更新日:2023年12月1日(金)
米10月PCEデフレーターは市場予想どおりとなり、インフレ鈍化が着実に進行する状況を示唆する結果に。
PCEは前年比+3.01%。2021年3月(2.71)以来、2年7ヵ月ぶりの低水準。
コアPCEは前年比+3.46%。9ヵ月連続の低下で2021年4月(3.22)以来、2年半ぶりの低水準に。
内訳としては、
モノの価格が前年比+0.2%で9月の+0.9%から急低下、マイナス圏となった6-7月以来の低水準へと再低下。
サービス価格は+4.4%。9月の+4.7%を下回り3ヵ月連続の低下で1年10ヵ月ぶりの低水準。
ダラス連銀発表のトリム平均PCEは前年比+3.64%。前月から-0.2%、6ヵ月続落で1年10ヵ月ぶりの低水準。3ヵ月連続4%割れ。
クリーブランド連銀のメディアンPCEは前年比+4.20%。前月から-0.23%、40年9ヵ月ぶり高水準となった3月(6.13)から7ヵ月続落となり、1年9ヵ月ぶりの低水準。
確実にインフレ鈍化が進行するなか、目標水準2%に向けてはもう少し時間を要することが想定され、そのためには利上げ停止後も一定期間の高金利維持も予想されるのに対し、早期利下げ観測へと逸る市場観測を諫めるようなFRB関係者の発言もあり、今回のPCE結果への市場反応は限定的となったようです。
30日のNY金は-9.9ドル、0.48%安で5日ぶりの反落。前日までの急騰一服となって小幅に調整、アジア時間の2060ドル台後半が高値となり、ロンドン・NY市場にかけては米10年債利回り上昇とドル高の流れに連れて軟調推移。米10月PCEが予想どおりの鈍化となったタイミングでは2050ドル台から60ドル台へと小幅に急騰も一時的、サンフランシスコ連銀デイリー総裁の「利下げについて全く考えていない」発言やNY連銀ウィリアムズ総裁の「景気抑制的な金融政策はかなりの期間続く」発言などもあって上値は重く、2050ドル台へと押し戻され、NY引けにかけても2050ドル台半ばでの推移。目先、2070ドルを上限に一服状態継続も予想されるものの、本日のISM製造業景況指数から次週の雇用関連指標ウィークを経て中旬のFOMCへ、指標結果次第の展開に。2070ドル超へと抜け出した場合には最高値トライ、2090ドル付近までが短期上値目標。サポート候補としては10月安値(1823.5)から11月高値(2072.7)の23.6%戻し(2013.9)近辺まで。
月間ベースでは+62.9ドル、3.15%の続伸。
NYプラチナは-5.5ドル、0.58%の続落。940ドルを挟んでの保合いとなった時間外から、NY朝の940ドル台後半が高値となり、金の反落局面に追随するとNY午後には一時930ドル割れ。NY引けにかけての戻りも930ドル台半ばまで。上値トライ失敗後の軟調局面継続も920ドルから950ドルまでの保合いレンジ半ばに収束し、目先はいったん保合い継続の様相にも。950ドル超へと抜け出した場合には上値トライも短期上値目標は970ドル近辺まで、920ドル割れの場合には保合い崩れで下値トライへの勢いが若干強まる可能性も、10月安値圏860ドル近辺までが短期下値目標に。
月間ベースでは-9.0ドル、0.95%の反落。
ドル円は98銭のドル高円安、0.67%高で5日ぶりの反発。東京朝の146円80銭台が安値となり、欧州時間序盤までは147円を挟んでの小幅揉み合い推移となって下げ渋り。欧州・NY市場にかけては米10年債利回り上昇の流れにも連れる展開に。米10月PCEは予想どおりの結果でインフレ鈍化を示唆する結果に一時的には小幅下落もFRB高官のタカ派発言への反応から147円20銭台から148円50銭台まで上昇。NY午後には147円70銭台までの反落もNY終盤には148円30銭近辺まで反発。前日までの急落局面からの巻き戻しとなって90日移動平均線(147.87)上抜けへと回復も、今朝の東京市場では再び148円割れとなって再度90日線下抜け。90日線との攻防が目先の分岐点にも、147円20銭の下値サポートも割れると下値再トライへ、短期下値目安は7月安値(137.24)から11月高値(151.91)の38.2%戻し(146.31)近辺。
月間ベースでは-3.51円、2.31%安で4ヵ月ぶりの反落。3月以来、8ヵ月ぶりで今年2番めの大幅安。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/30終値とチャート
1日の国内金価格は+40円、0.38%の反発。2日ぶりで今年36回めの過去最高値更新。10550円の節目上抜けに伴う短期上値目標10600円程度にもしっかり到達。短期的には一服感も、12月半ばのFOMC通過までは波乱の12月相場への警戒感も。想定可能な、さらなる上値目安としては、11月安値(10347)から11月27日(10544)までの上昇値幅(197)を押し目となった11月28日(10515)を起点に加算するN計算値を適用すると、10515+197=10712円。10510円の節目を割れると10450円近辺までを短期下値目安に調整へ。
週間ベースでは+117円、1.12%の反発。
プラチナ価格は+21円、0.44%の反発。上下動を繰り返す乱高下状態での保合い傾向から再び下方向へと思いきや、またしても切り返し。ただし、微妙に上値も下値も切り下げつつあり、失速感も徐々に増す状態。4770円を維持できなくなれば下値再々トライ、4700円割れへ90日移動平均線(4693)近辺までが短期下値目安に。逆に4830円超へと保合いを上抜けると上値トライで11月高値更新へ、4930円台を目指す流れへ。
週間ベースでは-7円、0.15%の小幅安で3週ぶりの反落。
※参考:金プラチナ国内価格12/1とチャート
2023年12月1日(金)時点の相場
国内金:10,610 円 12/1(金) ▲40(0.38%)
国内プラチナ:4,791 円 12/1(金) ▲21(0.44%)
NY金:2,057.2 ドル 11/30(木) ▼9.9(0.48%)
NYプラチナ:935.9 ドル 11/30(木) ▼5.5(0.58%)
ドル円:148.19 円 11/30(木) ▲0.98(0.67%)
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