更新日:2023年8月24日(木)
米国の総合PMIは8月速報で50.4。市場予想の51.5を下回って3ヵ月続落、半年ぶりの低水準。新規受注は悪化し、賃金や資材コストは伸びが加速してインフレ鈍化一服の兆しとなり、製造業PMI(47.0)は4ヵ月連続の節目50割れ、サービス業PMI(51.0)は3ヵ月続落で半年ぶり低水準。
米国でも製造業PMIに続いて総合PMIも、サービス業PMIも節目50割れへの警戒感が高まる状況となり、ジャクソンホールを前に米長期金利は急低下、ドル安の流れも急速に強まり、NY金は急騰で反応。
欧州時間には、PMI悪化で先行するユーロ圏の結果を受けてドル高ユーロ安が急速に進行する場面も。
ユーロ圏の8月速報では、総合PMIが47.0。4ヵ月続落で2年9ヵ月ぶりの低水準。ドイツの総合PMIが44.7で4ヵ月続落、3年3ヵ月ぶり低水準となってユーロ圏の悪化を牽引。
サービス業PMIでは、ユーロ圏は48.3で4ヵ月続落、2年半ぶり低水準。
フランスが46.7で3ヵ月連続の節目50割れ、4ヵ月続落で2年半ぶり低水準となってユーロ圏のサービス業悪化を主導。ドイツも47.3となって3ヵ月続落で8ヵ月ぶりの50割れ、9ヵ月ぶり低水準でフランスを猛追。
製造業PMIではユーロ圏とドイツが14ヵ月連続節目50割れの低迷状態は続くものの、いずれも7ヵ月ぶりの反発で底打ちの可能性も示唆。
8月のユーロ圏企業活動は急縮小となり、景気後退局面は製造業からサービス業へも拡大した格好に。
いすれも需要低下と先行き見通し悪化を背景に企業の生産能力拡大への消極的な姿勢が強まり、雇用は失速寸前。また、賃金上昇圧力などから8月は米国と同様、インフレ鈍化一服の兆しも。
製造業PMIの低迷をサービス業PMIが下げ渋って支えていた構図が崩れ始める状況も、ユーロ圏から米国へと伝播しつつあるようです。
23日のNY金は+22.1ドル、1.15%の大幅高となって4日続伸で8月10日(1948.9)以来、2週間ぶりの高値。上げ幅は前日まで3日合計の倍以上となり、躊躇しながらの反発局面がこの日のNY市場で急加速。ロンドン市場までの1930ドル台前半での小幅保ち合いから、NY朝には米8月PMI速報の悪化を受けて米長期金利急低下とドル安急進となった流れで1940ドル台後半へと急騰。NY午後につけた高値は1950ドル寸前まで。9日移動平均線(1931.4)を上抜けて急加速した流れは20日移動平均線(1953.3)手前でいったんストップ。7月高値(2010.9)から8月安値(1913.6)の38.2%戻し(1950.8)にも相当。ジャクソンホール後に一段高となれば90日移動平均線(1970.7)、61.8%戻し(1973.7)などが意識される可能性も。
NYプラチナは+12.7ドル、1.37%の続伸で8月1日(940.4)以来、3週間ぶりの高値。920ドル台後半から930ドル近辺での保ち合い推移から、NY市場では金の急騰局面に追随し、940ドル台へと上昇。NY午後には940ドル割れも、NY引けにかけても930ドル台後半での推移。920ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標、7月高値(1003.7)から8月安値(882.6)の半値戻し(943.2)近辺に到達し、940ドル前後を維持して一服状態に。週末にかけてもう一段の上値トライとなった場合には、8月高値圏960ドル台辺りまでが意識される可能性も。
ドル円は101銭のドル安円高、0.69%の続落で8月10日(144.76)以来、2週間ぶりの安値。欧米の8月PMIの悪化を受けてドル安円高の流れに。145円60銭台を中心に小幅もみ合い推移となった東京時間を経て、欧州時間にはドイツのサービス業PMIが想定外の悪化となったことを受けて小幅に急落、145円20銭台まで軟調推移となってNY市場へ。今度は米国の8月PMIも低調となったことを受けて米長期金利の急低下とともに145円割れへと急落。NY午後には144円50銭台では下げ渋る展開に、今朝の東京市場では145円を回復する場面も。日足レベルでは9日移動平均線(145.62)を割り込んで高値保ち合い崩れの形となり、もう一段の調整が進行しやすい状況に、145円30銭の節目割れに伴う短期下値目安は144円近辺まで。当面の抵抗水準は146円40銭。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/23終値とチャート
24日の国内金価格は+25円、0.26%の反発で8月2日(9803)以来、3週間ぶりの高値。横ばい推移の21日移動平均線(9723)から上方乖離し始めた9日移動平均線(9731)にもサポートされる形となり、高値更新トライ前の小康状態から抜け出し始めた格好に。フライング気味に9760円の節目上抜けの兆しとなり、一段高への流れがスタートした可能性。週末にNY金が一段高へと向かうことを前提に、短期上値目標は過去最高値(9831)を更新して9850円台辺りまで。一時的な上ブレに終わって9730円の下値サポート割れへと反落の場合には調整局面入り、下値目安は7月安値(9499)から最高値(9831)の61.8%戻し(9626)辺りまで。
プラチナ価格は+12円、0.26%高となって5日続伸。8月1日(4712)以来、3週間ぶり高値圏での一段高となって4590円の節目上抜けに伴う短期上値目標、8月高値圏4700円台回復を達成。5日続伸は4月以来、4ヵ月ぶりで今年3度め。目先は一服感からの調整も想定可能な反面、金価格が一段高となって追随する展開となれは、週をまたいで7月高値圏、4760円台辺りまでが意識される可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格8/24とチャート
2023年8月24日(木)時点の相場
国内金:9,760 円 8/24(木) ▲25(0.26%)
国内プラチナ:4,707 円 8/24(木) ▲12(0.26%)
NY金:1,948.1 ドル 8/23(水) ▲22.1(1.15%)
NYプラチナ:938.2 ドル 8/23(水) ▲12.7(1.37%)
ドル円:144.86 円 8/23(水) ▼1.01(0.69%)
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