更新日:2023年1月17日(火)
長期金利の指標とされる米10年債利回りは昨年10月末、ほぼ15年ぶり高水準となる4.2%台まで上昇。期待インフレ率(BEI)は4月に3%台でピークアウト後、10月には2.5%前後での推移。
その結果、長期金利から期待インフレ率を差し引いて算出される実質金利は、10月に1.7%台でピークアウト。
ドル円も10月21日に一時151円90銭台まで上昇し、1990年7月以来32年ぶりのドル高円安水準を記録してピークアウト。
春先からこの時期まで、実質金利とドル円の推移はほぼ連動状態となり、90日相関係数は11月初旬に0.95台まで上昇。
その後、実質金利は一時1.06%台まで低下する場面もあったものの、概ね1.2%から1.5%台のレンジで高値保ち合い状態に。
一方、ドル円は11月10日に米CPI鈍化を受けて5円超急落し、12月20日には日銀のYCC修正を受けて5円超の急落。そして年明け、1月12日には日銀の追加修正観測などから3円超の急落。
12月後半以降は、さながら日銀ショックとなって円高圧力が急速に強まった結果、ドル円は10円程の急落となって実質金利との連動状態からも大幅乖離。
90日相関係数は11月末に0.9を割れると12月半ばには0.7台を割れ、年明けには0.2ポイント台まで急低下、もはやほぼ無関係状態に。
早々に利上げフェーズへの転換が予想されている訳ではない、日銀騒動が少し落ち着けば、ドル円と米実質金利との連動性は回復方向へと歩み寄り、ドル円は一定の回復フェースへと転換する可能性もありそうです。
16日はキング牧師生誕記念日の祝日でNY市場が休場。時間外のNY金は1920ドル近辺から一時1931.8ドルまで上昇。9ヵ月ぶり高値となって今年高値を更新後にはドル高の流れとなったロンドン時間にかけて1910ドル台前半へと反落。一周回ってNY時間外には1920ドル近辺を回復。NYプラチナも1070ドル台半ばから1080ドル台まで上昇も週末高値手前で失速するとロンドン時間にかけて1060ドル付近まで反落。しかし週末安値を下回らずに下げ渋ると今朝のNY時間外には1070ドル台を回復。
ドル円は64銭のドル高円安、0.5%高で3日ぶりの反発。東京朝には128円20銭近辺まで小幅反発後に戻り売りとなって127円20銭台まで売られ、昨年5月30日安値(126.86)以来7ヵ月半ぶり安値をつけて買い戻し。東京市場終了後に128円台を回復すると欧州時間には128円80銭台まで急騰も、NY時間にかけては値動きも縮小、128円半ばへと収束。水準的には昨年1月安値(113.47)から10月高値(151.94)の61.8%戻し(128.17)を達成して下げ止まりやすいところ。しかし日銀への警戒感とともに下方リスクも払拭し切れない状況、昨年5月安値126円30銭台辺りまでが下値警戒水準。地合い回復に向けては右肩下がりの20日移動平均線(131.81)から132円半ばまでが当面の抵抗水準に。
17日の国内金価格は+33円、0.38%の続伸。ドル円反発のサポートを受け、90日移動平均線(8553)、21日移動平均線(8563)、9日移動平均線(8608)いずれも上昇軌道を維持し、強気パーフェクトオーダーも維持して高値保ち合いをサポート。今年高値(8705)を更新して8710円超へ、高値保ち合い上抜けとなれば11月高値(8744)更新トライへと向かう確率は高まり、短期上値目標は8750円近辺まで。日銀の追加軌道修正などでもう一段の円高進行となれば下方圧力が高まり、8590円のサポート割れへも。そうなれば今年安値(8579)を更新へ、8530円辺りまでが短期下値目安に。
プラチナ価格は+12円、0.25%高で4日ぶりの反発。NYプラチナの下げ渋りに呼応する形で下げ止まり、12月安値(4552)から1月高値(4959)までの半値戻し(4756)達成で一服という状態にも。ゆるやかに上昇する21日移動平均線(4789)を下回りながらも90日移動平均線(4660)を大きく上回る水準を維持。右肩上がりの9日移動平均線(4857)を早期上抜けできればパーフェクトオーダー完成で強気トレンド回復へ。ただし4750円の節目を割り込むようだと一段安へ、61.8%戻し(4707)から4700円近辺までが短期下値目安に。
※参考:金プラチナ国内価格1/17とチャート
2023年1月17日(火)時点の相場
国内金:8,656 円 1/17(火) ▲33(0.38%)
国内プラチナ:4,766 円 1/17(火) ▲12(0.25%)
NY金:1,921.7 ドル 1/13(金) ▲22.9(1.21%)
NYプラチナ:1,072.5 ドル 1/13(金) ▼11.8(1.09%)
ドル円:128.50 円 1/13(金) ▲0.64(0.50%)
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