更新日:2023年11月1日(水)
金融政策としては無風通過が予想される11月FOPMC直前。市場予想としても追加利上げは見送りでFF金利据え置きが濃厚、という状況は従来から変わらず。
年内据え置き予想と2024年前半までのFF金利の現状水準(525-550)維持予想もほぼ変わらず。ただし、1ヵ月ほど前と比較すると、わずかながら利下げ予想も見られ始める状況となり、市場予想としては若干ハト派方向へとシフトした格好。
中央値でみた場合の来年利下げ開始時期予想としては、以前の7月から6月へと前倒し。ただパーセンテージは微妙に接戦状態となり、今後の変動も予想されるところ。
現時点での2024年末FF金利予想としては450-475(中央値4.625%)。0.25%利下げ×3回が市場予想中央値。9月FOMC予想中央値5.125%とは-0.5%の下方乖離。
9月時点でのFRBの予想を、利下げ2回分多く想定する市場予想は以前から、現在まで変わらず。
なお、2024年末FF金利予想では、FRBの予想(FOMC予想中央値)は6月時点での4.625%から9月に0.5%引き上げており、市場予想はこれに追随しなかった状態が継続。
今後、年末に向けて市場予想がFRBの予想に近づいて行くのか、FRB側が再度予想を引き下げて市場に歩み寄るのか、そのヒントが今回のFOMCで示されるかも?しれません。
31日のNY金は-11.3ドル、0.56%安で5日ぶりの反落で10月24日(1986.1)以来、1週間ぶりの安値。アジア時間には2000ドル近辺まで小幅に下押し後、ロンドン市場にかけては米10年債利回り低下とドル安の流れに連れて2010ドル台へと上昇。高値では前日高値をわずかに上回るも27日高値には届かず、2020ドル手前で失速すると米長期金利上昇とドル高の流れに連れて急反落。NY午後には2000ドルの大台割れ、安値では一時1990ドル割れを試して1990ドル台前半へと自律反発。2000ドルの節目突破に伴う短期上値目標2020ドル付近再トライをこなし、FOMC前に一服状態に。1980ドルから2010ドルまでが目先の主要レンジとなり、FOMCを無風通過となればいったん保合い傾向にも。ただし週末にかけては米雇用関連、ISM指標など重要指標の結果次第で振らされる展開にも。上方向に抜け出せば2030ドル程度まで、下方向には1960ドル程度までが短期変動目安に。
月間では+128.2ドル、6.87%高で3ヵ月ぶりの反発。3月(+149.5ドル、8.14%)以来7ヵ月ぶりで今年2番めの大幅高。
NYプラチナは+5.0ドル、0.53%の続伸で9月19日(948.4)以来、6週間ぶりの高値。時間外は940ドル近辺での小幅保合い、ロンドン・NY市場にかけて徐々に水準を切り上げて高値では950ドル台前半まで上昇。しかしNY午後には金の急反落にも追随する格好となり、940ドル台前半へと巻き戻し。910ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標930ドル台到達後の一服状態となるなかでも若干水準を切り上げる格好に。引き続き90日移動平均線(924.9)が目先のサポート候補となり、短中期的、あるいは短期的でもやや行き過ぎとなった場合には8月高値圏980ドル付近までが次の上値目標にも。
月間では+29.0ドル、3.17%の反発。
ドル円は263銭のドル高円安、1.76%高で3日ぶりの反発。NY終値ベースでは1990年6月29日(152.35)以来、33年4ヵ月ぶりの高値。上げ幅としては2月3日(+247銭、1.92%)以来、9ヵ月ぶりで今年2番めの急騰。東京朝の149円台前半での推移から、日銀のYCC運用再調整を受けて150円回復トライへと急騰。前日のリーク報道どおりの結果を受け、噂で売られた分を事実確認で買い戻す展開となり、午後の時間帯も堅調推移。欧州時間には財務省の為替介入額ゼロ円報道を受けて150円台後半へと一段高。NY市場では雇用コスト指数など米指標の好結果にもサポートされて151円70銭台まで上昇。149円50銭の節目割れに伴う短期下値目安148円付近を目指した流れは前日安値148円80銭近辺までで折り返し、巻き戻しの流れでは上方向への節目150円40銭を突破したことで短期上値目標152円付近を目指す流れへ、これも昨年最高値となった10月21日(151.94)以来、1年ぶり高値となる151円70銭台まで上昇したことでほぼ達成感も。目先、152円付近までの再トライ余地を残しながら下値は149円ラインが当面のサポート。149円割れの場合には147円付近までの一段安も。
月間では+233銭、1.56%高で3ヵ月続伸。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/31終値とチャート
1日の国内金価格は+76円、0.73%の反発。前日下落分を取り戻して2日前の過去最高値(10544)に迫る過去2番めの高値。右肩上がりの9日移動平均線(10452)にサポートされての堅調局面継続で最高値圏での保合いを上半分に圧縮する形となり、10460円から10550円までが目先の主要レンジにとなって一服状態か。あるいは勢い余ってさらに一段高へと向かえば、9月高値(10063)から10月安値の200%戻し(10614)、10600円近辺までが短期上値目標。逆に10460円割れへ、過熱感解消へと向かえば10400円近辺までが短期下値目安に。
プラチナ価格は+69円、1.42%の続伸で8月31日(4965)以来、2ヵ月ぶりの高値。短期上値目標4800円付近を突き抜けての一段高の勢いも止まらず、ゆるやかな上昇トレンドの範囲を逸脱しての急騰局面を形成。過熱感も急速に高まる兆しとなって急反落警戒感も一段高。5月の今年高値(5197)と8月高値(4965)を結ぶラインを突破した状態となり、4900円超を維持し続けるようなら、中期的な保合い傾向を抜け出した可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格11/1とチャート
2023年11月1日(水)時点の相場
国内金:10,542 円 11/1(水) ▲76(0.73%)
国内プラチナ:4,923 円 11/1(水) ▲69(1.42%)
NY金:1,994.3 ドル 10/31(火) ▼11.3(0.56%)
NYプラチナ:944.9 ドル 10/31(火) ▲5.0(0.53%)
ドル円:151.70 円 10/31(火) ▲2.63(1.76%)
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