更新日:2024年1月13日(土)
予想外に上振れたCPIの翌日、PPIは予想外の下振れ。
米労働省が発表した12月の生産者物価指数、PPIは前年比+0.98%。市場予想の+1.3%を大幅に下回る低水準。11月(0.78)からは0.2%上昇したものの、2021年以降の3年間では3番目の低水準。
食品とエネルギーを除いたコア指数(コアPPI)では前年比+1.75%。市場予想の+2.0%、11月の+1.95%も下回り、3ヵ月連続の低下で2020年12月(1.36)以来、3年ぶりの低水準。
食品とエネルギー、貿易サービスを除いたコア指数(コアPPI2)では前年比+2.51%。11月からは0.06%の小幅上昇も、2年10ヵ月で2番めの低水準。
2019年までの過去平均はPPIが+1.70%、これを下回るのは3ヵ月連続。コアPPIも2019年までの過去平均1.80%に3年ぶりに到達。コアPPI2は過去平均1.72%までもう少し。
CPIが予想以上に下げ渋った前日には乱高下気味の市場反応となったのに対し、PPIの結果を待っていたかのように、この日はインフレ鈍化進行に素直に反応したような格好となり、米長期金利低下とドル安の流れでNY金も買い戻しの流れが急速に進行。3月利下げ観測も再拡大へ。
12日のNY金は+32.4ドル、1.6%の大幅高で6日ぶりの反発。1月2日(2073.4)以来、10日ぶりの高値。2040ドルの節目割れに伴う下値目安2000ドルの大台付近を目指した流れは前日NY市場でつけた安値2020ドル割れで折り返し。切り返した流れはこの日の時間外も継続、アジア時間には2030ドルから2040ドル回復トライ、ロンドン・NY朝にかけて2050ドル台へ。イエメンの親イラン武装組織フーシ派の軍事拠点に対する米英軍の空爆による中東情勢緊迫化懸念もサポート材料となった可能性。NY市場では米12月PPIの下振れを受けて米長期金利低下とドル安の流れで一段高、高値では一時2060ドル台後半まで上昇。しかし長期金利とドルが下げ渋ったNY午後には2050ドル割れへと巻き戻し、NY引けにかけては2050ドルの節目から20日移動平均線(2052.0)との攻防状態に。次週、2050ドル超をしっかり維持できれば徐々に反発方向への流れが強まる可能性、12月末高値圏2090ドル台までが短期上値目標に。当面の下値サポートは2010ドル台。
週間ベースでは-30.6ドル、1.49%の続落。
NYプラチナは+1.5ドル、0.16%の小幅高で5日ぶりの反発。NY金の反発局面に引っ張られる格好となった時間外には920ドル台から930ドル台へ、NY市場ではPPI発表後に940ドル台半ばまで上昇。しかし、巻き戻しの流れとなったNY午後には930ドル割れへと急反落、さらにズルズルと水準を切り下げるとNY引け後には920ドル割れ、前日安値も下回って910ドル台半ばへ。950ドルの節目割れに伴う短期下値目安920ドル近辺到達後の自律反発に失敗したような格好にも。11月安値(843.1)から12月高値(1031.0)の61.8%戻し(914.9)を達成、このまま920ドルを回復できないようだと76.4%戻し(887.4)から12月安値(890.0)近辺までを目安に一段安への警戒感も。
週間ベースでは-52.2ドル、5.37%の大幅続落。
ドル円は41銭のドル安円高、0.28%の続落。144円80銭台から145円40銭台までのレンジで保ち合い推移となって東京・欧州時間を通過、NY朝には145円50銭台の高値をつけて急反落。米12月PPIが予想を下回ったことを受け、米10年債利回りが4%近辺から3.9%台前半へと急低下した流れに連れ、145円割れへと急落。安値では144円30銭台で下げ渋り、144円20銭の節目を維持してNY午後には145円近辺へと反発。日足レベルでは年初からのドル高円安トレンド一服後、足下では調整も144円20銭から145円80銭までの保ち合いレンジを維持。これを上抜けできれば上昇トレンド再開で今年高値更新トライ、短期上値目標は146円台後半まで。レンジ下抜けなら調整再開で143円前後までが短期下値目安に。
週間ベースでは+26銭、0.18%の小幅続伸。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/12終値とチャート
2024年1月13日(土)時点の相場
国内金:10,377 円 1/12(金) ▼4(0.04%)
国内プラチナ:4,644 円 1/12(金) ▼18(0.39%)
NY金:2,051.6 ドル 1/12(金) ▲32.4(1.60%)
NYプラチナ:921.1 ドル 1/12(金) ▲1.5(0.16%)
ドル円:144.89 円 1/12(金) ▼0.41(0.28%)
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