更新日:2023年5月26日(金)
NY市場の時間帯に発表されたこの日の米経済指標は軒並み市場予想を上回る好結果。
1-3月期GDP改定値は前期比年率+1.3%。市場予想と速報の+1.1%を上回って上方改定。コアPCE改定値も前期比+5.0%となり、市場予想と速報の+4.9%を上回って上方改定。
また、4月のシカゴ連銀全米活動指数も0.07となって市場予想の-0.20を上回り、3ヵ月ぶりのプラス圏回復。
さらに新規失業保険申請件数も22.9万件となり、市場予想の24.5万件を下回り、前週分も下方改定され、4週移動平均は低下基調。継続受給者数も10週ぶり低水準へと減少。
リセッション懸念後退で追加利上げ観測に追い風、景気が減速せず、インフレも高止まり、雇用も悪化しないのはむしろ利上げ不十分との見方も台頭しそうな勢いでドル高をサポート。
ただし指標動向には微妙な一面も。
シカゴ連銀全米活動指数は、3ヵ月移動平均では6ヵ月連続のマイナス圏推移となり、経済活動は縮小基調が続いている状態を示唆。
やや下げ渋る状態にもなりつつあるものの、リセッション入り警戒水準とされる3ヵ月平均-0.7の少し手前で微妙な警戒感も継続。
また、GDPも連動性の強いISM製造業景況指数が3ヵ月平均では1-3月期の47.1から、4月も47.1となって2四半期連続の節目50割れでの推移。今後のGDP減速を示唆するような推移も継続中。
予想外に堅調な景気動向が追加利上げを肯定してしまう、微妙な状況も続きます。
25日のNY金は-20.9ドル、1.06%安となって4日続落。3月21日(1941.1)以来、2ヵ月ぶりの安値。時間外は1960ドルを挟んでの保ち合い、アジア時間には1950ドル台半ばで下げ渋り、ロンドン序盤には1960ドル台半ばで上げ渋り。NY朝には1-3月期GDP改定値やインフレ改定値などが上方改定され、4月シカゴ連銀全米活動指数は上振れ、失業保険申請件数も予想より減少し、米10年債利回り急騰とドル高の流れを受けて1940ドル近辺へと急落。自律反発では下値サポート1950ドル回復も一時的にとどまり、NY午後には1940ドル台前半、NY引け後には1940ドル近辺へ。90日移動平均線(1946.7)も割り込み、軟調局面がもう一段進行しやすい状況に。1950ドルの節目割れに伴う短期下値目安は11月安値(1618.3)と5月高値(2085.4)の38.2%戻し(1907.0)から1900ドルの大台近辺。
NYプラチナは-3.2ドル、0.31%安で3日続落。4月11日(1005.1)以来、1ヵ月半ぶりの安値。1020ドル台後半を中心に小幅揉み合い推移の展開、アジア時間には一時1020ドル近辺まで下げ、ロンドン市場でつけた高値は1030ドル台後半まで。NY市場にかけてやや上値を切り下げながら、下値も1020ドル台半ばまでで下げ渋り。変動値幅は16.6ドルにとどまり、今年の平均29.9ドルの半分強、今年3番めの小動き。1050ドル台の節目割れに伴う短期下値目安1000ドルの大台前後を目指す流れは90日移動平均線(1017.8)手前で一服も、これを下抜けると再加速の可能性も。
ドル円は59銭のドル高円安、0.42%の続伸となって昨年11月22日(141.22)以来、半年ぶりの高値。東京朝には米債務上限問題に伴う信用リスクからフィッチが格下げの可能性を指摘したことを受けて一時139円半ばから138円80銭台まで急落も、午後には139円70銭台まで反発。欧州時間での139円半ばの揉み合いを経てNY朝には米10年債利回り低下とともに139円10銭台まで下落。しかしNY朝には米1-3月期GDP改定値の上振れなど、一連の経済指標が予想を上回る好結果となったことを受けて139円80銭台まで急反発。NY午後には140円トライとなって高値では一時140円20銭台まで上昇。短期上値目標139円台後半到達後の勢いで140円の節目突破にも成功し、一定の達成感から今朝の東京市場では140円割れ。多少の調整は入りやすい状況にもなり、138円前後が当面のサポートに。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/25終値とチャート
26日の国内金価格は-33円、0.34%の続落で5月19日(9528)以来、1週間ぶり安値圏での一段安。それでも9520円台から9630円までの保ち合いレンジを維持し、右肩上がりの21日移動平均線(9546)も目先のサポート候補に。ただし保ち合い長期化とともに円安基調に一定の達成感、NY金には一段安への警戒感もあり、下方リスクへの警戒感も高まる状況に。21日線にサポートされず、9520円台の節目を割れると大幅調整への可能性、下値目安は9400円近辺。予想外の展開で9630円超へと切り返すことになった場合には想定以上の高値水準トライにも、9700円台半ば辺りまでが意識される可能性も。
週間ベースでは+31円、0.33%高で3週ぶりの反発。
プラチナ価格は+13円、0.26%高で3日ぶりの反発。5040円台の節目割れに伴う短期下値目安4900円を目指す流れはいったん小休止。ただし短期的な流れは変わらず、21日移動平均線(5063)を下抜けた9日移動平均線(5056)が当面の抵抗水準にも。あらためて4960円台を割れると下値トライ再開、短期下値目安は4920円近辺。
週間ベースでは-67円、1.33%の続落。
※参考:金プラチナ国内価格5/26とチャート
2023年5月26日(金)時点の相場
国内金:9,559 円 5/26(金) ▼33(0.34%)
国内プラチナ:4,981 円 5/26(金) ▲13(0.26%)
NY金:1,943.7 ドル 5/25(木) ▼20.9(1.06%)
NYプラチナ:1,026.3 ドル 5/25(木) ▼3.2(0.31%)
ドル円:140.05 円 5/25(木) ▲0.59(0.42%)
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