更新日:2023年7月6日(木)
世界同時高インフレは昨年末までにほぼピークアウト、今年のトレンドとしては年初からインフレ鈍化が進行中。
5月時点でのOECD加盟国のインフレ率は前年比+6.51%。ピークとなった2022年10月(10.69)から7ヵ月連続の低下で1年半ぶりの低水準。ただし2000年以降の長期平均+2.77%からは大幅上方乖離の状態。
5月時点でOECDのインフレ率を上回る高インフレとなっている主な国としては、英国の前年比+7.85%。ピークとなった昨年10月(9.61)から6ヵ月連続の低下で1年ぶり低水準となった4月(7.82)からは上昇。※長期平均は2.35%。
OECDに次ぐ高インフレとなっているのはドイツで+6.10%。昨年10月(8.82)をピークに鈍化基調で直近は3ヵ月連続低下、1年2ヵ月ぶりの低水準。※長期平均:1.83%。
ユーロ圏も5月は前年比+6.10%。昨年10月(10.64)をピークに鈍化基調、1年3ヵ月ぶり低水準。※長期平均:2.12%。
G20では+5.93%。昨年9月(9.51)がピークとなり、8ヵ月連続の低下で1年半ぶ低水準。※長期平均:3.61%。
比較的インフレ率低下が先行しているのは米国で+4.05%。ピーク時期も先行し、昨年6月(9.06)。その後は11ヵ月連続の低下で2年2ヵ月ぶり低水準。※長期平均:2.54%。
韓国は+3.32%。昨年7月(6.34)がピークで鈍化傾向、直近は4ヵ月連続の低下で1年7ヵ月ぶり低水準。※長期平均:2.49%。
ピークが最も遅く、最も低い水準にとどまっているのが日本で5月は+3.24%。今年1月(4.39)がピークとなり、4ヵ月連続の低下で8ヵ月ぶりの低水準。※長期平均:0.25%。
なお、ドイツでは6月速報値が発表されており、前年比+6.40%と反発。
5月時点で最も高インフレの英国の高止まりと、最も低インフレの日本の下げ渋りと合わせ、気になる兆候とも言えそうです。
この日発表されたユーロ圏総合PMIの6月改定値は49.9となり、半年ぶりの節目50割れ。インフレ率低下と景気悪化とのせめぎ合いも続きます。
5日のNY金は週初から-2.4ドル、0.12%安となって3営業日ぶりの反落。1930ドル台を中心とした保ち合い推移からNY朝には一時1940ドル台まで上昇。6月26日(1943.4)以来10日ぶり高値をつけて失速すると、米10年債利回りが4ヵ月ぶり高水準となる3.93%台へと上昇した流れに連れて戻り売り。1930ドル台の節目超えでの上値の重さも確認し、NY午後には1930ドル割れ。NY引け後のFOMC議事要旨でのタカ派的な見解も意識されて1920ドル台前半へと一段安。1910ドル台から30ドル台までの保ち合い上抜けトライ1回めは失敗も、タイミング的には妥当か。明確なトレンド形成は週末の雇用統計確認後、上抜け成功なら1960ドル近辺までが目先の上値目安、下抜けの場合には1880ドル近辺までが下値目安に。
NYプラチナは+9.0ドル、0.98%高で3日続伸。6月27日(928.5)以来、1週間ぶりの高値。3日の時間外に920ドル近辺から930ドル台半ばまで上昇し、高値をつけて失速。930ドルの節目超えでの上値の重さを確認する格好にもなり、4日の時間外から5日NY市場にかけては高値でも930ドル手前まで。ただし安値もNY市場での910ドル台半ばまでにとどまり、900ドルから930ドルまでの安値保ち合いレンジ内の上半分での推移に終始。週末に上抜けできれば4月高値(1148.9)と6月安値(894.2)の23.6%戻し(954.3)近辺から20日移動平均線(961.8)付近までを短期目安に反発局面形成へ。
ドル円は21銭のドル高円安、0.15%の反発。週初の小幅反落分を取り戻し、今年高値圏での団子天井への警戒感を抱えながらの小幅保ち合い継続。NY朝には144円付近まで下げながらも、米10年債利回り上昇に追随する格好にもなって反発するとNY午後にはタカ派的なFOMC議事要旨にもサポートされて144円70銭近辺まで上昇。週末に144円30銭割れへと向かえば団子天井となって一定の下落局面形成となる可能性も、短期的には143円近辺までが下値目安に。逆に144円80銭超へと抜け出す展開となれば踊り場からの一段高へ、短期的には介入警戒感に怯えながら146円付近を目指す流れに。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/5終値とチャート
6日の国内金価格は-57円、0.58%安となって5日ぶりの反落。9700円の節目上抜けに伴う短期上値目標9770円程度到達による達成感からの調整反落で6月30日(9701)以来、1週間ぶりの安値。過去最高値となった7月高値から7月安値へと乱高下気味の展開となり、不安定な状態での高値保ち合いに。雇用統計後に上値再トライとなった場合の上値目安としては6月高値(9762)から6月末安値(9631)の150%戻し(9828)近辺まで。9670円の節目割れとなれば調整局面入り、9580円程度までが短期下値目安に。
プラチナ価格は-15円、0.32%安で3日ぶりの反落。当面の底打ち確認に向けた最初のポイント、9日移動平均線(4607)の早期上抜けに成功したところで失速、9日線にサポートされてなんとか下げ渋った格好にも。目先、4630円超へと抜け出すことができれば上値トライ再開へ、4680円台辺りまでが短期上値目標に。ただし4550円割れなら下値トライ再開、4500円近辺までが下値目安に。
※参考:金プラチナ国内価格7/6とチャート
2023年7月6日(木)時点の相場
国内金:9,715 円 7/6(木) ▼57(0.58%)
国内プラチナ:4,609 円 7/6(木) ▼15(0.32%)
NY金:1,927.1 ドル 7/5(水) ▼2.4(0.12%)
NYプラチナ:925.0 ドル 7/5(水) ▲9.0(0.98%)
ドル円:144.67 円 7/5(水) ▲0.21(0.15%)
Copyright(C) Let's GOLD