更新日:2025年4月11日(金)
トランプ関税ショックの直前、3月の消費者物価指数は予想以上に鈍化。
CPIは前年比+2.39%。市場予想の+2.6%を下回り、前月から-0.43%の大幅続落で2021年2月(1.68)以来、4年1ヵ月ぶりの低水準。
エネルギーと食品を除くコア指数、コアCPIは前年比+2.79%。市場予想の+3.0%を下回り、2月から-0.33%の大幅続落で2021年3月(1.65)以来、4年ぶりの低水準。3年11ヵ月ぶりの3%割れ。
セクタ別ではウェイト60%を占めるサービス価格が前年比+3.7%。2月から0.4%の急低下、5ヵ月続落で3年3ヵ月ぶりの低水準。
CPI高止まりの要因にもなってきたサービス価格の急減速が、今回の下げに貢献。
その他では、モノの価格は-0.1%で3ヵ月連続横ばい推移、前年割れは1年3ヵ月連続。食品が+3.0%、前月から+0.4%で続伸、1年5ヵ月ぶり高水準。エネルギーは-3.3%、前月から-3.1%の急低下で5ヵ月ぶりの低水準。主要項目でもガソリン価格が-9.8%で5ヵ月ぶり低水準となり、これもCPI押し下げに貢献。
なお、賃貸住宅は+4.0%で3年2ヵ月ぶり低水準も、帰属家賃は3年ぶり低水準の4.4%で横ばい推移。
クリーブランド連銀のメディアンCPIは前年比+3.48%。2月から-0.05%、12ヵ月続落で2021年10月(3.20)以来、3年5ヵ月ぶりの低水準。
16%トリム平均CPIは+2.99%。前月から-0.08%、4ヵ月続落で3年9ヵ月ぶりの低水準。
アトランタ連銀のスティッキーCPIは+3.26%。前月から-0.26%で12ヵ月続落、3年4ヵ月ぶりの低水準。
いずれもゆっくりと、しかし着実にインフレ鈍化傾向は継続中。
関税ショックがなければインフレ鈍化が順調に進行していたかもしれないのに、という状態に今後なるのかどうか。
10日のNY金は+98.1ドル、3.19%の大幅高で3日続伸。4月2日(3166.2)以来1週間ぶり、今年20回めの過去最高値更新。上昇率では今年の絶対値平均0.84%の3.8倍、今年最大で2020年4月9日(+68.5ドル、4.07%)以来、5年ぶりの大幅高。2日連続3%前後、2日合計で180ドル超、3日で200ドル超、その前の3日で下げた190ドル超を取り戻す急騰局面を形成。この日もアジア時間スタート時点が安値となって3080ドル台から堅調推移、3100ドル台へと水準を切り上げるとロンドン市場では3150ドルの攻防、NY市場では米3月CPI下振れにも好感し、3180ドル近辺へと一段高。NY引け後も3180ドル台を維持して3200ドル台再トライの様相に。関税リスクは続き、米株売り、米ドル売り、米債券売り(金利は上昇)、米国売り・金買いの流れが加速。3170ドルの節目突破に伴う一段高トライへと向かう流れに、短期上値目標は3240ドル近辺まで。中期上値目標、2月高値(2974.0)から2月安値(2844.1)の300%戻し(3233.8)トライにも。
NYプラチナは+13.4ドル、1.46%高で3日続伸。4月3日(956.6)以来、1週間ぶりの高値。米株急落とNY金の急騰との板挟み状態となり、ほぼ930ドル台を中心に保ち合い推移。ロンドン序盤とNY市場で試した上値トライも940ドル台前半までにとどまり、NY午後には930ドル台前半から930ドルを挟んでの小幅保ち合いへとやや失速感も。3月高値(1036.3)から4月安値(878.3)の38.2%戻し(938.7)を達成したところで一服状態となってしまった格好にも。900ドルの節目を維持できないようだと880ドル近辺までの下値再トライへ。
金との価格差は2244.2ドルへと急拡大、2日(2171.0)以来、1週間ぶりに過去最大を更新。
ドル円は-313銭、2.12%の大幅反落で昨年10月1日(143.53)以来、半年ぶりの安値。東京朝の147円70銭台が高値となって軟調推移、早々に147円を割れると東京市場の時間帯は146円後半で保ち合い推移。欧州時間序盤に147円10銭台までの小反発後に戻り売り再開、146円の節目を割れるとNY朝には145円半ばへ、米CPIの下振れもあり145円を割れるとNY午後には144円ちょうど付近まで下落。関税政策を良しとしない米国売り圧力が強まって為替もドル売りが加速、ユーロドルは昨年7月以来、8ヵ月ぶりのユーロ高ドル安水準に。目先、146円の節目割れに伴う短期下値目安143円台前半を目指す流れ継続。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/10終値とチャート
11日の国内金価格は+120円、0.75%の続伸で4月3日(16385)以来、1週間ぶりの高値。ドル安円高による下押し圧力をNY金の最高値更新で相殺する形となって一段高。最高値(16436)から4月安値(15235)の61.8%戻し(15977)を達成し、76.4%戻し(16153)も射程圏内。これを達成すると再び最高値圏も目前に。ただし高ボラティリティ状態にあり、少しのタイミングのずれなどで大幅反落にも要警戒。今年の絶対値平均騰落値幅134円に対し、4月の平均は316円。4月平均並みの上昇なら週明けには16400円台、下落なら15700円台。
週間ベースでは+108円、0.68%の「小反発」。
プラチナ価格は-133円、2.77%の反落。4750円の節目上抜けに伴う短期上値目標4800円台到達後の一服で巻き戻しの流れが加速、週初4月7日(4532)以来の安値となり、4670円の節目でなんとか下げ止まった状態。これを割れると4600円近辺までを短期下値目安に一段安トライへ。ただし4810円超へと切り返すことができれば反発局面再開、4900円近辺を目指す流れにも。プラチナも今年の絶対値平均騰落値幅55円に対し、4月平均は146円と高ボラ状態。
金との価格差は11419円、3日(11380)以来、1週間ぶりに過去最大を更新。
週間ベースでは-135円、2.81%の続落。
※参考:金プラチナ国内価格4/11とチャート
2025年4月11日(金)時点の相場
国内金:16,091 円 4/11(金) ▲120(0.75%)
国内プラチナ:4,672 円 4/11(金) ▼133(2.77%)
NY金:3,177.5 ドル 4/10(木) ▲98.1(3.19%)
NYプラチナ:933.3 ドル 4/10(木) ▲13.4(1.46%)
ドル円:144.60 円 4/10(木) ▼3.13(2.12%)
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