更新日:2023年4月21日(金)
NY連銀、フィラデルフィア連銀の製造業景況指数はいずれも3月には低調な事前予想をさらに大きく下回る低調な結果となったのに対し、NY連銀の4月は予想外の大幅上ブレで急回復を示唆。フィラデルフィア連銀も追随?かと思いきや、こちらは4月に予想以上の大幅悪化となってNY連銀とは逆行。ドル高基調は巻き戻され、2000ドルの大台割れも意識されていたNY金は反発へ。
4月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は-31.3となり、市場予想の-19.3を大幅に下回り、3月の-23.2からも-8.1の急低下。2020年5月(-43.2)以来、2年11ヵ月ぶりの低水準、コロナ後最低に。また、8ヵ月連続のマイナス圏推移となって6ヵ月平均では-19.5となり、2009年7月(-21.3)以来、13年9ヵ月ぶりの低水準。
新規受注はコロナ後最低となった3月の-28.2から4月は-22.7へとやや改善も11ヵ月連続のマイナス圏推移でコロナ後2番めの低水準。出荷も-25.4から-7.3へと急回復もマイナス圏、コロナ後2番めの低水準。入荷遅延は-25.0で8ヵ月連続マイナス圏、金融危機の2009年3月(-30.2)以来、14年1ヵ月ぶりの低水準。
雇用指数はコロナ後最低となった3月の-10.3から-0.2へと急回復も2ヵ月連続マイナス圏、コロナ後でも3番めの低水準。
価格関連では仕入れ価格が8.2で2020年6月以来、2年9ヵ月ぶり低水準、販売価格が-3.3となって2年10ヵ月ぶり低水準。いずれも低下傾向が続いてインフレ鈍化をサポート。
今後の見通しを示す期待指数は3月の-8.0から4月は-1.5へと上昇も2ヵ月連続のマイナス圏と低調。設備投資予測は-5.4で2ヵ月連続マイナス圏、これも金融危機の2009年3月(-15.7)以来、14年1ヵ月ぶりの低水準。
そもそも今回の総合指数の落ち込みは、長期的に見るとリセッション入りを伴うレベルに達しています。
20日のNY金は+11.8ドル、0.59%の反発。アジア時間の2000ドル付近が安値となって反発局面を形成、ロンドン市場で2010ドル台を回復するとNY市場では米4月フィラデルフィア連銀製造業景況指数が予想外に落ち込み、失業保険申請件数も悪化したことを受けてドル安が進行した流れで一時2020ドルトライ、3月の中古住宅販売件数も低調となった直後には2020ドル台半ばまで上昇してこの日の高値。しかし2020ドルのレジスタンスを突破することはできず、前日反落分を取り戻すにとどまり、2000ドルから2020ドルまでの保ち合いレンジでくじら幕状態に。週末からFOMC前のブラックアウト期間となってやや動き難い展開も予想されるものの、保ち合い上方ブレイクとなれば今年最高値2060ドル台再トライへ、下方ブレイクの場合には調整局面拡大へ、2月安値(1810.8)から4月高値(2063.4)の38.2%戻し(1966.9)、さらには1960ドル前後までが下値目安に。
NYプラチナは+1.9ドル、0.17%高で4日続伸。昨年3月9日(1107.6)以来、1年1ヵ月ぶり高値水準にぴったり到達。前日の1100ドルの大台到達から、時間外には小幅調整となってロンドン序盤には1100ドル割れ、しかし1090ドル台半ばで切り返すとNY朝には1100ドル台を回復し、NY午後には1110ドルトライへ。高値では1110ドル台前半まで上昇し、1月の今年最高値(1117.0)にもあとわずか。ただし短期的には過熱感も高まり、調整圧力も強まりやすい状況に。この日の変動値幅18.0ドルは今年の平均29.8ドルの6割、今年4番めの小動きとなり、急騰後の一服を挟んで再び大幅変動も警戒される状況にも。調整目安としては2月安値(903.9)から4月高値(1112.5)の23.6%戻し(1063.3)や9日移動平均線(1058.4)も推移する1060ドル近辺も。
ドル円は46銭のドル安円高、0.34%の反落。東京朝に134円60銭台から90銭台まで上昇して高値をつけ、135円台再トライには失敗した格好となって反落。欧州時間にかけては134円半ばでの保ち合いから、NY朝にはフィラデルフィア連銀製造業景況指数の下振れなどを受けて134円80銭台から10銭台へと急落。3月の中古住宅販売件数も低調となってことでドル売り圧力がもう一段強まる展開も、下値サポート134円ラインで下げ渋るとNY終盤にかけて134円30銭台まで反発。目先、134円ラインから134円80銭までの小幅レンジで保ち合いを形成、134円を維持できなくなれば調整局面入り、短期的には133円割れへ。切り返して134円80銭超へと反発できれば上値トライ再開、136円台前半までが短期上値目標に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/20終値とチャート
21日の国内金価格は+5円、0.05%の小反発。過熱感を時間で解決しようかといわんばかりの高止まり。しかし短期トレンドは調整局面入り、突発的な押し上げ材料が無い限りは多少の調整も入りやすい状況に。9日移動平均線(9432)を割れて強気パーフェクトオーダーが崩れ、9420円の節目も割れると一段安へ、9350円程度までが短期下値目安も、少し深押しとなれば21日移動平均線(9296)も推移する9300円近辺までが意識される可能性も。
週間ベースでは-44円、0.46%安となって6週ぶりの反落。
プラチナ価格は-7円、0.14%安となって8日ぶりの反落。しかし7日合計472円の上昇幅に対する下げ幅はわずか1.5%にとどまって高止まり。過熱感解消に向けても焼け石に水の状態で80%超をキープ。適当な調整目安としては2月安値(4289)から4月高値(5087)の23.6%戻し(4899)、4900円近辺。
週間ベースでは+249円、5.15%高で4週続伸。昨年11月以来、5ヵ月ぶりの大幅高。4週続伸は昨年2月以来、1年2ヵ月ぶり。
※参考:金プラチナ国内価格4/21とチャート
2023年4月21日(金)時点の相場
国内金:9,451 円 4/21(金) ▲5(0.05%)
国内プラチナ:5,080 円 4/21(金) ▼7(0.14%)
NY金:2,019.1 ドル 4/20(木) ▲11.8(0.59%)
NYプラチナ:1,107.6 ドル 4/20(木) ▲1.9(0.17%)
ドル円:134.24 円 4/20(木) ▼0.46(0.34%)
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