更新日:2024年3月1日(金)
米1月のCPIとPPIが上振れたことでPCEの上振れ警戒感も高まり、市場予想も事前に引き上げられていた為にサプライズはなし。
市場予想どおりとなった1月のPCEは前年比+2.40%。4ヵ月連続の低下で2021年2月(1.89)以来、2年11ヵ月ぶりの低水準。
食品とエネルギーを除くコアPCEは前年比+2.85%。これも市場予想どおりで12月からは-0.09%の小幅低下、伸び率は12ヵ月連続の鈍化で2021年3月(2.26)以来、2年10ヵ月ぶりの低水準。
セクタ別では、
モノの価格が前年比-0.5%。12月の+0.2%から急低下で2020年11月以来、3年2ヵ月ぶりの低水準。
その一方でサービス価格は前年比+3.9%。12月から変わらず、2年2ヵ月ぶり低水準で横ばい推移となって下げ渋り。
また、住宅とエネルギーを除くサービス業の価格指数、スーパーコアPCEのサービス価格(SPコアs)は前年比+3.52%。12月からは+0.24%で6ヵ月ぶりに上昇。ただ2021年4月以降の2年10ヵ月では2番めの低水準。
ダラス連銀のトリム平均PCEは前年比+3.16%。前月から-0.08%、9ヵ月連続の低下で2年2ヵ月ぶりの低水準。
クリーブランド連銀のメディアンPCEは前年比+3.50%。前月から-0.22%、10ヵ月連続の低下で2年2ヵ月ぶりの低水準。
いずれの指標でもインフレ鈍化基調は継続、サービス価格の高止まりを除けば・・・。
29日のNY金は+12.0ドル、0.59%の反発で2月1日(2071.1)以来、1ヵ月ぶりの高値。2040ドル台半ばで小康状態となったアジア時間から、米10年債利回り上昇とドル高基調となったロンドン市場では軟調推移。2030ドル台半ばの安値をつけた後、NY市場では上ブレも警戒された米1月PCEが予想通りの結果となって米10年債利回り急低下とともに2050ドル台へと急騰。高値では2060ドル付近まで上昇し、NY引けにかけても2050ドル台を維持。インフレ鈍化継続が利下げへとつながる安心感にサポートされ、2050ドルの節目を上抜けて流れは堅調方向へ。短期的には今年高値圏となる2070ドル付近まで、若干の上昇余地を残す状態。なお、この水準を超えると短中期的には一段高へと向かう可能性も浮上する比較的重要水準、と同時に強めの抵抗水準となる可能性も。
月間ベースでは-12.7ドル、0.61%の続落。
NYプラチナは-1.1ドル、0.12%の小幅続落。アジア時間には880ドル台前半から890ドル近辺へと反発も、戻り売りとなったロンドン市場では880ドル近辺へと急反落。NY市場では880ドル割れの安値をつけて切り返し、PCE後の金の急騰に追随する格好となって890ドル台へと小幅に急反発。しかし、これも続かずNY午後には880ドル台前半へと急速に巻き戻し。この日の変動値幅14.6ドルは今年の平均22.5ドルの6割ほど、今年3番めの小動きとなったなかで小幅乱高下。引き続き880ドルから900ドルまでの保ち合いレンジを維持しながらも微妙に上値切り下げの構図となって下方リスクへの警戒感も。880ドルの節目と今年安値(873.3)も下回ると一段安の展開へ、下値目安は810ドル台辺りまで。
金との価格差は1170.7ドルとなって過去最大を更新。月間ベースでは-48.6ドル、5.21%の続落。
ドル円は72銭のドル安円高、0.48%の反落。東京朝には高田日銀審議委員の「2%目標実現見通し」発言を受けて円高の流れが強まり、150円60銭台から149円60銭台まで軟調推移。午後にかけて下げ渋り、欧州・NY朝にかけてはPCE上振れ警戒感などにもサポートされて150円10銭台まで反発。しかし、事前に上がっていたハードルを超えることはなく、市場予想どおりの結果に売りで反応。149円60銭台まで急反落後は、2月シカゴPMI、1月の中古住宅販売成約指数も低調な結果となり、一時149円20銭台まで下落。それでもNY午後には下げ渋って巻き戻し、150円回復トライの展開に。結果的に149円90銭の節目を一時的には割り込みながらも、なんとかこれを維持した格好となって保ち合い継続へ。月初の指標などをきっかけにこれを維持できなくなれば今度は149円割れトライへ、148円半ば辺りまでが短期下値目安に。
月間ベースでは+3.03円、2.06%の続伸。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/29終値とチャート
1日の国内金価格は+20円、0.19%の続伸で今年高値を連日更新、過去最高値の12月4日(10819)以来、ほぼ3ヵ月ぶりの高値水準。市場予想どおりとなった米1月PCEの結果を受けた反応としては、NY金の上昇がドル円の売りをカバーする格好となって国内価格も押し上げ。日銀動向を警戒した東京時間のやや過剰な円高局面が限定的となっていたなら、最高値更新となっていた可能性も。10760円の節目上抜けに伴う短期上値目標10800円台へ、若干の上昇余地も。
週間ベースでは+83円、0.77%の続伸。2月は月間で+221円、2.09%の続伸。
プラチナ価格は-11円、0.24%の続落で2月14日(4598)以来、半月ぶり安値圏での一段安。上下動を繰り返しながら上値も下値も切り下げてきたリズムを崩し、下落トレンドの勢いを強めるかのような展開にも。4620円の節目割れに伴う短期下値目安、12月安値(4552)近辺を目指す流れが進行。ただし中期三角保合い下限ライン付近でサポートされて切り返す展開となって下げ渋る可能性も、反発方向へは4670円の節目を上抜けると形成逆転も。そうなれば1月末と2月高値(4757)を目指す展開となって中期保ち合い継続へ。
金との価格差は6191円となって過去最大を更新。週間ベースでは-42円、0.9%の続落。月間で2月は-108円、2.29%の続落。
※参考:金プラチナ国内価格3/1とチャート
2024年3月1日(金)時点の相場
国内金:10,796 円 3/1(金) ▲20(0.19%)
国内プラチナ:4,605 円 3/1(金) ▼11(0.24%)
NY金:2,054.7 ドル 2/29(木) ▲12.0(0.59%)
NYプラチナ:884.0 ドル 2/29(木) ▼1.1(0.12%)
ドル円:149.98 円 2/29(木) ▼0.72(0.48%)
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