更新日:2023年4月14日(金)
前日のCPIに続き、この日はPPIも予想下振れとなってインフレ鈍化がより一層意識され、新規失業保険申請件数も若干悪化したことも合わせてドル急落となってNY金は急騰。
米3月の生産者物価指数、PPIは前年比+2.75%。市場予想の+3.0%程度を下回り、2月の+4.94%からも急低下。9ヵ月続落となって2021年1月(1.60)以来、2年2ヵ月ぶりの低水準。過去平均+2.70%に急接近。
食品とエネルギーを除いたコア指数、コアPPIは前年比+3.40%。こちらは市場予想どおりながら、2月の+4.81%からは急減速。12ヵ月続落となって2021年3月(3.04)以来、2年ぶりの低水準。過去平均+2.60%にもあと少し。
食品とエネルギー、貿易サービスを除いたコア指数、コアPPI2は前年比+3.64%。2月の+4.51%を大きく下回り、2021年3月(3.14)以来、2年ぶりの低水準。やはり過去平均+2.57%にも急接近。
PPIがCPIを下回る状態は3ヵ月連続となり、その差(PPI-CPI)は-2.24%まで拡大し、2020年4月(-1.85)を大きく超えて過去最大。
さらに前年比伸び率の低下幅も急拡大。PPIは2月から-2.19%低下し、2020年4月(-1.86)を超えて過去最大の急低下。コアPPIの-1.41%低下も過去最大。これまでの最大、2020年4月の-0.77を大幅に上回って1%超も初。コアPPI2の-0.87%低下は2020年4月(-1.09)に次いで過去2番めの急低下。
生産者物価インフレは過去最大級の減速となり、コストプッシュ的なモノの価格インフレはかなり収束に近づきつつあるようです。
13日のNY金は+30.4ドル、1.50%高で3日続伸。NY終値ベースで過去最高値となった2020年8月6日(2069.4)以来、2年8ヵ月ぶりの高値。上げ幅では今年の絶対値平均14.3ドルの2.1倍、今年7番めの大幅高。2030ドルを挟んでの小幅揉み合いとなったアジア時間から、ロンドン市場にかけてはユーロ高ドル安の流れに連れて2040ドル台へと上昇。高値保ち合い上限での一服後は、NY朝のPPI下振れを受けて米長期金利急落とドル一段安の流れとともに急騰、高値では昨年3月9日高値(2068.5)以来、1年1ヵ月ぶりの水準となる2060ドル台前半まで上昇。2040ドルの節目突破に伴う短期上値目標2060ドル近辺にしっかり到達したことによる一服感から、NY午後には2050ドル台半ばで小康状態。5月FOMCでの0.25%利上げ優勢の状況は変わらず、月末に向けての指標悪化などをきっかけに利上げ打ち止め予想が優勢となるようなら過去最高値更新トライへも。当面の下値サポートは2000ドル。
NYプラチナは+38.0ドル、3.70%高で3日続伸。1月24日(1066.8)以来、3ヵ月ぶりの高値。上げ幅としては今年の絶対値平均14.5ドルの2.6倍、3月13日(+42.7ドル、4.44%)に次いで今年2番めの急騰。アジア時間に1020ドル台前半の安値をつけて堅調推移、ロンドン市場で1040ドル台に到達するとNY市場ではPPI下振れを受けて急騰したNY金に追随、1050ドル台へと水準を切り上げるとNY午後には1060ドル台へ、高値では1月18日(1085.1)以来3ヵ月ぶりとなる1070ドルにワンタッチ。NY引け後も1060ドル台で高止まり。1020ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標1050ドル近辺到達後の若干の行き過ぎで一服感も。当面の下値サポートは1000ドルの大台ライン。
ドル円は58銭のドル安円高、0.44%の続落で4月7日(132.15)以来の安値。前日と同じような要因で同じような展開となっての一段安。133円を挟んでの保ち合い推移から、NY市場では前日のCPIに続いてこの日はPPIが市場予想を下回り、金利低下とドル安の流れが急進。133円40銭近辺から132円近辺まで急落後は、NY午後に132円80銭近辺まで反発もNY終盤には132円半ばへと収束。反発への勢いは失速し、90日移動平均線(132.76)を下抜けて20日移動平均線(132.10)には下値を支えられた格好となり、131円台前半から133円台後半までの保ち合いレンジ半ばに水準を切り下げて方向感喪失気味に。目先は米指標結果に一喜一憂しながらも横ばい推移傾向の展開にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/13終値とチャート
14日の国内金価格は+63円、0.67%高で6日続伸。4日連続で今年11回めの過去最高値更新。6日続伸は3月以来、1ヵ月ぶりで今年2度め。インフレ鈍化によるドル安円高を補って余りあるNY金の急騰に押し上げられる堅調局面が継続。RSIは76.0となり、3月20日(82.2)以来1ヵ月ぶりの高水準。価格水準が現状維持でも週明けには80台へと一段高となる見込み、急反落警戒感も一段高へ。目先の下値サポートは9日移動平均線(9348)、その下は2月安値(8605)から4月高値までの23.6%戻し(9285)近辺。
週間ベースでは+213円、2.29%高で5週続伸。5週続伸は1月に続いて今年2度め。
プラチナ価格は+132円、2.81%高で3日続伸。1月12日(4900)以来、3ヵ月ぶりの高値。上げ幅としては今年の絶対値平均48円の2.75倍、年末年始の1月5日(+196円、4.14%)以来、3ヵ月ぶりで今年2番めの急騰。4640円の節目突破に伴う短期上値目標4700円台に到達。さらにNYプラチナの一段高に押し上げられ、勢い余って多少の行き過ぎ目安4800円近辺にもしっかり到達。当面の下値サポート候補は2月安値(4289)からここまでの23.6%戻し(4703)から、38.2%戻し(4624)近辺。
週間ベースでは+213円、4.51%高で3週続伸。11月7日からの週(+332円、7.00%)以来、5ヵ月ぶりの大幅高。3週続伸は昨年9月以来、7ヵ月ぶり。
※参考:金プラチナ国内価格4/14とチャート
2023年4月14日(金)時点の相場
国内金:9,495 円 4/14(金) ▲63(0.67%)
国内プラチナ:4,831 円 4/14(金) ▲132(2.81%)
NY金:2,055.3 ドル 4/13(木) ▲30.4(1.50%)
NYプラチナ:1,065.5 ドル 4/13(木) ▲38.0(3.70%)
ドル円:132.57 円 4/13(木) ▼0.58(0.44%)
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