更新日：2025年6月16日(月)
イスラエルとイランの交戦激化の週末、米国ではLAでの不法移民摘発をめぐる抗議デモの拡大と混乱のさなか、トランプ大統領は自身の誕生日14日にはワシントンで34年ぶりの軍事パレードを開催。明けて6月第3週はカナダ西部カナナスキスでG7サミットも開催。しかし、悪化する中東情勢緩和に向けての首脳声明も見送りか。
そんな状況で市場の注目は米FOMCとパウエル議長会見、そして年内の利下げ見通しへ。17日には日銀会合もあり、今週はBOEなども含めて主要中銀金融政策会合ウィークに。
リスク回避時に買われやすい金価格が急騰したのに対し、これまで急騰局面を形成してきたプラチナは週明けに急落。何もなければ同じ貴金属として、同じような方向性での価格推移も見られる両者の関係性は、足下では安全資産としての金と、リスク資産としてのプラチナという、別の側面が強調される局面に。
週明け時間外に3470ドル台へと急騰したNY金は3450ドル台へ、週末終値水準付近へと失速。NYプラチナも週末の1210ドル付近から1230ドル台へと急騰後に1220ドル近辺へと失速。ドル円も週末の144円10銭近辺から144円70銭台まで急騰後に144円20銭台へと失速。
16日の国内金価格は先週末から+381円、2.22％高で5日続伸。2営業日連続、今年19回めの過去最高値更新。上昇率では今年の絶対値平均騰落率0.83％の2.7倍、今年3番めの急騰。5日続伸は3月以来、3ヵ月ぶりで今年2度め。地政学リスクによる急騰で迎えるイベント目白押しの週、一段高か、急反落か、荒っぽい展開も想定され、予想困難な局面に。RSIは82.3％へと急上昇も極端とも言い切れない状況か。ベースとしては16400円から17000円近辺までの高値保ち合いレンジが意識される可能性と、高値保ち合いから抜け出しての急騰という側面もあり、リスク後退で全戻しともならない可能性も。今年の平均騰落値幅131円程度の反落なら17300円台後半へ、一段高なら17600円台へ。
一目均衡表では転換線（17164）にサポートされて三役好転。遅行線は26日前価格ラインにぶつかって跳ね上がる、上昇トレンド加速の構図。値幅的には5月高値（17089）から5月中旬安値（16426）の161.8％戻し（17499）を達成して一服となりやすい状況にも。一段高へと向かうようなら200％戻し（17752）が意識され、調整へと向かえば5月安値（16363）から今朝の最高値（17508）の23.6％戻し（17238）辺りまで意識される可能性も。
プラチナ価格は-210円、3.27％安で3日ぶりの反落。下落率では今年の絶対値平均騰落率1.15％の2.8倍、今年3番めの急落。価格ピーク水準切り上げに対してRSIのピーク水準が切り下がる逆行状態となったところからの反落局面が、地政学リスクに伴う売り圧力で加速。急騰局面を形成した6月安値（5253）から6月高値（6422）の23.6％戻し（6146）、38.2％戻し（5975）辺りが目先のサポート候補に。
一目均衡表では三役好転を維持し、急騰する転換線（5882）も遥か下に。短中期的には4月の今年安値（4532）から16年超ぶり高値となった6月の今年高値（6422）までの23.6％戻し（5976）辺りまでが当面のサポート候補に。
※参考：金プラチナ国内価格6/16とチャート
2025年6月16日(月)時点の相場
国内金：17,508 円 6/16(月) ▲381(2.22％)
国内プラチナ：6,212 円 6/16(月) ▼210(3.27％)
NY金：3,452.8 ﾄﾞﾙ 6/13(金) ▲50.4(1.48％)
NYプラチナ：1,211.9 ﾄﾞﾙ 6/13(金) ▼63.2(4.96％)
ドル円：144.13 円 6/13(金) ▲0.63(0.44％)