更新日:2015年9月23日(水)
2014年度の世界の自動車販売台数でトヨタ自動車を追い抜き、初めて首位となっていたドイツのフォルクスワーゲン(VW)がまさかの排ガス不正発覚。この問題は予想以上に拡大し、対象となるディーゼルエンジンを搭載する車両は世界で1100万台販売されていることを同社が発表。
世界的な大規模リコールに伴う引当金は65億ユーロ、米当局からの制裁金は最大180億ドルとも(合わせて約3兆円)。CEO解任報道もあり、VWにとっては経営をも揺るがしかねない最大のスキャンダルに。
VWの株価は連日の20%安となり、他の自動車メーカーも連れ安。ドイツDAXも3.8%の大幅安となり、チャイナ・ブラックマンデーとなった8月24日以来の下落率で年初の1月7日以来の安値水準へ。ドイツ発の株安の流れで、欧米株は全面安に。
米国以外の国でも調査に乗り出すとの報道もあり、今後もこの問題の余波が懸念されるところ。
ディーゼル車の触媒として使われるプラチナにとっては、今後のディーゼル車販売減少懸念などにもつながり、大きなマイナス材料に。底値圏からの反発基調が続くかとも思われた矢先のシルバーウィークにとんだVWショック。
22日のNYプラチナは3.72%の大幅続落で2009年1月以来、6年8カ月ぶりの安値水準。前日比3.72%の下落率は過去2年で最大、2013年6月20日(-4.22%)以来2年3カ月ぶりの大幅下落。VWショックによる売り圧力が高まったことで960ドル台のサポートラインを下抜けて安値圏トライへの流れが加速。これに伴う下値メドとなる940ドル割れ水準へと一気に到達したこともあり、単独要因でさらに水準を切り下げ続けるような地合いにはない。ただし、2009年1月安値900ドルちょうど付近まではサポートライン候補も見当たらない。
NY金相場は0.71%の続落。プラチナに連れ安となった形でサポートライン候補1120ドルまでしっかりめの調整。リスク回避の流れで対円を除いてドル高傾向が強まったこと、年内利上げへの警戒感に加え、1140ドルの壁が厚く、流れ的には調整余地が多分にあったことが要因。1120ドル付近でのサポートが続けば1140ドルまでの間でレンジ形成へ。
ドル円は0.33%のドル安円高。リスク回避の株安の流れとともに円買い進行で119円70銭まで下落後は下げ渋る展開となり、株価のジリ安傾向が続くなかでもジリ高推移となってサポートラインでもある重要水準120円をなんとか回復、120円ラインを重要視する向きが多いことを示唆する展開。120円台での保ち合い状態が長期化するに連れ、ブレイク後の大幅変動への警戒感も高まることに。現状では、上方向へのブレイクなら122円台半ば、下方向なら118円台前半がブレイク後の警戒水準に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/22終値とチャート
2015年9月23日(水)時点の相場
国内金:4,665 円 9/18(金) ▲14(0.30%)
国内プラチナ:4,046 円 9/18(金) ▼9(0.22%)
NY金:1,124.8 ドル 9/22(火) ▼8.0(0.71%)
NYプラチナ:937.5 ドル 9/22(火) ▼36.2(3.72%)
ドル円:120.15 円 9/22(火) ▼0.40(0.33%)
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