更新日:2023年2月17日(金)
消費者物価、CPIに続いて生産者物価、PPIも予想上ブレ。
インフレは市場が期待するペースでの鈍化とはならず、早期利下げ期待はますます後退、FRBの金融引き締め長期化懸念に利上げ幅再拡大懸念まで台頭。インフレ鈍化傾向は継続も、ドル高基調も継続。
米労働省発表の1月PPIは前年比+6.03%。市場予想の+5.4%を大幅に上回り、12月の+6.47%からは低下。7ヵ月連続の低下で2021年3月(4.15)以来、1年10ヵ月ぶりの低水準。
食品とエネルギーを除くコアPPIは+5.37%。市場予想の+4.9%を上回り、12月の+5.78%からは低下。10ヵ月連続の低下となり、2021年5月(5.34)以来1年8ヵ月ぶりの低水準。
食品とエネルギー、貿易サービスも除くコアPPI2は+4.50%。12月の+4.69%からは低下、10ヵ月連続の低下で2021年3月(3.14)以来、1年10ヵ月ぶりの低水準。
いずれもここまで一本調子での低下基調が続くものの、依然として過去平均を大きく上回る水準。
PPIの過去平均は前年比+2.68%(乖離幅=+3.35)、コアPPIは+2.58%(+2.79)、コアPPI2は+2.54%(+1.96)。
なお、同時刻に発表された2月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は-24.3となって市場予想を大幅に下回り、6ヵ月連続マイナス圏推移で2年9ヵ月ぶり、コロナショック以来の低水準に。
前日のNY連銀の景況感が回復したのとは対照的となり、指標発表後にはやや乱高下。
ただ、クリーブランド連銀メスター総裁の「金利は5%を超えてしばらくそこにとどまる必要」発言や、セントルイス連銀ブラード総裁の「3月会合で0.5ポイント利上げを支持する可能性」発言など、FRBのタカ派傾斜への警戒感は続きます。
16日のNY金相場は+6.5ドル、0.35%の反発。ほぼ1840ドル台での保合い推移。ロンドン序盤には一時的に1850ドル台半ばまで買い戻されてこの日の高値をつけ、NY市場ではPPIの上ブレなどをきっかけとしたドル高の流れを受けて1840ドル割れも、1830ドル台半ばまでで下げ渋るとNY午後には1850ドル台へと反発。しかし1850ドル台半ばで再び上値を押さえられるとNY引け後には1840ドル台前半へと失速。インフレ指標上ブレが続いてFRBのタカ派傾斜が重石となるなか、一定の売りもこなして下げ渋り状態にも。1840ドル台が目先の下値サポートとなり、これを維持できない場合には12月前半の保合い高値圏、1820ドル台まで下値余地拡大も。
NYプラチナは+13.2ドル、1.44%高で3日ぶりの反発。前日NY引け後の920ドル割れから時間外序盤には920ドル台前半へと小反発、しかし戻り売り圧力に押されてロンドン市場にかけて再び920ドル割れ、NY市場では一時910ドル割れ。昨年10月25日(907.6)以来4ヵ月ぶり安値をつけて切り返すとMY午後には930ドル超え、しかしこれも維持できずNY引け後には920ドル近辺へ。910ドル台が目先のサポートとなり、下げ止まりをかけた攻防にも。下げ止まれない場合には900ドルの大台割れを試しに行く展開へ。反発に向けては水平状態の200日移動平均線(948.3)が最初の関門。
ドル円は20銭のドル安円高、0.15%安で4日ぶりの反落。東京朝に134円割れも、下値は133円60銭台までにとどまって133円台後半での保合い推移に。NY市場ではPPI上ブレなどの結果を受けて133円90銭台から134円40銭台まで急上昇。前日高値を上回って短期上値目標134円半ばにも到達し、年初につけた今年最高値134円70銭台トライも意識されながらも134円50銭を超えられない状態が続いて失速。NY終盤にかけては再び133円60銭台まで反落の展開に。ただし今朝の東京市場では134円台へと再浮上、134円半ば再トライ。今年最高値更新トライの可能性も再び意識されそうな状況ながら、一方的な流れがそれ以上にさらに続くような展開は想定し難く、次週に向けては反発局面一服となりやすい状況にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/16終値とチャート
17日の国内金価格は+4円、0.05%の小反発。下げ止まりつつある9日移動平均線(8636)をわずかながらも再び上抜け、もつれ合いながらの反転トライ。下からゆっくりと、しかし着実に上昇し続ける90日移動平均線(8617)のサポート圧も感じながら短期トレンド反転も意識される状況にも。8660円の節目を突破できれば21日線(8717)も上抜けて8750円程度までを短期上値目標に反発局面形成へ。逆に90日線を割り込んで8600円の大台も維持できなくなれば下値トライ再開、8530円近辺までが下値目安に。
週間ベースでは+27円、0.31%高で3週ぶりの反発。
プラチナ価格はわずかに-3円、0.07%安となって3日続落。9月28日(4276)以来4ヵ月半ぶり安値圏での推移が続き、4330円の節目割れに伴う短期下値目安4280円近辺に到達。ほぼ一本調子で下落してきた流れのなかで、今週に限れば価格水準の一段安に対してRSIは底打ち反転の逆行状態となり、反発への可能性も示唆。9月安値から11月高値の76.4%戻し(4294)達成済の状況からも、いったん反発への確率は高まる状況。
週間では-94円、2.14%安となって6週続落。6週続落は昨年7月以来、7ヵ月ぶり。
※参考:金プラチナ国内価格2/17とチャート
2023年2月17日(金)時点の相場
国内金:8,637 円 2/17(金) ▲4(0.05%)
国内プラチナ:4,289 円 2/17(金) ▼3(0.07%)
NY金:1,851.8 ドル 2/16(木) ▲6.5(0.35%)
NYプラチナ:931.0 ドル 2/16(木) ▲13.2(1.44%)
ドル円:133.95 円 2/16(木) ▼0.20(0.15%)
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