更新日:2022年10月19日(水)
あちこちからリセッション懸念が指摘されるドイツのZEW景況感指数は10月も低調。
現況指数は-72.2。4ヵ月連続の低下、11ヵ月連続のマイナス圏推移となり、2020年8月(-81.3)以来、2年2ヵ月ぶりの低水準。-70を下回る低水準はコロナショック時以来で、それ以前では世界金融危機となった2009年以来。21世紀最低水準に向けての急低下局面が進行中。
期待指数は-59.2。13年11ヵ月ぶり低水準となった9月からは+2.7で4ヵ月ぶりの反発。ただし、マイナス圏推移は8ヵ月連続となり、2008年11月以降の14年間では2番めの低水準。
これまでのZEWの指数推移では、現況指数の悪化が続いた場合、大底をつける前に期待指数は反発へと向かい、これ以上の悪化はないだろうとの期待感から逆相関の動きとなるケースがほとんど。しかし今回はここまで現況指数と期待指数が揃って急降下。大底へと向かう流れが現在進行形であることを示唆する状態のようにも。
ZEWも「今後6カ月で実質国内総生産が減少する可能性」が大幅に高まり、「経済見通しは再び悪化」しているとの見方。
なお、ドイツ政府は9月末にエネルギー価格高騰対策として最大2000億ユーロを投じる方針を示し、先週には消費者や中小企業のガス代を1カ月分肩代わりする案についての検討も示唆したことなどが10月の期待指数の小幅上昇に寄与した模様。しかし、まだ実現には至っていないことから現況指数の悪化には歯止めがかからない状態。
IMFが先週発表した世界経済見通しでも、主要国の2003年見通しではロシアの-2.3%以外では、イタリア(-0.2%)とドイツ(-0.3%)だけがマイナス成長見通し。
ユーロドルのパリティ割れからの反発が限定的となって上げ渋る状態が、ドル高をサポートし続ける状況もまだしばらくは続きそうです。
18日のNY金相場は-8.2ドル、0.49%の反落。前日の実質トンカチの流れを受け継ぐ形で1650ドル台での小康状態。アジア時間には一時1660ドル台半ばまで上昇する場面もあったものの、一時的にとどまって20日移動平均線(1678.0)にも届かず失速。ただしNY市場でつけた安値も1650ドル割れを回避、ドル高一服、米10年債利回り上昇一服でも上値は重く、下げ渋っただけ。保ち合いレンジを1640ドル台から1660ドル台までに縮小し、上抜けできれば20日線も上抜けへ、1690ドル近辺までが短期上値目標に。下抜けの場合には1630ドル前後までが下値目安に。
NYプラチナは-6.3ドル、0.69%の反落。910ドル台での小幅保ち合い推移からロンドン序盤には前日高値を上回り、10月7日高値(939.8)以来10日ぶり高値水準まで上昇も、920ドル台半ばで上値を押さえられて上げ渋り。NY市場で失速するとNY午後には910ドル割れ、安値では900ドルの大台ライン手前で踏みとどまってNY引け後には910ドル付近まで小反発。上ヒゲ陰線となっての反落も、上値も下値も切り上げる上昇トレンドを維持。目先、910ドル台をしっかり上抜けると10月高値圏940ドル付近までが短期上値目標に。下方向へは880ドルが下値サポート、これを割れると短期トレンド逆転へ、860ドル程度までが短期下値目安に。
ドル円は21銭のドル高円安、0.14%高となって10日続伸。10日続伸以上は1ヵ月ぶりで今年3回め。1990年8月14日(149.48)以来32年2ヵ月ぶり高値を更新。東京時間は概ね149円ラインが上限となり、148円60銭台の下限までの小幅レンジで保ち合い推移。欧州時間に入ると上値トライの動きも強まり、前日高値を上抜けて149円20銭台まで上昇。直後には一時148円10銭近辺まで1円超の急落と荒っぽい展開。なんちゃって介入を挟んだ後は押し目買いに支えられた可能性もあり、149円台に戻して高止まり、NY午後には一時149円30銭台まで上昇。NY終盤にかけては149円20銭近辺に収束。介入警戒感から急変動を自嘲するような値動きのなかでも仕掛け的な動きも交錯し、過熱感高騰とともに急騰よりは急落を警戒(想定)すべき状況にも。ただ、150円は時間の問題で単なる通過点となる可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/18終値とチャート
19日の国内金価格は+26円、0.3%の続伸。10月7日(8710)以来の高値圏での一段高となり、9日移動平均線(8613)も上抜け。6月高値(8859)起点の中期三角保合い上限ラインも再度上抜けの形に。短期的には8610円台の節目上抜けに伴う上値目標8680円台辺りを目指す流れが進行。短期的にも中期的にも上昇トレンドの様相も勢いには欠ける状態。その代わり、為替急変動の煽りを受ける可能性への警戒感がジワリ上昇。上方向へ8700円超へと行き過ぎる可能性もある反面、下方向へは8500円割れへの急反落警戒感も。
プラチナ価格は-25円、0.53%安となって5日ぶりの反落。4630円台の節目上抜けに伴う短期上値目標4710円台到達、若干のオーバーランでの達成感からの一服、となっての調整。と同時に9月以降の下値サポートラインと8月以降の上限ラインとで構成する斜行三角保合い上限ラインにぶつかっての反落となり、中期上昇局面末期の展開となっている可能性も示唆。そうなれば、昨年2月高値(4798)起点の中期三角保ち合い上限ライン上抜けは一時的にとどまり、保ち合い圏内に再び押し戻される可能性。逆に4730円超へと今年高値更新となれば、短期的には4770円程度までが上値目安となり、中期的には大きな流れに変化の兆しにも。
※参考:金プラチナ国内価格10/19とチャート
2022年10月19日(水)時点の相場
国内金:8,643 円 10/19(水) ▲26(0.30%)
国内プラチナ:4,700 円 10/19(水) ▼25(0.53%)
NY金:1,655.8 ドル 10/18(火) ▼8.2(0.49%)
NYプラチナ:907.3 ドル 10/18(火) ▼6.3(0.69%)
ドル円:149.23 円 10/18(火) ▲0.21(0.14%)
Copyright(C) Let's GOLD