更新日:2022年10月22日(土)
21日NY朝の時間帯、為替は1ドル=151円90銭台まで上昇。152円手前での攻防状態がしばらく続いた後は失速、そして急反落という展開となりました。この日の高値では、1990年7月高値151.80銭台を上回ったことで、次に意識される節目としては152円、さらには1990円6月高値155円30銭台。さらにその先には1990年4月高値160円30銭台。いずれにしても為替市場ではここまで、32年ぶりのドル高円安水準での攻防が続き、今後ももうしばらくは32年ぶりの水準での攻防が続く可能性もありそうです。
BIS(国際決済銀行)が今週発表した実質実効為替レート(世界の主要60ヵ国を対象に、インフレ調整も加えて算出)の月間平均では、日本円は9月に57.95ポイント。
8月の59.86から一段と低下し、1970年9月(57.64)以来、52年ぶりの円安となっています。
一方、米ドルは132.12ポイントとなり、8月の129.05から3ポイント超の大幅上昇。2ヵ月ぶりに過去最高を更新(※BISデータ1994以降)。
20年移動平均乖離率では、日本円は-32.87%となり、2015年6月(-32.91%)以来、7年3ヵ月ぶりの大幅下方乖離。ドル円が125円台となって黒田シーリングなどと言われた時とほぼ同等の「行き過ぎた円安」状態となっています。
米ドルの20年移動平均乖離率は+20.96%。7-8月の+18%台から急拡大、1994以降のデータで確認可能な範囲では過去最大。+10%超は3月以降7ヵ月連続。
高インフレがなければ、ドル高を棚に上げ、行き過ぎた円安は非難されそうな水準に達しています。
21日のNY金相場は+19.5ドル、1.19%の続伸で週初の17日(1664.0)以来の水準を回復。1630ドルラインでの攻防でスタートした時間外はこれを維持し切れず、ロンドン序盤には一時1620ドル付近まで下落。9月末安値1622.2ドルをわずかに下回って今年安値を更新、2020年4月2日安値(1595.2)以来、2年半ぶり安値をつけて切り返し。NY朝には4.3%台まで上昇した米10年債利回りが失速し、ドル高も巻き戻された流れを受けて反発。セントルイス連銀ブラード総裁やサンフランシスコ連銀デーリー総裁が引き締め継続の必要性ともに来年には慎重姿勢への転換を示唆。そのタイミングについては11月FOMCでも議論の対象になるだろうとの発言にもサポートされ、米株とともに急上昇。NY午後には1650ドル台を回復し、NY引け後には1660ドル台へ。短期的には下値目安1630ドル前後に到達後、下ヒゲではわずかに行き過ぎながらもしっかり反発する形となり、ダブルボトムとともにいったん底打ちの可能性も。1630ドルが当面の重要な下値サポート、これをしっかり割り込めば下値トライ再開で1600ドルの大台前後までが下値目安に。反発方向へは1660ドル台の節目から右肩下がりの20日移動平均線(1673.8)を上抜けると一段高の展開へ、1690ドル近辺までが短期上値目標に。
週間ベースでは+7.4ドル、0.45%の反発。
NYプラチナは+18.8ドル、2.05%の続伸で8月12日(959.4)以来、2ヵ月ぶりの高値。上方向への節目910ドル台での攻防状態は前日NY市場からこの日のアジア時間まで続き、ロンドン序盤に上抜けトライに失敗すると下方向へと押し返され、NY朝には一時900ドルの大台割れ。しかし20日移動平均線(894.2)にもサポートされる形で890ドル割れを回避するとNY市場での米株とNY金の反発局面に追髄、NY午後に910ドル台の節目を突破するとNY引けにかけて930ドル台へと一段高。高値では930ドル台後半まで上昇し、NY引け後も930ドル台半ばを維持。短期的には910ドル台の節目突破に伴う上値目標940ドル近辺にほぼ到達。940ドル前後の水準は10月上旬と9月後半高値にも相当し、トリプルトップ形成による抵抗感も。中期的にはこれを完全に上抜けると大台回復を目指すような流れへと向かう可能性も。
週間ベースでは+39.0ドル、4.36%の反発。
ドル円は252銭のドル安円高、1.68%の大幅安となって13日ぶりの反落で13日(147.22)以来、1週間ぶりの安値水準に。東京朝の150円を挟んでの揉み合い状態から、徐々に上値トライの展開へ。東京午後には150円40銭台、欧州時間からその勢いを強めると151円台、NY朝には151円90銭台まで上昇し、1990年7月高値151円80銭台を上抜け、1990年6月以来、32年4ヵ月ぶりのドル高円安水準をつけて失速。FRB関係者の利上げピークアウト時期の検討発言などもあり、米10年債利回りの急低下とドル安の流れで急反落。NY午後には一時146円10銭台まで、5円80銭弱の急落となった後は押し目買いとの売り買い交錯を経て147円60銭台に収束。タイミングを図っての政府・日銀による円買い介入が入ったものと推測されるこの日の変動値幅は579銭、変動率では3.86%。前回介入時の555銭を上回り、変動率では3.86%で全く同じ。8月安値(130.39)から10月高値(151.94)までの23.6%戻し(146.85)を達成し、20日移動平均線(146.36)にサポートされた形にもなって過熱感も解消、ようやく適度な調整が入った格好にも。11月FOMCまでは151円20銭を上限に様子見、保ち合い傾向の展開にも。
週間ベースでは-112銭、0.75%安となって10週ぶりの反落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/21終値とチャート
2022年10月22日(土)時点の相場
国内金:8,565 円 10/21(金) ▲7(0.08%)
国内プラチナ:4,740 円 10/21(金) ▲154(3.36%)
NY金:1,656.3 ドル 10/21(金) ▲19.5(1.19%)
NYプラチナ:933.9 ドル 10/21(金) ▲18.8(2.05%)
ドル円:147.63 円 10/21(金) ▼2.52(1.68%)
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