更新日:2023年10月11日(水)
NY連銀の9月消費者調査でインフレ期待は上昇。
1年先のインフレ期待中央値は前年比+3.67%。8月の+3.63%から小幅に上昇し、2年3ヵ月ぶり低水準となった7月(3.55)からは2ヵ月連続の上昇で3ヵ月ぶりの高水準。
3年先のインフレ期待は+3.00%。5ヵ月ぶり低水準となった8月(2.79)からは0.21%の反発、11ヵ月ぶりの高水準。
ミシガン大の1年先インフレ期待が8月の3.5%から9月速報で3.2%、2年半ぶり低水準となり、5年先インフレ期待も3.0%から2.8%へと低下して1年ぶり低水準となったのとは対照的。
それでも1年先のインフレ期待は両者ともにコアPCEに追随する形で低下基調が続く状況は同じ。長期インフレ期待が3%近辺で概ね横ばい推移となる状況も同様。
なお、インフレ不確実性指数は1年先が7-8月の3.44から9月は3.50へと上昇。2年3ヵ月ぶり低水準から3ヵ月ぶり高水準へと反発。
3年先は2年4ヵ月ぶり低水準となった8月の3.22から9月は3.31へと反発。
インフレ見通しにおいては、若干の不透明感も残る状況。
また、失職後3ヵ月で新たな職を見つけられる可能性は8月の55.71%から9月は56.47%へと小幅に急騰、半年ぶり高水準に。その一方で1年後の失業率が現在よりも上昇する可能性は9月に40.06%。1年3ヵ月ぶり低水準となった7月(36.74)からは続伸で5ヵ月ぶりの高水準。
労働市場はそれなりに抑制的となるものの、それほど極端な悪化は想定しておらず、FRBの利上げ効果が適度に反映される状況となってきている様子。
10日のNY金は+11.0ドル、0.59%高で3日続伸。9月28日(1878.6)以来、2週間ぶりの高値。前日NY引け後に1875ドルまで上昇した状態からは実質横ばい推移。時間外序盤に1880ドル手前まで小幅に上昇して高値をつけ、ロンドン・NY朝にかけてはゆるやかに軟調推移。それでも1860ドル台半ばでは下げ渋り、アトランタ連銀ボスティック総裁の「これ以上の利上げは必要ない」発言などを受けてドル安の流れとなったNY午後にかけてはに1870ドル台へと小反発。5月の今年高値(2085.4)から10月安値(1823.5)の23.6%戻し(1885.3)手前でいったん上値を押さえられ、急反発後に十字線を形成しての一服状態に。目先、インフレ指標を確認してもう一段の反発継続か、反落か、という状況に。23.6%戻しをクリアできれば1900ドルの大台回復トライへと向かう可能性も。反落の場合には9日移動平均線(1853.9)がサポート候補に。
NYプラチナは+1.4ドル、0.16%の小幅高で3日続伸。9月29日(915.9)以来10日ぶり高値圏での堅調推移。前日NY引け後に上昇した890ドル台半ばからは実質小反落。アジア時間には900ドル付近まで上昇してこの日の高値、大台回復には失敗した格好となって抵抗感を残した状態で反落すると、ロンドン・NY朝にかけて890ドル割れ。NY引け後には880ドル台後半での推移。目先、下値サポート候補となる9日移動平均線(888.3)との攻防となり、これを維持できれば900ドルの大台回復再トライへも、維持できないようだと反落警戒感が徐々に強まる状態にも。
ドル円は19銭のドル高円安、0.13%の小反発。東京朝には148円50銭台から10銭台へと軟調推移、この日の安値をつけて切り返すと午後には148円70銭台、東京市場終了後には149円台まで上昇。149円割れへと小反落となった欧州時間を経て、NY朝には149円台を回復して上値再トライ。しかし前日高値手前、149円10銭近辺で上値を押さえられ続けられて失速、NY午後には148円50銭台まで軟調推移。アトランタ連銀ボスティック総裁のハト派発言などが重石となった様子も、前日に続いて148円50銭の節目近辺では下げ渋る格好に。目先、インフレ鈍化が予想以上となれば節目割れトライへ、短期下値目安は7月安値(137.24)から10月高値(150.16)の23.6%戻し(147.11)近辺、147円付近まで。逆に上方向への節目149円30銭超へと切り返すことができれば150円台半ば辺りまでを短期上値目標に今年高値更新トライへ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/10終値とチャート
11日の国内金価格は10日ぶりの反発で今年最大の急騰となった前日から変わらず、9724円で横ばい推移。9月最高値(10063)から10月安値(9512)の38.2%戻し(9722)を達成しての一服状態をキープ。9日移動平均線(9676)超えと90日移動平均線(9745)手前の水準も維持し、居心地の良い水準での様子見状態に。目先、9日線をサポート候補に90日線を突破できれば50%戻し(9788)近辺までが次の上値目安に。90日線がレジスタンスとなって9日線割れなら23.6%戻し(9642)近辺が下値目安候補に。
プラチナ価格は-41円、0.89%の反落。下落基調の9日移動平均線(4607)がレジスタンスとなって4600円の大台割れ、再び弱気パーフェクトオーダーを構成して下押し圧力再燃への警戒感も。目先、大台回復と9日線を再度上抜け、4630円の節目を突破できれば反発局面再開へ、8月末高値(4965)から10月安値(4484)の38.2%戻し(4668)から4700円付近までが短期上値目標に。下方向へは4500円がサポート候補。
※参考:金プラチナ国内価格10/11とチャート
2023年10月11日(水)時点の相場
国内金:9,724 円 10/11(水) +-0(0.00%)
国内プラチナ:4,584 円 10/11(水) ▼41(0.89%)
NY金:1,875.3 ドル 10/10(火) ▲11.0(0.59%)
NYプラチナ:890.2 ドル 10/10(火) ▲1.4(0.16%)
ドル円:148.71 円 10/10(火) ▲0.19(0.13%)
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