更新日:2023年7月12日(水)
ドイツの7月ZEW景況感指数は期待指数が-14.7となり、12月(-23.3)以来7ヵ月ぶりの低水準。
現況指数は-59.5となり、6月(-56.5)からさらに低下し、10ヵ月ぶり高水準となった4月(-32.5)からは3ヵ月連続の低下。これも12月(-61.4)以来、7ヵ月ぶりの低水準。
現況指数は2021年12月以降、1年8ヵ月連続のマイナス圏推移となり、長期平均-9.4を下回るのは1年5ヵ月連続。低迷状態が続きます。
ユーロ圏と米国における短期金利の上昇予想や中国の景気回復の遅れなどを背景に、ドイツでは今後さらなる景気悪化が見込まれています。
これに同調するように、ドイツでは消費者物価も下げ渋りとなっています。
6月のCPIは前年比+6.38%となり、1年2ヵ月ぶり低水準となった5月(6.10)から上昇。昨年秋の8.8%台でピークアウトしたインフレは鈍化傾向が続きながら、ここにきて再加速。
2021年夏以降は、インフレ加速とともにZEW景況感の現況指数も悪化、インフレピークとなった2022年秋にはZEWの現況も底打ち、インフレ鈍化とともにZEW現況指数は回復基調となっていましたが、ここに来てインフレ指数の下げ渋りとともにZEW景況感指数も再び急速に悪化傾向に。
インフレ最大の要因は食品で6月は前年比+13.66%。ピークとなった今年3月(22.31)からは急低下も依然、高水準。
エネルギー価格は2年3ヵ月ぶり低水準となった5月(2.59)から6月は+3.01%へと上昇。昨年までの30%台のハイパーインフレは収束。
なお、エネルギー価格のインフレ急減速については前年からのベース効果が大きく、ロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギー価格の急騰に対し、電力や天然ガス、地域暖房価格の引き下げなど連邦政府の緩和政策もインフレ鈍化に影響。
このエネルギー価格を除くと、6月のインフレ率は前年比+6.7%。エネルギー価格と食品価格を除くコアインフレ率は+5.8%。
これも5月は前年比+5.4%で、6月に再加速。
11日のNY金は+6.1ドル、0.32%の反発で6月21日(1944.9)以来、3週間ぶりの高値。時間外序盤の1930ドル付近からアジア時間には米10年債利回り低下に連れて堅調推移、高値では1940ドル台半ばまで急騰し、ロンドン市場でも1940ドル台を維持しながらも1945ドルに届かず、NY市場にかけては米10年債利回り反発に連れて1940ドル割れへ。過去2ヵ月の抵抗線となってきた20日移動平均線(1939.2)上抜けは上ヒゲのみにとどまり、上抜け再トライはCPI確認後へ持ち越し。インフレ鈍化が想定以上なら追加利上げ観測後退とともに20日線上抜け再トライへ、1930ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標、5月高値(2085.4)から6月安値(1900.6)の38.2%戻し(1971.2)付近を目指す流れ加速へ。想定外にCPI高止まりとなって巻き戻しの流れとなれば1910ドル台が重要なサポート、これを維持できない場合には下値トライ再開、当面の下値目標は2月安値(1810.8)から5月高値(2085.4)の76.4%戻し(1875.6)近辺へ。
NYプラチナは-2.4ドル、0.26%安で3日ぶりの反落。930ドルの節目を上抜けた前日からの流れが続いたアジア時間には、930ドル台から940ドル台へと一段高。過去2ヵ月、上値を押さえられ続けた20日移動平均線(942.1)をわずかに上抜けも一時的にとどまり、NY朝にも上抜け再トライに失敗すると急反落。NY市場での安値は一時930ドル割れも、NY午後にかけて930ドル台はなんとか維持した格好。930ドルの節目上抜けを維持し、これに伴う短期上値目標4月高値(1148.9)から6月安値(894.2)の23.6%戻し(954.3)近辺を目指す流れ継続の構え。
ドル円は96銭のドル安円高、0.68%安で4日続落。6月15日(140.28)以来、ほぼ1ヵ月ぶりの安値圏へ。東京市場スタート時の141円40銭台が高値となり、軟調推移継続。141円を割れると午後には140円70銭台を中心に横ばい推移も欧州時間には140円10銭台まで下げてこの日の安値。NY朝には米10年債利回り上昇局面に連れて140円90銭台まで反発も、141円ラインに抵抗感。戻り売りとなってNY午後には140円30銭台へ。今朝の東京市場では139円台半ばへと一段安。3月安値(129.64)から6月高値(145.07)の38.2%戻し(139.18)が目先のサポートとなるかどうか。この水準から139円前後は強めのサポート候補となる反面、割り込むようだとさらに大きく崩れる可能性も、61.8%戻し(135.53)近辺までが下値目安に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/11終値とチャート
12日の国内金価格は-58円、0.61%安となって5日続落。4月28日(9350)以来、2ヵ月半ぶりの安値。5日続落は今年最長で昨年12月以来、7ヵ月ぶり。9670円の節目割れに伴う短期下値目安、6月安値(9568)付近となる9570円近辺到達後も下げ止まらず、最高値圏で形成したダブルトップからの下値目安9500円、4月末安値(9341)から7月高値(9772)の61.8%戻し(9506)近辺に到達。値幅、水準的には下げ止まりやすい頃合いながら、円高主導による急落局面終息に向けてはドル円の動向次第。CPI鈍化なら一段安への警戒感も、行き過ぎ警戒水準としては76.4%戻し(9443)、上昇軌道の90日移動平均線(9423)など。
プラチナ価格は-57円、1.25%の反落で4日ぶりの反発となった前日上昇分を帳消し。右肩下がりの9日移動平均線(4560)を上抜けできず、下落トレンド脱却にも失敗、2月安値(4289)から5月高値(5197)の76.4%戻し(4503)近辺へと逆戻り。目先、4500円の節目割れなら一段安へ、短期的には4450円程度までが下値目安に。4570円超へと切り返すことができれば反発再トライ、4630円近辺までが上値目標に。
※参考:金プラチナ国内価格7/12とチャート
2023年7月12日(水)時点の相場
国内金:9,504 円 7/12(水) ▼58(0.61%)
国内プラチナ:4,507 円 7/12(水) ▼57(1.25%)
NY金:1,937.1 ドル 7/11(火) ▲6.1(0.32%)
NYプラチナ:932.4 ドル 7/11(火) ▼2.4(0.26%)
ドル円:140.36 円 7/11(火) ▼0.96(0.68%)
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