更新日:2023年7月27日(木)
7月FOMCでは、ほぼ規程路線となっていた0.25%の追加利上げを決定し、今後の見通しとしてはいつものデータ次第。追加利上げにも含みを残しながら、年内利下げの可能性についてはきっぱり否定。
これで米国の政策金利、FF金利は5.25-5.50%となり、2001年2月以来、22年5ヵ月ぶりの高金利時代に。
上限金利で比較すると、主要国のなかでは5月時点で5.50%に引き上げて7月には据え置きとしたニュージーランド準備銀行(RBNZ)に並ぶ高水準。なおRBNZとしては14年半ぶりの高金利。
それ以外では英BOEが6月時点で14年9ヵ月ぶり高水準となる5.00%まで引き上げた状態。ただし先日のインフレ指標が予想を下回ったことで次回8月初旬の会合では?
また、オーストラリア準備銀行(RBA)は6月時点で4.10%まで引き上げて11年2ヵ月ぶりの高金利。ただしこれも前日のインフレ指標が予想を下回り、次回以降の動きは微妙に。
ユーロ圏では、ECBが6月時点で4.00%まで引き上げ済で14年8ヵ月ぶりの高金利。本日の7月会合では追加0.25%利上げが予想され、そうなれば14年10ヵ月ぶりの高金利。ただし、同様に直近のインフレ指標では鈍化が進行しており、大所帯のECBでは打ち止め圧力も高まる状態。
主要国では10年超ぶりの歴史的高金利時代に突入し、インフレ鈍化とともに利上げ打ち止め観測が強まるフェーズへと移行し始めています。
26日のNY金は+6.4ドル、0.33%の続伸で7月20日(1970.9)以来、1週間ぶりの高値。サプライズなしと緩和傾斜を見込むFOMC待ちの時間外は1960ドル台から1970ドル台へと水準を切り上げ、若干の警戒感からNY市場では1970ドルを挟んでの保ち合い推移。NY引け後のFOMCでは既定路線の0.25%追加利上げを確認すると小幅に乱高下、パウエルFRB議長会見も想定の範囲内ながら、利上げ打ち止め観測が若干優勢となる勢いで1980ドルトライ。しかし、またしても90日移動平均線(1980.2)に上値を押さえられると1970ドル台前半へと失速。下限を1960ドルへと切り上げて1980ドル台までの保ち合いレンジを縮小してECB、日銀の動向も意識しながらのブレイク待ちへ。90日線を突破して上方向へと抜け出せば2000ドルの大台トライへ、1960ドル割れへと反落なら6月安値(1900.6)から7月高値(1989.8)の61.8%戻し(1934.7)近辺トライへ。
NYプラチナは-4.6ドル、0.47%の反落。アジア時間からロンドン序盤にかけての980ドルトライに失敗すると、これが高値となって戻り売り。ロンドン・NY朝にかけて970ドルを割れると前日安値も下回り、NY朝には一時わずかながらも960ドル割れ。7月13日(957.7)以来。2週間ぶり安値をつけて切り返すとNY午後には970ドル近辺、NY引け後のFOMC後には金の急騰に追随、970ドル台後半まで上昇。しかし、ここでもアジア時間での高値980ドル付近が重く、970ドル台半ばへと押し戻された格好に。下ヒゲを残しての切り返しで960ドルのサポートの堅さを確認も、上値は980ドルでの抵抗感が増す状態に。反発方向への流れにもやや失速感、980ドルを突破しても1000ドルの大台回復には時間を要する可能性も。960ドルを維持できなくなると反発局面腰折れ、当面の下値目安は6月安値(894.2)から7月高値(1003.7)の61.8%戻し(936.0)近辺まで。
ドル円は69銭のドル安円高、0.49%安で3日続落。7月20日(140.08)以来、1週間ぶりの安値。東京朝の小反発でつけた高値は141円10銭台まで、3日連続で上値を押さえられてきた右肩下がりの20日移動平均線(141.40)にも届かず失速。東京市場でこそ141円付近で下げ渋ったものの、東京市場終了とともに140円台半ばへと急落、欧州時間には140円20銭近辺まで一段安。日銀はYCCから脱却すべき、とのIMFの見解報道も材料視された可能性。NY午後には140円60銭台まで反発も、FOMC後のパウエルFRB議長会見を経て140円割れへと急反落。NY終盤には140円20銭近辺へと反発も、今朝の東京市場では再び140円割れトライの動きも。7月安値(137.24)から7月後半高値(141.95)までの38.2%戻し(140.15)近辺でいったん下げ止まりながらも、今朝時点で崩れ始めたことで61.8%戻し(139.04)近辺までが次の下値サポート候補。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/26終値とチャート
27日の国内金価格は-4円、0.04%の小反落。サプライズなしのFOMC通過でほぼ値動きなしの横ばい推移、最高値付近での高止まり状態を維持して週末の日銀会合待ちへ。トリプルトップ解消へ、9760円超へと抜け出すことができれば最高値を更新、9800円前後までが目先の上値目標に。下方向へ9700円の大台を割り込むようだとトリプルトップ(三尊天井)懸念継続で一段安へ、7月安値(9499)から三尊天井候補の右肩に位置する7月後半高値(9755)までの半値戻し(9627)辺りまでが短期下値目安に。
プラチナ価格は-24円、0.51%の反落。4730円の節目をわずかに上回って4800円の大台回復への可能性を示唆した動きはダマシに終わり、FOMC通過で巻き戻し。反発局面一服後の保ち合い形成延長戦となり、4700円から4740円までが目先の主要レンジに。あらためて保ち合い上放れとなれば一段高再トライ、5月高値(5197)から7月安値(4506)の半値戻し(4852)近辺までが短期上値目標jに。4700円の大台を割れると下値トライへ、7月安値から7月高値(4762)までの61.8%戻し(4604)近辺までが短期下値目安。
※参考:金プラチナ国内価格7/27とチャート
2023年7月27日(木)時点の相場
国内金:9,729 円 7/27(木) ▼4(0.04%)
国内プラチナ:4,714 円 7/27(木) ▼24(0.51%)
NY金:1,970.1 ドル 7/26(水) ▲6.4(0.33%)
NYプラチナ:972.0 ドル 7/26(水) ▼4.6(0.47%)
ドル円:140.24 円 7/26(水) ▼0.69(0.49%)
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