更新日:2022年8月4日(木)
予想外に強い米ISM非製造業景況指数、7月は56.7となって3ヵ月ぶりに反発。市場予想の53.5程度を大幅に上回り、コロナ後最低で2年1ヵ月ぶり低水準となった6月(55.3)からは1.4ポイントの上昇。
この日、少し前に発表された7月サービス業PMIが47.3となり、前月比-5.4の急低下で4ヵ月続落、2年2ヵ月ぶり低水準でコロナ後最低となったのとは対象的な結果に。
この結果からISMの下振れ警戒感が高まったことも、ISMの指標発表直後のドル高急進と金の反落の勢いを増す結果に。
なお、月曜日に発表されていた7月のISM製造業景況指数も52.8となって2年1ヵ月ぶり低水準となっていたのとも対象的。
コロナ禍を経ての消費事情の変化、高インフレの影響でモノへの需要が伸び悩み、サービス支出が拡大していることを反映するような結果にも。
また、6月にはISM製造業、非製造業ともに47ポイント台まで急低下していた雇用指数は、7月には製造業で49.9、非製造業も49.1へと反発。いずれも節目の50には少し届かなかったものの、雇用情勢はそれほど悪化していないことを示唆するような結果にも。
なお、価格指数も非製造業では6月の80.1から7月は72.3へと大幅に低下、製造業では78.5から60.0へと急降下。インフレ圧力緩和も示唆するような結果に。
雇用情勢が比較的堅調な状態が続き、インフレ圧力緩和につながる賃金上昇圧力も緩和傾向、という結果が今週末の雇用統計でも示されたなら、リセッション懸念緩和から大幅利上げ継続へのハードルも再び下げられることにもなりそうです。
3日のNY金相場は-13.3ドル、0.74%安となって6日ぶりの反落。前日NY朝の1800ドル台から、FRBのタカ派スタンス再アピールを受けて急反落した流れはこの日の時間外序盤に1770ドル付近まで下げて一服。アジア時間に1780ドル台半ばへと自律反発後には1780ドルを挟んでの小幅保合いの展開に。NY朝につけた高値も1790ドル手前まで、米7月ISMの非製造業景況指数の予想外の好結果を受けての米10年債利回り上昇とドル高の流れに押されての急反落でつけた安値も1770ドルまで。NY午後には反発し、NY引け後には1780ドル近辺。2日連続で十字線を形成し、反発一服からの下げも一服、という状態に。目先、雇用統計の好結果と市場のタカ派傾斜進行への警戒感から下値サポート候補として1750ドルから20日移動平均線(1735.3)辺りまで。予想外の結果などから1790ドルの節目を上抜けると1800ドル台回復再トライ、1810ドル程度までが短期上値目安に。
NYプラチナは-16.5ドル、1.82%安で4日ぶりの反落。前日までの反発基調はNY朝の915ドルで折り返し、十字線に近い足形を残しての反落もこの日の小幅十字線で下げ渋り。アジア時間の自律反発で890ドル台半ばまで上昇したのが高値となり、反落後のロンドン序盤につけた880ドル近辺が安値。この日の変動値幅は15.9ドルにとどまり、今年の平均31.8ドルのちょうど半分、今年3番めの小動き。目先の下値サポート候補として20日移動平均線(864.2)近辺、840ドル台の節目は強めのサポートにも。上方向へ910ドル超へと水準を切り上げることができれば、反発基調再開へ。930ドル近辺までの短期上値目標から950ドル近辺まで上値を伸ばすような展開にも。
ドル円は74銭のドル高円安、0.56%の続伸。FRB高官のタカ派発言などを追い風に前日NY市場からのドル高の流れはこの日の東京朝まで続いて133円90銭台まで上昇。しかしペロシ米下院議長と蔡英文台湾総統との会見を巡っては中国側の牽制的な動きなどから緊張感も高まり、リスク回避の流れとなって東京午後にかけて132円20銭台まで急反落。その後は米10年債利回りが2.7%付近で下げ渋って反発した流れにも連れて欧州時間にかけて133円台前半へと戻して揉み合い状態に。NY朝にはISM非製造業景況指数の好結果を受けて133円台半ばから134円50銭台へと急騰。ただしNY午後には伸び悩み、長期金利低下とともにゆっくりと133円台後半へと巻き戻し。高ボラティリティ状態は続くものの、結果的には7月高値(139.39)から8月2日安値(130.39)までの38.2%戻し(133.83)付近に落ち着いた状態にも。目先の上値トライ目安は半値戻し(134.89)から61.8%戻し(135.95)近辺、サポート候補は23.6%戻し(132.51)近辺。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/3終値とチャート
4日の国内金価格は+39円、0.47%の続伸で7月28日(8329)以来、1週間ぶりの高値。復活した(かもしれない)円安サポート再開を受けて中期サポート8180円近辺で底打ちした(かもしれない)流れが継続。1ヵ月ぶりに21日移動平均線(8299)も上抜けて一段高へ、と向かうかどうかは雇用統計の結果次第ということにも。6月高値から8月安値の23.6%戻し(8331)と重なる8330円の節目上抜けなら38.2%戻し(8432)付近ままでが上値目標に。下値サポート候補は5月と7月の保合い形成水準8250円近辺。
プラチナ価格は+23円、0.56%高で3日続伸。上昇再開の9日移動平均線(4146)と下落基調が続く21日移動平均線(4150)をようやく上抜け、4190円台の節目との攻防も視野に。これを上抜けることができれば1ヵ月に渡る鍋底保合いから抜け出すことになり、それなりの上昇局面形成へと向かうことにも。6月高値(4682)から7月安値(4070)までの23.6%戻し(4214)を超えて90日移動平均線(4286)も超え、半値戻し(4376)近辺までが当面の上値目標に。
※参考:金プラチナ国内価格8/4とチャート
2022年8月4日(木)時点の相場
国内金:8,303 円 8/4(木) ▲39(0.47%)
国内プラチナ:4,162 円 8/4(木) ▲23(0.56%)
NY金:1,776.4 ドル 8/3(水) ▼13.3(0.74%)
NYプラチナ:888.5 ドル 8/3(水) ▼16.5(1.82%)
ドル円:133.87 円 8/3(水) ▲0.74(0.56%)
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