更新日:2023年2月7日(火)
ワールド・ゴールド・カウンシルのレポートによれば、2022年第4四半期の世界の金需要は1337.3トン。前期比+138.0トン(11.5%)で2四半期連続の大幅増、前年比でも+193.9トン(17.0%)となり、2四半期連続の増加で少なくとも2010年以降では最大。
中央銀行の買い越し量が2四半期連続で前年比大幅増、ETFの買い越しで投資需要も増加。
<目的別需要>
■宝飾品:602.5トン※1年ぶり高水準。前期比+22.3トン(3.8%)、前年比-117.3トン(16.3%)。シェア45.1%※3四半期ぶり低水準。
■産業用:72.0トン※10四半期ぶり低水準。前期比-5.0トン(6.5%)、前年比-13.9トン(16.2%)。シェア5.4%※2010年以降で最低
■投資:245.7トン※3四半期ぶり高水準。前期比+148.7トン(153.3%)、前年比-57.7トン(19.0%)。シェア18.4%※2四半期ぶり高水準。
■中央銀行:417.1トン※9四半期連続買い越し、過去最高となった前期から-28.0トン(6.3%)、前年比+382.8トン(1116.0%)。シェア31.2%※2010年以降では2番めの高水準。中国、トルコ、UAE、カタールなどで大幅増。
<投資需要・内訳>
■現物:335.3トン※2四半期ぶり低水準。前期比-5.8トン(1.7%)、前年比+8.9トン(2.7%)
■ETF:-89.6トン※3四半期連続の売り越し。
※世界の金需要・目的別需要の年間推移
<金消費需要>
現物投資需要と宝飾品需要を合わせた金消費需要は937.8トン。前期比+16.5トン(1.8%)、前年比-108.4トン(10.4%)で4四半期ぶり高水準。全需要に対するシェアは70.1%で3四半期ぶり低水準。
★1位インド、2位中国。5四半期連続でトップ2は入れ替わり。インドの宝飾品需要は219.7トン。過去最高となった2021年第4四半期以来、1年ぶりの高水準。中国の宝飾品需要は127.2トンで2四半期ぶり低水準。現物投資需要はインドが56.4トンで1年ぶり高水準、中国は61.3トンで2四半期ぶり低水準、。2カ国合計の金消費需要の世界シェアは49.5%で1年ぶり高水準。
<世界の金消費大国>
世界の金消費需要上位3カ国の合計シェアは57%。1位インドは276.1トンで前期比+44.0%、1年ぶり高水準、2位中国は188.5トンで前期比-19.2%。3位米国は78.5トンで+43.0%、1年ぶり高水準で前期4位から1ランクアップ。
4位ドイツは前期比+18.1%で11年1四半期ぶり高水準、5位から1ランクアップ。5位トルコは-16.8%で2四半期ぶり低水準、2ランクダウン。6位イランは-25.7%で2四半期ぶり低水準、順位は変わらず。7位ロシアは-3.1%で2四半期ぶり低水準、順位は横ばい。8位インドネシアも-0.7%で2四半期ぶり低水準、横ばい。9位タイは+11.6%で3年ぶり高水準、3ランクアップ。10位ベトナムは+12.5%で2四半期ぶり高水準、3ランクアップ。
前期9位のサウジアラビアは11位へ、10位のUAEは12位へ。日本は3.7トンで2四半期ぶり低水準、17位から28位へ大幅ダウン。
※金消費需要と中央銀行の金保有量の年間推移
<リサイクルと供給量>
リサイクルは292.3トンとなって前期比+22.5トン(8.3%)、3四半期ぶり高水準。鉱山産出量は930.0トンで前期比-15.6トン(1.6%)。総供給量は1217.1トンとなり、前期比+12.6トン(1.0%)で1年ぶり高水準。
<需給バランス>
需給バランスは-120.3トン、3四半期ぶりの供給不足。
6日のNY金相場は先週末からわずかに+2.9ドル、0.15%の小幅高で4営業日ぶりの反発。時間外序盤には一時先週末安値をわずかに下回る1873.2ドルまで下落、1月12日(1872.4)以来の安値をつけた後は1890ドル近辺へと反発。先週末の急落局面からの自律反発はロンドン序盤に1894ドルまで上昇して一服、NY市場にかけて米10年債利回り上昇とドル高の流れが優勢となり、1880ドル近辺へと押し戻される展開に。イベント通過で短期下値目安1900ドル前後を突き抜ける急落局面は行き過ぎの目安、1月初旬高値圏で1月前半安値圏となった1870ドル近辺で下げ止まろうかという状況にも。1900ドルの大台ラインが目先の抵抗水準候補、さらなる下値警戒水準としては11月安値(1618.3)から2月高値(1975.2)までの38.2%戻し(1838.9)近辺も。
NYプラチナは-5.7ドル、0.58%の続落。11月4日(960.5)以来3ヵ月ぶり安値圏で下げ止まり切れず。1000ドルの大台割れに伴う短期下値目安980ドル近辺到達後の一服感から、週明け時間外も980ドル近辺での小幅揉み合い推移となって下げ渋り。NY朝には一時990ドル付近まで反発する場面もあったものの、ドル高と金の下落局面にも連れて失速するとNY午後には971.4ドルまで下落。それでもNY引け後には再び980ドル付近へと反発の兆しも。なお、この日の安値は12月22日安値(971.4)と同水準となってダブルボトムの可能性、11月21日安値(970.7)も含めてトリプルボトムの可能性を残す形にもなり、一定のサポート水準となる可能性も。反発に向けては990ドルの抵抗感払拭と1000ドルの大台回復が目先のポイントにも。
ドル円は145銭のドル高円安、1.11%の大幅続伸で1月5日(133.44)以来、1ヵ月ぶりの高値。日銀総裁人事報道を受けての乱高下となった東京市場では、リフレ派を好感しての円安局面では132円40銭台まで、報道自体の否定発言などからの円高局面では131円50銭近辺の安値をつけ、NY市場にかけては米10年債利回りが1ヵ月ぶりに3.6%台へと上昇した流れにも連れて上昇。NY午後には132円90銭まで上昇。短期上昇トレンドに転換した流れは続き、130円台半ばの節目上抜けに伴う短期上値目標、年初の高値圏134円近辺を目指す流れは継続。ただし主要イベント通過に伴う一服感もあり、10月高値(151.94)から1月安値(127.21)の23.6%戻し(133.05)近辺での抵抗感が強まるようだと、反発局面一服となる可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/6終値とチャート
7日の国内金価格は+39円、0.45%高で4日ぶりの反発。ゆるやかに上昇を続ける90日移動平均線(8594)とこれがまもなく到達する8600円の大台ライン近辺までのサポート水準手前で折り返す形となり、いったん下げ止まり。21日移動平均線(8722)超えが地合い回復に向けてのポイントとなり、8650円台を維持できないようだと下落局面再開、8600円割れを試しに行く展開にも。
プラチナ価格は+12円、0.27%の反発。ただし弱気パーフェクトオーダーを維持して4ヵ月ぶり安値圏での下げ渋り、という状態。引き続き昨年9月安値(4052)から11月高値(5076)の61.8%戻し(4443)近辺までを短期下値目安に軟調局面継続の様相。下げ止まって流れが変わるためには9日移動平均線(4575)上抜けは必須。これを超えると4590円の節目トライも意識され、これも突破できれば4650円近辺を目安に一段高の展開にも。
※参考:金プラチナ国内価格2/7とチャート
2023年2月7日(火)時点の相場
国内金:8,698 円 2/7(火) ▲39(0.45%)
国内プラチナ:4,509 円 2/7(火) ▲12(0.27%)
NY金:1,879.5 ドル 2/6(月) ▲2.9(0.15%)
NYプラチナ:974.6 ドル 2/6(月) ▼5.7(0.58%)
ドル円:132.64 円 2/6(月) ▲1.45(1.11%)
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