台半ばへと反発。880ドル付近までの再トライ余地も残し、下げ止まりつつある20日線超えを維持できるかどうかが目先のポイントにも。
週間ベースでは+36.3ドル、4.37%の反発。
ドル円は123銭のドル安円高、0.9%の続落で7月7日(135.99)以来、2週間ぶりの安値。FOMC前に動意拡大。東京朝には137円50銭台まで小幅上昇後に急反落、137円割れを試して失敗すると買い戻しの流れとなって東京市場終盤には137円90銭台まで上昇。138円台回復トライに失敗すると欧州時間にかけては軟調推移、137円台半ばで下げ渋る場面も、米10年債利回り低下とドル安の流れに連れてNY朝にかけては137円割れへと一段安。さらに米7月PNIの想定以上の悪化を受けて136円台半ばから136円割れへ、安値では一時135円50銭台まで下落し、136円80銭の節目割れに伴う短期下値目安135円台半ばに到達。下値トライ一服後には136円を回復して越週。5月30日以来8週間ぶりの20日移動平均線(136.80)割れとなり、この日の変動値幅は240銭。今年の平均109銭の2.2倍、今年6番めの大幅変動。ボラ拡大に伴う行き過ぎ警戒水準としては5月安値(126.36)から7月高値(139.39)までの38.2%戻し(134.41)近辺も。
週間ベースでは-2.46円、1.78%安となって8週ぶりの反落。下げ幅としてはコロナショック時の2020年3月23日からの週(-2.88円、2.6%)以来、2年4ヵ月ぶりの急落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/22終値とチャート
2022年7月23日(土)時点の相場
国内金:8,282 円 7/22(金) ▲48(0.58%)
国内プラチナ:4,147 円 7/22(金) ▲30(0.73%)
NY金:1,727.4 ドル 7/22(金) ▲14.0(0.82%)
NYプラチナ:867.2 ドル 7/22(金) ▲8.5(0.99%)
ドル円:136.09 円 7/22(金) ▼1.23(0.90%)
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