更新日:2024年5月18日(土)
ジョンソン・マッセイ社が今月発表したプラチナ需給レポートによれば、今年のプラチナ需給見通しでは18.6トンの供給不足。2023年の16.1トンの供給不足に続き、2年連続の供給不足となり、その規模としては過去10年で最大となる見込み。
この状況も追い風となり、5月に入ってから急速に、やや一方的に買われ続けるNYプラチナは急騰。
足下では1000ドルの大台を超え、1年ぶり高値圏に到達するとともに、2021年2月高値を起点とする右肩下がりのレジスタンスラインを上抜け。
現状水準以上を維持して5月を終了することができれば、中期三角保合い上抜けに成功。
2015年秋のVWショックでプラチナ需要が急減し、1000ドル割れが状態化していた状況から、ようやく抜け出すことになる可能性も。
次に意識される重要な節目水準としては、2023年4月高値1148.9ドル、これを上抜けると中期三角保合い上限ラインの起点、2021年12月高値1348.2ドル。
将来的に、この水準を上抜けた場合には上値余地が一段と拡大する可能性も。
2020年3月安値(562.0)から2021年12月高値(1348.2)までの上昇値幅(786.2)を、2022年9月安値(796.8)を起点に加算すると1565ドル。
長期的には、1500ドル台回復も想定されるかもしれません。
ただし、何らかの理由で現状の流れが巻き戻された場合、中期三角保合い下抜けへと切り返すような展開となった場合には要注意。
これまで何度も繰り返されてきたような展開も、ないとも限りません。
17日のNY金は+31.9ドル、1.34%の反発。終値ベースでは4月19日(2413.8)以来、4週間ぶりで今年21回めの過去最高値更新。アジア時間に一時2380ドル割れの安値をつけて切り返し、NY朝には2400ドルの大台を回復して前日高値超え、ドル安の流れにもサポートされてNY午後には2410ドル台へと一段高、NY引け後には2420ドル近辺へ。2400ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標2420ドル近辺に到達。短期的には一服感も、短中期的には4月12につけた過去最高値(2448.8)を試しに行く可能性、2400ドル台後半が次の上値目標に。目先の下値サポートは2380ドル、割れると2360ドル近辺までの下値切り下げも。
週間ベースでは+42.4ドル、1.79%の続伸。
NYプラチナは+18.7ドル、1.75%高で7日続伸。昨年5月11日(1105.0)以来、1年ぶり高値圏で一段高。7日続伸は2021年2月以来、3年3ヵ月ぶり。1070ドルを挟んでの保ち合い推移となった時間外を経て、ロンドン市場で1060ドル台前半の安値をつけて反発へ。NY午後には1080ドル台から1090ドル台へ、NY引け後には一時1100ドルの大台まで上昇。価格水準が現状維持でもRSIは次週、90%台後半へと跳ね上がり、翌週には100%到達見込み。そんな状況でも意識される次の節目水準は昨年4月高値1148.9ドル。
週間ベースでは+82.8ドル、8.22%高で3週続伸。2021年2月8日からの週(+126.0ドル、11.12%)以来、3年3ヵ月ぶりの急騰。
ドル円は+32銭、0.21%の続伸。東京朝には155円30銭台から155円90銭台まで上昇、日銀の国債買い入れ額が据え置かれ、2回連続の減額が見送られたことが好感された様子。東京市場終了後には155円60銭近辺までの下押しをはさんで欧州時間には155円90銭台の高値再トライ、しかし156円の壁に跳ね返され続けてNY市場では155円20銭台まで反落。ただし下値も限定的となり、NY午後には155円半ばへと反発、NY終盤には155円70銭近辺へ。154円80銭から156円50銭までのレンジ内での反発局面は続くものの、勢いに欠ける状態は変わらず。それでも上方向へと抜け出すことができれば地合い改善、158円近辺を目指す高値再トライへの流れにも。逆に下方向へと抜け出すと153円近辺までが短期下値目安に。
週間ベースでは-8銭、0.05%の小反落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/17終値とチャート
2024年5月18日(土)時点の相場
国内金:13,028 円 5/17(金) ▲19(0.15%)
国内プラチナ:5,746 円 5/17(金) ▼16(0.28%)
NY金:2,417.4 ドル 5/17(金) ▲31.9(1.34%)
NYプラチナ:1,090.0 ドル 5/17(金) ▲18.7(1.75%)
ドル円:155.71 円 5/17(金) ▲0.32(0.21%)
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