財新(Caixin)が1日発表した5月の中国製造業PMI(購買担当者景気指数)は50.9。市場予想の49.5を上回って4月からは+1.4、3ヵ月ぶりの高水準。6カ月平均は50.03で14ヵ月ぶり高水準、15ヵ月ぶりに節目50超。中国国家統計局が31日発表した5月の製造業PMIは48.8。市場予想の49.5を下回って2ヵ月連続節目50割れ、5ヵ月ぶり低水準。6カ月平均は49.93となって1年5ヵ月ぶり高水準、18ヵ月連続節目50割れ。
製造業購買担当者景気指数(PMI:Purchasing Managers'Index)は、景気転換の先行指標であり、製造業の購買担当者へのアンケート調査をもとに指数化して発表します。50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退を示唆します。 GDP世界第2位となった中国の景気動向は欧州、豪州、アジア、日本、米国など主要貿易相手国への影響も拡大しています。さらに、2013年にインドを抜き世界最大の金消費大国となった中国の景気は金価格へも大きく影響します。製造業PMIは、その中国の景気動向を見る上で最重要指標の一つとなっています。 中国では、国家統計局による指標と中国系企業Caixin(財新)による指標の2つが存在します。国家統計局PMIの調査対象は大手国営企業が多いのに対し、後者は中小企業が多いのが特徴です。※2015年6月分まではHSBC(香港上海銀行)が発表。
国家統計局発表のPMIの推移を見ると、中国でも2008年秋のリーマンショック、その後の金融危機の影響を受けましたが、短期間でV字回復。しかし、2010年以降、欧州問題の影響拡大や国内の景気減速が緩やかに進み、2011年11月と2012年8~9月には分岐点の50割れも記録、回復方向への分岐点にある状態です。
最近の中国・製造業PMI(括弧内は6カ月移動平均)
2023年5月:48.8(49.93)
2023年4月:49.2(49.80)
2023年3月:51.9(49.80)
2023年2月:52.6(49.50)
2023年1月:50.1(48.97)
2022年12月:47.0(48.78)
2022年11月:48.0(49.32)
2022年10月:49.2(49.58)
2022年9月:50.1(49.28)
2022年8月:49.4(49.18)
2022年7月:49.0(49.32)
2022年6月:50.2(49.50)
2022年5月:49.6(49.52)
2022年4月:47.4(49.60)
2022年3月:49.5(49.90)
2022年2月:50.2(49.92)
2022年1月:50.1(49.90)
Caixin製造業PMIの2009年7月以降の推移チャート。
最近の中国・Caixin製造業PMI(括弧内は6カ月移動平均)
2023年5月:50.9(50.03)
2023年4月:49.5(49.78)
2023年3月:50.0(49.73)
2023年2月:51.6(49.42)
2023年1月:49.2(49.07)
2022年12月:49.0(49.27)
2022年11月:49.4(49.72)
2022年10月:49.2(49.50)
2022年9月:48.1(48.97)
2022年8月:49.5(48.97)
2022年7月:50.4(49.12)
2022年6月:51.7(48.90)
2022年5月:48.1(48.77)
2022年4月:46.0(49.07)
2022年3月:48.1(49.83)
2022年2月:50.4(50.15)
2022年1月:49.1(49.95)
最終更新日:2023/6/1