更新日:2023年11月30日(木)
欧州委員会が発表した11月のユーロ圏景況感指数は予想外に下げ渋り。
93.8となって市場予想の93.6を上回り、10月の93.5からも上昇。2年10ヵ月ぶり低水準の9月(93.4)から続伸となって4ヵ月ぶりの高水準。ただし、依然として長期平均100を大きく下回る水準で、ゆるやかな上昇。
主要4ヵ国では、
スペイン:98.8=前月比-1.5の急低下で1年ぶり低水準。
イタリア:96.5=4ヵ月続落で1年1ヵ月ぶり低水準。
フランス:96.1=前月比+2.0の急反発で2ヵ月ぶり高水準。
ドイツ:89.1=前月比-0.5の反落で2ヵ月ぶり低水準。3年5ヵ月で3番めの低水準。
4ヵ国全てが長期平均100を下回り、ドイツだけがユーロ圏の水準も大きく下回る状態で、底打ちもままならない状況。
ユーロ圏の雇用期待指数は102.1。長期平均100は上回るも、2年7ヵ月ぶりの低水準。
主要4ヵ国では、
イタリア:104.0=続落で2年7ヵ月ぶり低水準。
フランス:99.9=続落で3ヵ月ぶり低水準、2年7ヵ月で2番めの低水準。
スペイン:98.8=反落で1年ぶり低水準。
ドイツ:97.2=反落で2年9ヵ月ぶり低水準。
イタリアだけが長期平均とユーロ圏を上回り、9月には急回復の兆しも足下では急失速。
主要4ヵ国では景況感も雇用見通しも、群を抜いて低迷のドイツがユーロ圏の低迷を主導。
ただし、ドイツの消費者物価CPIはこの日発表された11月速報で前年比+3.2%。5ヵ月連続の低下で2年5ヵ月ぶりの低水準。インフレ鈍化の流れは急速に進行中。
また、OECD(経済協力開発機構)がこの日発表した世界経済見通しでも、ドイツ経済は今年は若干縮小するものの、来年には成長へと回復予想。
来年に向け、ドイツ経済が順調に回復へと向かえばユーロ圏の経済状況も急速に回復へと向かうはず?
29日のNY金は+27.1ドル、1.33%高で4日続伸。終値ベースでは今年高値を更新、終値での過去最高値となった2020年8月6日(2069.4)以来、3年3ヵ月ぶりの高値。2月限となって20ドル程水準を切り上げて2060ドル台から再開し、アジア時間には一時2070ドル台前半まで上昇。今年最高値となった5月4日(2085.4)以来、ほぼ7ヵ月ぶり高値をつけて失速するとロンドン市場にかけては2050ドル台半ばまで調整。しかしNY市場では米10年債利回り低迷にもサポートされて2070ドル近辺再トライ。PCEの結果次第では最高値(2089.2)更新の可能性も、逆の展開なら調整幅拡大も。調整目安としては10月安値(1823.5)から11月高値(2072.7)の23.6%戻し(2013.9)近辺も。
NYプラチナは-8.8ドル、0.93%の反落。アジア時間序盤に950ドル近辺からこの日の高値950ドル台半ばまで上昇、前日高値付近で失速するとロンドン市場では940ドル台、NY市場では940ドル割れ。安値では一時わずかながら930ドル割れを試して切り返し、NY午後には940ドルを回復しての揉み合いも、NY引け後には940ドル割れ。940ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標990ドル近辺トライは出だしで躓いて失敗。当面の天井にもなりかねない950ドルをあらためてしっかり超えることができれば970ドル程度までの上値トライへ。当面の下値サポート920ドルを維持できない場合には下値トライへ、10月安値圏860ドル近辺までが下値目安に。
金との価格差は1125.7ドルへと急拡大で過去最大を更新。
ドル円は24銭のドル安円高、0.16%安で4日続落。9月12日(147.04)以来、2ヵ月半ぶりの安値。東京朝に147円40銭台から一段安、147円を割れると安値では146円60銭台まで下落。午後には147円台へと反発すると欧州時間には米10年債利回りの反発局面にも連れて147円80銭台まで上昇。NY時間には米7-9月期GDP改定値が5.2%へ、予想以上の上方改定を好感して147円半ばから90銭台まで上昇も、これが高値となって失速。7ヵ月ぶりに下抜けたばかりの90日移動平均線(147.77)上抜けにも失敗、NY終盤にかけては147円台前半へ。148円30銭の節目割れに伴う短期下値目安、11月安値(147.16)到達後のオーバーランからは下ヒゲを残して下げ渋る格好にもなったものの、目先はPCEの結果次第にも。90日線を早期回復できないようだと軟調局面継続の可能性も、7月安値(137.24)から11月高値(151.91)の38.2%戻し(146.31)近辺までが一段安の目安に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/29終値とチャート
30日の国内金価格は-3円、0.03%の小反落。1ヵ月ぶりの過去最高値更新でさらにもう少しの上昇余地も残した状態で一服、10550円の節目上抜けに伴う短期上値目標は10600円程度まで。PCE確認後にNY金の大幅調整等、波乱の展開となって当面の下値サポート10510円を割れるようだと調整へ、10450円近辺までが短期下値目安に。
月間ベースでは+104円、0.99%の続伸。月間平均では9ヵ月連続で最高値更新、2ヵ月連続1万円台。
プラチナ価格は-61円、1.26%の反落。上下動を繰り返す乱高下状態での保合い傾向から再び下方向へと動き出した可能性も。9日移動平均線(4784)を下回って強気パーフェクトオーダーは崩れ、4770円台の節目割れ。これに伴う短期下値目安は90日移動平均線(4691)割れへ、4680円程度まで。乱高下状態継続で4830円超へと切り返した場合には上値トライへの可能性も。その場合には11月高値更新再トライ、4930円近辺までが上値目標に。
月間では-84円、1.73%の反落。
※参考:金プラチナ国内価格11/30とチャート
2023年11月30日(木)時点の相場
国内金:10,570 円 11/30(木) ▼3(0.03%)
国内プラチナ:4,770 円 11/30(木) ▼61(1.26%)
NY金:2,067.1 ドル 11/29(水) ▲27.1(1.33%)
NYプラチナ:941.4 ドル 11/29(水) ▼8.8(0.93%)
ドル円:147.21 円 11/29(水) ▼0.24(0.16%)
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