政治家や投資家発言に敏感に反応する為替市場でエスカレートする通貨安戦争
更新日:2013年01月25日(金)
このところ政治家や中銀関係者による円安牽制発言や自国通貨安誘導発言が目立ち、通貨安戦争と懸念されます。
昨日、日中には甘利経済再生相始め国内関係者からの円安擁護発言で円安が進行し始め、夜間には政治家のみならず、投資家発言にも敏感に反応した為替市場は再び円安が加速しました。
著名投資家のジョージ・ソロス氏の「ユーロは上昇し、円は下落するだろう」発言でユーロ高円安が大きく進みました。
ユーロ円は2円80銭、2.37%もの大幅上昇、ドル円も連れ高となり1円70銭、1.94%もの大幅上昇でそれぞれ年初来高値を更新する展開に。
安易な値頃感からの売りはひとたまりもなく踏み上げられそうな状況です。
なお、ジョージ・ソロス氏は、FRBバーナンキ議長の金融緩和策を適切な政策と評価する一方で、ドイツの緊縮財政方針は他国の金融緩和方針と衝突すると懸念し、最大の危険は通貨戦争、と指摘しています。
「ユーロ安の恩恵を受けてきたドイツに我々を批判する資格はない」とドイツ首脳からの批判に反論する甘利発言などが通貨戦争へと発展しないよう、大人の対応をお願いしたいものです。
NY市場、金は続落で1,660ドル台のサポートライン手前、トレンドは変わらずで1,760ドルの上値目標も有効。しかし1,660ドルを割れてしまうようなら、1,600ドル割れ、1,500ドル台半ばまで下落余地が広がりそう。
プラチナも続落ながら、金よりもわずかに上の水準でも持ち合いが続きます。1,670ドルから1,700ドルのレンジを上に抜けると1,700ドル台後半、下に抜けると1,600ドル辺りが目標地点。
ドル円は3日続落分を取り返してお釣りが来る1.94%の大幅上昇で年初来高値。流れは好転まではいかないものの、新たな上値目標91円台半ばも浮上。但し90円台後半の壁は厚そう。下値サポートライン88.60円。
※参考:
金プラチナ価格とドル円 NY市場1/24終値とチャート
国内、金価格は1%の上昇で5,000円台を回復。レジスタンスラインの5,060円を突破できれば5,150円まで、サポートライン4,970円を割れると4,850円辺りまで。NY金の軟調地合いとドル円の上値抵抗を考慮すると、国内価格は厳しい状況か。
プラチナは1.8%の大幅上昇で年初来高値を更新。まずは5,150円付近が目標地点。サポートラインは4,990円。予想以上に強いプラチナはもしかするとまだまだ高値更新が続く可能性も。今年、条件さえ揃えば2010年の高値5,466円超えも?
※参考:
金プラチナ国内価格1/25とチャート
2013年01月25日(金)時点の相場
国内金:5,033 円 1/25(金)
▲57(
1.15%)
国内プラチナ:5,086 円 1/25(金)
▲90(
1.80%)
NY金:1,669.9 ドル 1/24(木)
▼16.8(
1.00%)
NYプラチナ:1,683.8 ドル 1/24(木)
▼8.0(
0.47%)
ドル円:90.32 円 1/24(木)
▲1.72(
1.94%)
1/24(木)のその他主要マーケット指標
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