更新日:2024年11月5日(火)
ワールドゴールドカウンシル発表のレポートによれば、2024年第3四半期の世界の金需要は1176.5トン。前期比+219.8トン(23.0%)、前年比では-3.7トン(0.3%)で4四半期ぶりの増加、1年ぶりの高水準。
宝飾品需要が持ち直し、投資需要が大幅増。
<目的別需要>
■宝飾品:543.3トン※3四半期ぶり高水準。前期比+135.1トン(33.1%)、前年比-38.9トン(6.7%)。シェア46.2%※2四半期ぶり高水準。
■産業用:83.0トン※2年3四半期ぶり高水準。前期比+2.7トン(3.4%)、前年比+5.7トン(7.3%)。シェア7.1%※2四半期ぶり低水準。
■投資:364.1トン※2年2四半期ぶり高水準。前期比+98.0トン(36.8%)、前年比+207.3トン(132.2%)。シェア30.9%※2年2四半期ぶり高水準。
■中央銀行:186.2トン※5四半期ぶり低水準。4年連続買い越し、前期比-16.0トン(7.9%)、前年比-177.8トン(48.8%)。シェア15.8%※2年2四半期ぶり低水準。
※ポーランド、ハンガリー、インド、トルコ、ウズベキスタン、チェコ、イラク、カタールなどで増加。カザフスタン、フィリピン、ヨルダン、シンガポールなどでは減少。
<投資需要・内訳>
■現物:269.4トン※2年1四半期ぶり低水準。前期比-3.8トン(1.4%)、前年比-26.4トン(8.9%)
■ETF:+94.6トン※10四半期ぶりの買い越し。
価格水準は前期の2338.2ドルから2474.3ドルへと急騰で4四半期続伸、3四半期連続で過去最高値を更新。
<金消費需要>
現物投資需要と宝飾品需要を合わせた世界の金消費需要は812.7トン。前期比+131.3トン(19.3%)、前年比-65.3トン(7.4%)で2四半期ぶり高水準。全需要に対するシェアは69.1%で10四半期ぶり低水準。
★1位インド、2位中国は3四半期ぶりの入れ替わり。インドの宝飾品需要は171.6トンで3四半期ぶり高水準。中国の宝飾品需要は102.5トンで2四半期ぶり高水準。現物投資需要はインドが76.7トンで2年3四半期ぶり高水準。中国は62.1トンで5四半期ぶり低水準。2カ国合計の金消費需要の世界シェアは51.5%で13年3四半期ぶりの高水準。
<世界の金消費大国>
世界の金消費需要上位3カ国の合計シェアは63.3%。1位インドは248.3トンで前期比+65.9%の大幅増、3四半期ぶりの高水準。2位中国は164.7トンで前期比-0.9%、9四半期ぶりの低水準。3位米国は47.8トン、-7.2%で2四半期ぶり低水準。順位は前期から変わらず。
4位トルコは22.1トン、-43.4%で9四半期ぶり低水準。
5位ロシアは20.8トン、+16.9%で10年2四半期ぶり高水準。
6位タイは14.4トンで3四半期ぶり高水準、5ランクUP。
7位イランは14.1トンで3年1四半期ぶり低水準、1ランクDOWN。
8位インドネシアは12.7トンで7四半期ぶり高水準、5ランクUP。
9位サウジアラビアは11.6トンで3年ぶり低水準。
10位UAEは10.6トンで3年ぶり低水準。
前期7位のベトナムは11位へ、8位のエジプトは12位へ。
日本は4.1トンで2四半期ぶり低水準、16位から20位へDOWN。
<リサイクルと供給量>
リサイクルは323.0トン。前期比-13.5トン(4.0%)で3四半期ぶりの低水準。鉱山産出量は989.8トンで前期比+82.9トン(9.1%)。総供給量は1313.0トンとなり、前期比+61.1トン(4.9%)で2010年以降では最大。
<需給バランス>
需給バランスは+136.5トン、7四半期連続の供給余剰。
4日のNY金は先週末から-3.0ドル、0.11%安で3日続落。10月23日(2729.4)以来、10日ぶりの安値。週明け時間外スタート直後に一時2740ドル割れの安値をつけた後は、2740ドル台後半を中心に保ち合い推移。散発的に2750ドル台を試しながらも上値も重く、NY市場では一時2750ドル台後半までの高値をつけて失速、NY午後には2740ドル台半ばでの揉み合いに。米大統領選からFOMCの週、市場の警戒感が高まる状況を反映したような展開に。この日の変動値幅は18.1ドルにとどまり、今年の平均33.2ドルの半分強、今年8番めの小動き。引き続き2720ドルから2800ドルまでが目先の主要レンジでやや軟調気味に、下限割れなら2700ドル近辺まで下値切り下げへ。
NYプラチナは-12.4ドル、1.24%の反落で10月10日(976.2)以来、3週間ぶりの安値。週明け時間外には一時1000ドル割れを試して反発、しかし20日移動平均線(1010.1)も推移する1010ドルに上値を押さえられる状態がロンドン・NY朝まで続いて失速。1000ドルの大台を挟んでの揉み合いを経てNY午後には990ドル近辺へと一段安。短期下値目安1000ドル近辺到達後に下げ止まり切れず、1010ドルでの抵抗感も増す形で戻り売り、970ドル近辺から200日移動平均線(965.9)辺りまでが一段安の目安で下値サポート候補にも。
ドル円は-83銭、0.54%の反落。週末の153円付近から152円台前半へと下方向へ大きく窓を開けて週明けをスタート、祝日で閑散状態の東京朝に152円50銭台まで反発したのが高値となり、東京時間には151円60銭近辺まで軟調推移。欧州時間には152円20銭台まで反発も、NY朝には151円50銭台まで反落、これが安値となってNY午後にはゆるやかに152円台回復へ。米大統領選への警戒感から値動きは限定的となり、十字線を形成して節目の152円ラインもなんとか維持したものの、流れは軟調方向へと傾斜。目先、152円を割り込み、200日移動平均線(151.57)にもサポートされなくなれば150円付近までを目安に調整局面形成へ。逆に153円の節目を突破するようなら巻き戻しの流れ加速へ、155円近辺を短期目標に上値トライ再開。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/4終値とチャート
5日の国内金価格は-46円、0.31%の続落で10月25日(14596)以来、10日ぶりの安値。9日移動平均線(14741)を割れて強気パーフェクトオーダーが崩れた状態から切り返すことができず、9日線がサポートからレジスタンスに切り替わるようだと軟調局面がもう少し続く展開へ。目先、14590円の下値サポートを維持できれば高値保ち合い形成へと向かう可能性も。維持できなければ14500円近辺までを短期目安に調整局面継続へ。
プラチナ価格は-51円、0.97%安で3日続落。10月18日(5168)以来、半月ぶりの安値。短期下値目安5340円近辺到達後の一段安でほぼ2ヵ月ぶりに21日移動平均線(5227)も下抜け。短期的には一服感も、90日移動平均線(5094)から5100円のサポート帯も維持できない場合には5000円の大台割れを試しに行くような展開にも。
※参考:金プラチナ国内価格11/5とチャート
2024年11月5日(火)時点の相場
国内金:14,650 円 11/5(火) ▼46(0.31%)
国内プラチナ:5,198 円 11/5(火) ▼51(0.97%)
NY金:2,746.2 ドル 11/4(月) ▼3.0(0.11%)
NYプラチナ:990.5 ドル 11/4(月) ▼12.4(1.24%)
ドル円:152.15 円 11/4(月) ▼0.83(0.54%)
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