更新日:2023年7月11日(火)
鈍化継続が予想される米6月CPI発表直前、NY連銀6月消費者調査での1年先インフレ期待は3.83%。5月の4.07%から一段と低下し、3ヵ月連続の低下で2021年4月(3.36)以来、2年2ヵ月ぶりの低水準。
4%を下回るのも2年2ヵ月ぶりで、ピークとなった昨年6月の6.78%からは急低下の流れが継続。
ただ、3年先のインフレ期待は2.95%となり、5ヵ月ぶり高水準となった5月の+2.98%からはわずかに低下も、12月に3%を割れて以降は下げ渋りの状態。
なお、ミシガン大の1年先インフレ期待も6月は3.3%となり、5月の4.2%から急低下、2021年3月(3.1)以来2年3ヵ月ぶりの低水準。
ミシガン大の5年先インフレ期待は6月に3.0%となり、こちらは2021年後半以降、3%近辺での小康状態が継続中。
NY連銀、ミシガン大ともに1年先のインフレ予想は低下傾向が急速に進行しながらも、もう少しの下げ余地を残す状態。
数年先のインフレ見通しは3%付近で安定推移の状態に。
NY連銀の1年先のインフレ不確実性を示す指数も6月は3.64となり、2021年4月以来2年2ヵ月ぶりの低水準。昨年6月のピーク4.66からは急速に低下も、2018-19年平均2.23はまだ大きく上回る水準。
なおNY連銀調査で、1年後の失業率が現在よりも高くなると思う人の割合は37.73%。1年2ヵ月ぶりの低水準となり、過去平均37.27にもあとわずか。利上げによる悪影響への警戒感も急速に後退してきているようです。
10日のNY金は週末からわずかに-1.5ドル、0.08%の小反落。週明け時間外序盤につけた高値は1933.7ドル、1930ドル付近での小動きからNY朝には一時1920ドル割れも下に行って来い。米10年債利回りが4%台で乱高下となった後、4%割れへと低下した流れに連れてNY午後には1930ドルを回復。下ヒゲ十字線を形成して下げ渋り、1910ドル台から1930ドルまでの安値保ち合いレンジをわずかに上抜けの兆し、という状態もキープした格好に。力強さには欠けるものの、底打ち・反転への可能性は徐々に高まる状況にもなり、5月高値(2085.4)から6月安値(1900.6)の38.2%戻し(1971.2)付近までを短期上値目標に上値トライへのチャンスをうかがう展開にも。なお、1910ドル台の下値サポートを維持できなくなるようだと反発トライ失敗、下値トライ再開で2月安値(1810.8)と5月高値(2085.4)の76.4%戻し(1875.6)近辺までが下値目標に。
NYプラチナは+16.3ドル、1.77%の続伸で6月21日(949.0)以来、半月ぶりの高値。アジア時間には920ドル近辺から910ドル近辺まで下押し後に反発、NY朝には920ドル台後半まで上昇し、910ドル台前半までの反落を挟んで930ドル台へ、NY午後には930ドル台後半へと一段高。900ドルから930ドルまでの保ち合いを上抜け、鍋底からの反発トライへ。20日移動平均線(946.1)をしっかり上抜けると4月高値(1148.9)から6月安値(894.2)までの23.6%戻し(954.3)近辺までが短期上値目標に。
ドル円は78銭のドル安円高、0.55%安で3営業日続落となって6月15日(140.28)以来、3週間ぶりの安値。東京市場朝はに株高の流れにも追随する格好となって堅調推移、142円10銭台から昼過ぎには143円トライ。これが高値となって失速すると欧州時間には142円台半ばで保ち合い推移、NY市場では米10年債利回り低下に連れて141円台半ばへと下落。NY連銀のインフレ期待が一段と低下したこともあり、NY午後には141円20銭台まで下落。6月安値(138.38)から6月高値(145.07)の半値戻し(141.73)を達成してなお下げ止まらず、61.8%戻し(140.94)近辺でサポートされるかどうか、もう一段の行き過ぎなら76.4%戻し(139.96)近辺も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/10終値とチャート
11日の国内金価格は-56円、0.58%安となって4日続落。5月26日(9559)以来、1ヵ月半ぶりの安値。9670円の節目割れに伴う短期下値目安、6月安値(9568)付近となる9570円近辺にしっかり到達。短期的には高値圏での二番底、ダブルボトムの可能性も残す形となって急落局面一服となりやすい状況にも。その反面、最高値圏でのダブルトップを形成して一段安トライの途中、との見方も。短中期的にはダブルトップからの下値目安9500円、4月末安値(9341)から7月高値(9772)の61.8%戻し(9506)近辺までがもう一段の下値警戒水準にも。
プラチナ価格は+58円、1.29%高で4日ぶりの反発。4550円の節目割れに伴う短期下値目安、2月安値(4289)から5月高値(5197)の76.4%戻し(4503)近辺に到達し、調整一服となっての切り返し。下落トレンド継続中の戻り局面に終わらない為には右肩下がりの9日移動平均線(4570)上抜けが必須、これを超えると下落局面脱却をかけて4620円台の節目との攻防へ。これも上抜けると局面打開、4680円程度までを目安に反発局面形成トライへ。
※参考:金プラチナ国内価格7/11とチャート
2023年7月11日(火)時点の相場
国内金:9,562 円 7/11(火) ▼56(0.58%)
国内プラチナ:4,564 円 7/11(火) ▲58(1.29%)
NY金:1,931.0 ドル 7/10(月) ▼1.5(0.08%)
NYプラチナ:934.8 ドル 7/10(月) ▲16.3(1.77%)
ドル円:141.32 円 7/10(月) ▼0.78(0.55%)
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