更新日:2023年4月6日(木)
前日に米2月求人件数に続き、この日は米3月指標も低調な結果が続き、一時的には金利低下とドル安、株安となって金が買われる展開に。
3月のADP雇用者数は前月比+14.5万人。増加幅は20万人超との市場予想を裏切り、2月の+26.1万人からも大幅鈍化。過去2年では1月の+11.9万人に次いで2番めの低水準。
この結果、3ヵ月移動平均では前月比+17.5万人となり、2021年3月(+9.1)以来、2年ぶり低水準。この水準は2012年から2019年までの平均(+17.0)にもあとわずか。コロナ前の平均的な増加ペースまで戻ってきた状態。
なお、雇用統計でのNFPは2月時点での3ヵ月平均が+35.1万人。2012-19年平均(+19.6)を大幅に上回る水準での高止まり。3月分では大幅下振れとなったとしても、3ヵ月平均で見るトレンドとしてはまだまだ上ブレ状態。
しかし、この日発表された3月のISM非製造業景況指数も予想を下回る51.2。2月の55.1からは急低下、雇用指数も2月の54.0から3月は51.3へと急低下。いずれも節目50割れへの警戒感も高まる状況となり、今週の流れでは週末も、ネガティブ・サプライズが警戒されそうです。
ちなみに、雇用統計でのNFPの伸びは最近、市場予想を上回ることが多く、昨年5月(4月分)以降、今年3月(2月分)まで、11ヵ月連続で市場予想を上回る結果となっています。
5日のNY金は-2.6ドル、0.13%の小幅安で3日ぶりの反落。前日の急騰後も、ほぼ2030ドル台を維持して高止まり。アジア時間には2030ドル台後半での小幅揉み合い推移、ロンドン・NY朝にかけては2040ドルを挟んでの小幅揉み合いとなった後に米3月ADP雇用の下振れを受けて急騰、昨年3月9日高値(2068.5)以来、1年1ヵ月ぶり高値となる2049.2ドルまで上昇。しかし節目となる2050ドル目前で上値を押さえられると、急低下した米10年債利回りが下げ渋り、ドル安の巻き戻しの流れにも連れて急反落、一時2020ドル台半ばまで下落。ただしNY午後には2030ドル台半ばへと反発。日足では急騰後に十字線を形成し、雇用統計の結果次第で過去最高値(2089.2)更新か、急反落か、という状況にも。下値サポートは2000ドルの大台へと切り上げられるかどうか、ダメなら1980ドル、これも割れると1960ドルまでの調整も。
NYプラチナは-21.6ドル、2.1%の大幅反落。前日急騰後の高値圏1030ドル近辺を維持しての高止まり状態から、小幅に上値を切り上げる展開となってロンドン市場にかけては1030ドル台半ばへ。NY市場では2ヵ月ぶり高値圏でいったん頭打ち、ADP雇用発表後のNY金急騰と巻き戻しに追随する形となって急反落、ただし安値では1000ドルの大台割れを回避してNY引け後には1010ドル付近へと反発。このまま下値サポートを1000ドルの大台へと切り上げることができれば目先、1030ドルの上限までのレンジで高値保ち合いへ。ただし雇用統計後には一段高か急反落の展開を余儀なくされる可能性も高そうで、1030ドル超へと抜け出すことができれば短期上値目標は1050ドル近辺、下方向へは大台割れ、さらに現状のサポート990ドル割れなら下値目安は970ドル近辺。
金との価格差は1028.2ドルとなり、2020年11月6日(1052.3)以来2年5ヵ月ぶりの水準へと拡大。
ドル円は38銭のドル安円高、0.29%安で3日続落。東京市場での131円80銭台が高値となり、欧州時間にかけては131円20銭台までのレンジで保ち合い推移。NY市場では米3月ADP雇用の下振れを受けて米10年債利回り急低下にも連れ、131円50銭近辺から131円割れトライへと急落。その後発表された3月のISMの非製造業景況指数も予想を下回る低調な結果となり、130円60銭台まで一段安。ただしNY終盤にかけては米10年債利回りの下げ渋りとともに131円40銭台まで反発。下方向への節目となる130円90銭を一時的には割り込みながらも、いったんは下げ渋る格好に。週末の雇用統計後にあらためて割り込むようなら、そのまま下値トライの展開にも。その場合には2月安値圏、128円台後半辺りまでが下値目安に。反発方向へは133円近辺が当面の抵抗水準、これを上抜けることがあれば一定の反発局面形成へ、135円台辺りまでを目指す流れにも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/5終値とチャート
6日の国内金価格は-48円、0.51%安で3日ぶりの反落。9270円の節目突破に伴う短期上値目標9310円程度に到達後の一服感からの反落。それでも前回高値3月31日の9265円を下回らず、過去2番めの高値。堅調推移の範囲内での調整局面という格好にも。目先は週末の雇用統計次第、9330円超へと高値更新なら9380円近辺を短期目安に一段高の展開へ、下方向へは9日移動平均線(9176)近辺がサポート候補。9160円の節目を割り込むようだと9100円近辺までの調整幅拡大も。
プラチナ価格は-113円、2.43%の反落。4580円の節目上抜けに伴う短期上値目標4620円程度に到達し、若干のオーバーランからの急反落で前日の上げ幅を帳消し、2ヵ月半ぶりに上抜けた90日移動平均線(4622)も再び下抜け。このまま4540円の節目割れへと水準を切り下げるようだと一段安の展開へ、4500円の大台も割り込んで4480円程度までが短期下値目安に。90日線から4660円までが当面の抵抗帯となり、突破できれば上値トライ再開へ、4730円近辺までが短期上値目標に。
金との価格差は4738円となって過去最大を更新。
※参考:金プラチナ国内価格4/6とチャート
2023年4月6日(木)時点の相場
国内金:9,280 円 4/6(木) ▼48(0.51%)
国内プラチナ:4,542 円 4/6(木) ▼113(2.43%)
NY金:2,035.6 ドル 4/5(水) ▼2.6(0.13%)
NYプラチナ:1,007.4 ドル 4/5(水) ▼21.6(2.10%)
ドル円:131.34 円 4/5(水) ▼0.38(0.29%)
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